オタクのゴタク/飛龍 乱ブログ

『正解するカド』最終12話.「ユキカ」

 今更ながら。
 前期で最注目作品だったこのアニメ。
意図が読めないヤハクィザシュニナの行動により、世界がステップをいくつも飛ばした進歩を強いられ、混乱に陥っていく様子が実に面白く。
 ザシュニナは、現代に降臨・再臨した神……神の子なんじゃないかなあ、と。
 かつて地上に現れた際は、限定された奇跡と、それよりも思想・信仰を説くことで世界を変革しようとした。
 しかし現在、驚くような「奇跡」の実行が、マジックや映像加工により神の力など無くとも可能。
生き方や考え方を語った所で、テレビのコメンテーターやら新興宗教教祖様になるのがせいぜいだろう。
 圧倒的なビジュアル、それをマスメディアに乗せる全世界的インパクト、そして一般人にも分かる驚愕(奇跡)のテクノロジー、こういったモノが「今」神の子としてアピールするなら必要。
 僅かばかりのパンと魚を増やし、数千人に行き渡らせたイエスの神話を置き換え、世界の隅々にまで無限のエネルギーを供給するイベントにする辺りなんか、かなり意図しているとばかり。

 劇中でザシュニナが神か悪魔か、といった疑問は呈されなかった気がするけど。
友好的なのか侵略目的か、人類の進化と破滅どちらを狙っているのか、その辺りもほぼ触れられず。
 実際、与えられた驚愕のテクノロジーで世界は……権力者や支配階級は?混乱状態になった訳で、「秩序の破壊」として敵対行動と捉えても不思議ない。
 技術を日本が独占し、隠蔽したなら、他国から恰好の攻撃(核攻撃)理由になったろうな。
超大国への譲渡と引き替えに常任理事国入り交渉ぐらいはできたかと思うけど、あんまりモタモタしていると、現理事国以外の国も強硬手段に出てくる恐れがあり、「全人類への公開」は日本に得がないけど損もない、野心も悪意もありませんと示すには最善手だったのか。
 頭の切れる総理大臣をトップに据えていて、幸いだねえ、劇中日本。

 ザシュニナが、自分の本意を勝手にペラペラ喋っておいて、真道に「君は知りすぎてしまったようだ、死んでもらおう」とかバカ悪役みたいなことを言い出す、頭の悪いシーンがあって大笑い。
 クローンというものでもない、少し前にセーブしてあったデータのキャラクターを出してきた、って感じなのかな。
 そこで、ふと、『ウルトラマン』最終回のハヤタってこれじゃなかったのかなあ、と。
「命を二つ持ってきた」というセリフは、セーブデータから生命を作り出す素材を用意してきたってこと。
セーブポイントは、ハヤタのビートルがウルトラマンと衝突して墜落する以前にあった。
ホンモノの(変身して怪獣と戦ってきた)ハヤタは、もうウルトラマンと不可分の存在になっており、共に宇宙へ帰ったモノと。
ハヤタという生命が地球にあり、本人も周囲も彼を「ハヤタだ」と認識していれば、それでウルトラマンは満足だったんじゃないかなあ、「生命とは何か?」の定義が、ウルトラマンは、地球人よりバルタン星人や異方に近かったのでは。
 いや全然関係ない話。

 という訳で凄く面白く、どういう結末を迎えるのか興味津々だったシリーズだけど……
 沙羅花の正体で唖然とさせられて以降、口がポカーンとする展開の連続で、「緻密に積み上げられた知的な作品」から「行き当たりばったりの爆笑トンデモ作品」へと激変。
 地球人と異方の間に出来た子供は、純粋異方を越える力を有するとか、そんな設定ドコにあったんじゃ!『ドラゴンボール』サイヤ人か!
 小娘との対決にボロ負けし、こうなったら宇宙ごと壊して皆殺しにしたるわ!とかいう、やっぱり『ドラゴンボール』の往生際が悪いボスみたいなことを言い始めるザシュニナ、残念すぎ。
 それはそれで笑った、楽しんだ、とは言えるモノの、後半に到るまで期待していた内容とは全くの別物だなあ。
総合的にどう評価すれば良いのか、頭をヒネってしまうアニメ。
 続編では、半分機械になったザシュニナがゴツい父親連れで地球へと復讐に訪れ、しかし宇宙武者修行でテレポート戦法とか身につけた幸花の剣で微塵切りにされ世にも情けない最期を遂げる、とか、新たに異方技術で作られた人造人間が……(もういい)
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って見てないか。

>>友好的なのか侵略目的か、人類の進化と破滅どちらを狙っているのか、その辺りもほぼ触れられず。

これはザシュニナは人類が単純な存在のに、情報を無尽蔵に生み出す存在だから興味がある、手に入れたいと言う欲望だけ。
最もそれが真道を人類の代表として欲しいに変わってからは、腐臭くなったのは否めない。

>>技術を日本が独占し、隠蔽したなら、他国から恰好の攻撃(核攻撃)理由になったろうな。

初期のザシュニナは日本人が独占しないと踏んだから(確信したから)カドの技術を渡した。
ナゼ日本人なのか、その理由もちゃんと述べてる。

前半を作るのでスタッフは息切れしちゃったのかなぁ。
クライマックスは本当に酷かった。
一番可愛そうなのは、15年間も一人で子育てさせられた花森 瞬だろう。
勝手に26から41までの時間を奪われたのだから。
そりゃあ人類の救世主の一人ではあるが、だからと言って彼を賞賛する人間は劇中にはいなかった。
せめて時間遡行させて若い頃に戻してやれば良かったのに。

兎に角、最初の頃の期待を見事に裏切ってくれたアニメとして忘れないだろう。
2017-07-21 Fri 21:32 | URL | u12 #-[ 編集]
> 承認待ちコメント
> このコメントは管理者の承認待ちです
>
> の解除をお願いしたいですw

 うわあ、また、失礼しました!
 なるほど、一ヶ月放置するとコメント表示に承認が必要になるんですね。
まるっきりぼくが悪くて、すみませんでした、反省。


> >>技術を日本が独占し、隠蔽したなら、他国から恰好の攻撃(核攻撃)理由になったろうな。
>
> 初期のザシュニナは日本人が独占しないと踏んだから(確信したから)カドの技術を渡した。

 ああ、そうでしたっけ。
 日本人は、技術情報を秘匿独占「しないかも知れない」珍しい民族だ、とは思います。
しかし、アメリカあたりから強硬に意見を入れられたなら、行動は相当制約される、自由意志に制限付きの国でもあると思います。
 膨大なデータからザシュニナは、今の状況なら日本はこうする、といった未来を予見したものでしょうか。

> 一番可愛そうなのは、15年間も一人で子育てさせられた花森 瞬だろう。
> 勝手に26から41までの時間を奪われたのだから。

 成長する我が子も見ず命を奪われる結果となった幸路朗に比べればマシ……ですかね?
 この間、日本・世界のため休む間もなく子育て仕事をした、と捉えれば、大量の残業手当と年金が付くかも知れません、いや現実時間でしか換算しないなら大損かも。
 まあ、既に何でもアリでしょう幸花が、タイムふろしきとか持って帰ってどうにかしてくれるものと。
2017-07-22 Sat 00:26 | URL | 飛龍 乱 #-[ 編集]
>地球人と異方の間に出来た子供は、純粋異方を越える力を有するとか、そんな設定ドコにあったんじゃ!『ドラゴンボール』サイヤ人か!

これは私も同様に思いましたねー。
幸花のフレゴニクス解説を聞いたら余計に「だったら“宇宙に最適化された異方存在”辺りが生まれるんじゃないの!? どうしたら“より高次の存在”なんかが出てくる話になるわけ?」と。

>せめて時間遡行させて若い頃に戻してやれば良かったのに。
>タイムふろしき

ナノミスハインと真道のコピーが出てからネットの感想に時間遡行云々というものが散見されてますが、カド作中に於いて時間を逆行できるとは明言されてなかった筈ですよ。
ナノミスハインが時間の進む速さを変えられるとは云え、それはあくまでプラスの範囲で増減させる描写しかありません。
唯一、幸花が死後の真道と会話する描写に可能性がなくもないものの、あれは「異方より高次から観測すると魂は存在するから」とかでも説明できてしまいますから。
2017-07-27 Thu 17:37 | URL | 鳳龍 #jYsgXq72[ 編集]
鳳龍さん
>>ナノミスハインと真道のコピーが出てからネットの感想に時間遡行云々というものが散見されてますが、カド作中に於いて時間を逆行できるとは明言されてなかった筈ですよ。

ただの私の願望ですw
自分の意思で死んだ人は良いけど、尊敬する先輩に懇願されたんじゃ断れない。
それなのに報われ無さ過ぎと思えたのでこう書きました。
2017-07-28 Fri 22:35 | URL | u12 #-[ 編集]
u12さん
文面から分かってらっしゃるだろうとは思っていたのですが、件の感想に時間遡行が出来ると確定した前提のものが多く見られたので余計なお世話をしてしまいました。

因みに、その噂から「脚本担当の野崎まど(SF作家)は終盤の展開を二転三転させるところに定評がある」と知り、沙羅花が異方存在なんて首を傾げる展開になった後も最終的には視聴者を唸らせるオチになるんだろうと期待してました。
しかしその期待は裏切られ、予想の下を行くオチに落胆させられるという…。
2017-07-29 Sat 09:06 | URL | 鳳龍 #jYsgXq72[ 編集]
 異方が、どこまでの力・技術を持ち、どこまでが限界なのか、劇中でハッキリ示された訳ではありませんから、判断は見た人次第、って感じもありますね。
 花森については、肉体年齢を子育て開始当時にまで戻す、ぐらい可能っぽいので、その処置だけでも受けて青春を取り戻すと良いのでは。

> しかしその期待は裏切られ、予想の下を行くオチに落胆させられるという…。

 ぼくも、もっと哲学寄りか神話のようなラストになるのだろうと思ってました。
 意外であったのは確実で、「このオチは読めてた」って視聴者、まあ居ないでしょう。
ある意味、語り継がれる作品になりましたから、制作者としては満足……ですかね。
2017-08-14 Mon 12:31 | URL | 飛龍 乱 #-[ 編集]

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