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『量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-』05.「リコ、レディ・ゴー!」

 テレビ東京の実写ドラマ。
 タイトルに惹かれるものを感じつつ、一話の放送をすっかり忘れていたが、YouTube配信で視聴、面白さにハマる。
 イベント会社で働く女子社員が、意図せず出会ったプラモを通じ、成長していく物語。

 特に二話目「1/24の情熱」に感心した。
スポーツカーの販売イベントを任されたヒロイン・璃子だけど、車のことなど全然知らず。
プラモでスポーツカーを組み立てることで、それがいかに多くのパーツから成り立っているか、しかし外装を付けてしまえばもう中身を知ることはできない、と思い知り、スポーツカーの内部パーツに触れるイベントを企画する。
 一台二千万円、というスポーツカーに価値付けをするなら、コスパはもちろん居住性・荷物を大量に運べる、なんてのが来るはずなく、「格好いい」これ一点突破だろう。
パッと見て格好いいだけでなく、エンジンの形状からネジ一本に至るまで、設計者や職人たちが妥協なく拘り抜いた「格好いいをテーマとした走る芸術品」だと知ってもらうことが肝要。
 これはなかなか思いつかない視点で、プラモを作る、という番組の最重要ポイントが遺憾なく活かされている。
見事。

 前回、四話「雉村さんの船出」も凄く良い内容。
 中心に据えられた雉村は、恐らく自分と同年代。
『宇宙戦艦ヤマト』に強く思い入れを持っている、という部分も同様。
 長年勤めあげてきた会社内で次第に居場所を失っている雉村と、長い航海を経て汚れ、サビの浮いた船体から、「厳しい戦いを経てきた歴戦の艦」だと感じ取らせるヤマトの姿を重ねていくところ、ホロリ。
 ヤマトが、新作『2199』のもので残念。
雉村の年齢からも旧シリーズがイメージだったと思うため……プラモ自体が新作に合わせたものだったから、仕方ないけれど。

 今回、ミニ四駆は、自分にとって全然世代でなく、へえーと思うに留まる。
 先輩男性社員、意外にも親しみやすい面を晒したが、「男前はこういうワザとスキを見せる自己プロデュースにも長けてるからなあ」と感じてしまう僻み根性。
 しかし、彼がラスボスかと考えていたのに、違った。
シリーズとしては、どう盛り上げて終わるんだろう……無理に盛り上げる必要もないか。
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『今、私たちの学校は…』12.

 Netflixで配信されている、韓国産の連続ドラマ。
タイトルからは想像しづらいけど、ゾンビ物。
 いや、面白かった。
12話完結の短さ、個性的なキャラクターの描き方、それを容赦なく切り捨てていく思い切りにより、ダレることなく見終えられる。

 実写ゾンビ物で、学校が舞台というのは珍しい。
アニメでは『がっこうぐらし!』『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』なんかがあった訳だけど。
 学校は誰しも通った経験のある場所で、通常の教室、職員室、科学室、給食室、図書館、体育館など、性質の違う空間が多々あるため、シチュエーションごとに変化をつけやすい。
 生徒にしても、理数系、体育会系、委員長、オタク、イジメする側される側と、所属によって個性がある程度明確化できるし。
 考えてみれば、これまで余り使われなかった設定なのは不思議。
今作のヒットにより、後追いの企画が多数出されるだろう。

 12話、最後まで面白く見たけれど、斬新なことをやっているかというと、そうでもない。
かなり基本に忠実な作り(感染者の一部について独自の解釈はあるが)。
 ゾンビ発生で学校の殆どが感染者に埋め尽くされ、生き残った学生や教師が決死の戦いを繰り広げる。
心を通わせた友達や家族を次々喪い、彼ら彼女らが主人公たちを襲う側になってしまう悲しさ恐ろしさを感じさせつつ、それでも生きようとする物語。

 キーを握りそうなキャラが早々に物語から外れたり(死ぬ・ゾンビになる、ではなく、物語と関わらなくなる)、頼りがいありそうなキャラなのに突然呆気なくゾンビ化、かと思えば絶望的状況でも特に理由なく平気で生き残る者もいる。
 死を大きく扱われる・居なくなったことさえ気づいてもらえない、レギュラーでも扱いに壮絶な差があるのは違和感。
 特殊能力を得る者、得られない者の差は何なのか、ハッキリしなくてモヤモヤ。
 コイツに外で大きな音を立てさせて、その間に逃げればいいのに、といった、見ていて誰もが考えるだろう計画を誰も言い出さないのが不思議。
 展開に勢いがあるため騙され気味だけど、気になるポイントは結構ある。

 それでも国産のゾンビドラマ『君と世界が終わる日に』なんかとは比較にならず。
 『君と……』、「ゾンビ」を扱う作品として、主題に関しての真摯な態度が全然感じられない。
ストーリー・役者の演技・ゾンビの造形動作まで、「なんかこんなもんでエエんちゃう?」ぐらいにしか作られていない。
 韓国映像界の真面目な姿勢を多少は見習うべき。

『ガンダムビルドリアル』01.「再会」

 タイトルからアニメ『ガンダムビルドダイバーズ』シリーズの最新作かと思った。
ガンプラバトルのある世界観は引き継ぎつつ、キャラ設定などは一新、何より大きな違いは「実在の俳優が出演する実写ドラマ」だということ。
 見始めて気がついたけど、先にYouTubeで全話配信されていたのね。
そちらで一話目だけ見ていた……といっても、ドラマ部分はほぼ飛ばし、バトルシーンをちょっとだけ程度。

 ドラマ、ガンプラ関係を主軸に据えているのは当然として、青春物っぽい作り。
ヒロインとなるのだろう少女が可愛いのは、大きくポイント高い。
パンクブーブーのお兄ちゃんって、確かガンプラが趣味で、ビルダー大会の上位まで行ったという話だったような、出演はさぞや嬉しいことだろう。
 改めて見て、CGを用いたガンプラバトルがかなり作り込まれており、感心。
戦いの駆け引きや演出にも見応えがある。
 背景となった奥大井湖上駅は、一度訪れてみたい憧れの場所で嬉しい。
しかし、このためにわざわざロケに行き、風景とCGを重ねたのか!気合が入ってるなあ。
 ドラマ自体への興味は正直、薄いけれど、このバトルだけでも全6話、見ていきたい。

『古見さんは、コミュ症です。』04.

 原作漫画は連載で既読。
 「コミュ障」ではなく「コミュ症」なのね、「障」って漢字の印象からか。
 「サンデー」連載に目立つ、読み切りにぐらいしか使えなさそうな限定設定・シチュエーションの作品。
美人だけどコミュニケーション能力に大きく問題があり、他者とうまく意思疎通できないが友達はたくさん欲しいと思っているヒロイン。
中心はこれだけなのに、多種多様な「問題」を抱えるキャラクターを周辺に配置し、主人公少年とのラブコメで面白く読ませてしまう作者の腕力、凄い!

 アニメに先立ち、NHKで放送されている実写ドラマ版。
 まず、古見さんが違う!確かに美人さんが演じているとは思うけれど、イメージと致命的に違う。
じゃあ誰ならイメージにぴったりなのか、と問われると困るが。
 只野くんも女装似合いそうにない容姿だし、万場木さんはメイクを取っても「ギャルメイクに向きそうな顔」をしててギャップが少なく、うーん。
 片居はオッサンすぎるが悪くない。
 驚いたのはなじみで、役者さんを知らなかったため、最初は女の子が演じていると思った。
これは驚異的、この人以外、考えられない。

 という具合に、他はまあともかく、中心となるべき古見さんが「違う」ことで余り入り込めず見ていた一話目だけど、只野くんと板書で語り始めるクライマックスで、なんかホロリと泣いてしまった。
原作ではほとんど、泣くような反応をしたことなかったのだが。
 古見さんを演じる池田エライザ、容姿として適役かは疑問。
しかし、役作りや演技を頑張っているのは確かで、一話目も後半に来ると「古見さんっぽい」と感じられる瞬間が生じ始めた。
 「伝わらないかも知れないけれど一生懸命に古見さんであることを表現したい」演者の努力と、「余りに不器用だが筆談でどうにか気持ちを伝えたい」キャラクターの心情が合致し、奇跡的に感動できるシーンになっていたのか、と思う。

 不器用でも、他者とコミュニケーションを取ることに懸命な古見さん。
つまらないことはペラペラ喋るけれど、こんなに自分を分かってもらおうと頑張ったことなんてあった?と自問自答。
 四話目まで見て、違和感は残りつつも、古見さんかなあと普通に感じさせるようになってきたので、役者と演出の勝利!大したもんだ。
 片居引っ越しに驚く。
コロナ下でもあり、キャラクターはなるべく小規模に区切りながら出したいのかな。
そういえば古見さんは基本筆談なので、役者さんの発声に伴う飛沫で他の人に感染させる恐れが少ないかも。

『24 JAPAN』01.「00:00 - 01:00」

 『24』全シーズン見ているファンとして、日本で作ると、どうしてもドラマやアクションがダサくなってしまい、まるで本家に敵わない出来になりはしないか、危惧しつつ視聴。
 前情報無しで見たため驚いたが、オリジナルのシーズン1を、そのまま日本に舞台を移してやろうってのね。
……シーズン1は、最初だったせいもあり、元々面白味に欠ける・モタモタした部分が多々あり、コレをそのままは、やらない方が良いのに。
といっても「核攻撃」は日本ドラマとして難しかろうし、「殺人ウィルス」もタイムリーに過ぎるか。
 向こう版も、スタート時点はセットが安っぽく、予算もさして潤沢ではない気がしたけれど、日本版はもうブッちぎりで安っぽい。
 うっかり冒頭で見せてしまうアクションシーンの、一昔前の刑事モノを思わせる下手な撮り方には、絶句。
『ライダー』や『戦隊』スタッフの方が上手いんじゃないかなあ。

 20分ぐらい見て、あとは一回目の見せ場となる飛行機爆破シーンを確認、やっぱり安っぽかったので、視聴終了。
 日本でやるなら……例えば『半沢直樹』を24時間リアルタイムでドラマ展開したほうが、『24』の雰囲気に近いと思うな。

『映像研には手を出すな!』03.

 ドラマ版。
 見続けていて、いや、意外なほど面白くなってきた。
 可愛すぎる主演三人も、次第に役柄に嵌まり、違和感なくなっているし。
 水崎ツバメ役の山下美月は、美人アイドル的なキャラなので最初から(元々の容姿に比して)自然。
 金森さやか・梅澤美波、普段は可愛いのね、いつも金森みたいなシカメッツラなのかと思った。
 そして浅草みどり・齋藤飛鳥。
ドラマ中では、妄想過多だし面倒な性格だし、表情も動作も色気ゼロだし、「カノジョにしたい」気持ちに全然させてくれない女の子に見えるのが、凄い。
実際は超絶キレイな子だというのに、見事な役作りと撮影技術。

 空想に没入した浅草が宇宙遊泳を始めるシーン、実写だと「本当に浮いている」感が強く、余計に可笑しい。
 小型戦車は、ある程度まで(砲塔部分だけとか)ホントに作ったのかなあ。
安っぽいハリボテ風でなく、しっかりできている。
胴体周り回転プロペラの飛行機械も、オモチャっぽくない質感があったけど……こんなに実物を作る予算があるとは思えず、やはりCGと巧く組み合わせているのか。
日本のテレビ番組CGとしては、なかなか例がないほど精緻な使い方。

 映画版は、本来5月15日公開予定だったみたいだから、当然もう撮り終えているんだろうが、テレビドラマ版はどうなんだろ?
全6話なので、これも撮影済みかな。
 最後まで見たい、途中で放送延期になったりすると残念すぎる。

『映像研には手を出すな!』01.

 実写ドラマ版。
アニメが終わったばかりだというのにドラマ化、そして映画……と、人気だなあ。
 ホントに全然情報を知らなかったため、浅草が齋藤飛鳥だというのに驚く。
えええーっ、コレはどうだろう可愛すぎない?だったけど、小ささ・細さがあり、優れた容姿を頑張って台無しにしようという演技もあって、色気ゼロな後ろ姿とか漫画・アニメのイメージそのままだったり。
 水崎ツバメ・山下美月、ちょっと高い所から本人が水に落ちるアクションに驚く。
水はキレイなプールじゃなくて貯水池水質だと思われ、季節もまだ寒い頃じゃないのかなあ、スゲエ。
何でもできる漫画原作やアニメに対し、実写でインパクトを与えるには、もう体を張る・張らせるしかないって考えか。

 スケッチで見せられる絵、相当に上手い。
 アニメでもあった飛行機械アクション、3DCGを用い、ハリウッド並み……とはいかないが、テレビにしては見応えのある絵作りに。
しかし、手描きのラフスケッチ(正確に動きすぎるからこれもCG?)と実写少女が同一画面に収まっているカットの方が、面白かったかな。
 怖い物見たさで一話視聴して、終わりだろうと思っていたけれど、いや意外と悪くない。
 映画はどうするんだろ?
このドラマの先を描くのか、また最初から語り直すのか。

『なつぞら』最終週.「なつよ、あっぱれ十勝晴れ」

 日本アニメーションの黎明期を描く、ということで個人的期待値の高かった朝ドラ。
 北海道で成長していくヒロイン・なつの物語は、結構面白かった。
家族になっていく様子とか、余計な波風を立てる夕見子、学校の友達と演劇のドタバタ、何より、草刈正雄の強いキャラクター性による泰樹爺ちゃんの存在感は、作品を支えるだけの重みが。
 東京に出て、アニメの仕事に臨むようになると更に楽しくなるんだろうな、と期待していたが……

 うーん、小田部羊一がドラマの監修に入っているのだし、リアルな姿なのかなあ。
 『ヘンゼルとグレーテル』について、劇中アニメーションの出来が中途半端なのは引っかかる。
こんなもんでしょ、と言われたらそうなんだけど、坂場がドラマ部分で凄く拘った「鳥が魔女を襲うシーン」について、単に奥から手前への無限送りで処理してあり、ビックリ。
「木の巨人が歩くシーン」も、泰樹爺ちゃん歩きのドコをどう参考にして活かしたのか、全然分からない。
 これぐらいなら、アニメスタッフや声優さんが驚きの声を上げるリアクションだけで見せた方が、想像力を刺激されそう。
 『ハイジ』じゃない『大草原の少女ソラ』での、デコボコ道を馬車で行く揺れの表現だって、わざわざドラマに織り込んだ割には普通。
 目玉焼きを作るシーンは、それでも凝ってあったかな。
美味しそう!かはともかく。

 ドラマ単体でも、役者を志し二度と実家を頼らない覚悟で東京に残ったはずの雪次郎、ここに(無駄に思えたが)結構な時間を割いておいて、アッサリ役者をやめ北海道に帰って菓子屋を継ぎ、あまつさえ伏線を感じないまま夕見子と結婚。
「人生こんなもんだよ」と言われるとその通りなんだけど、この辺は全部カットでいいはず。
 物語の都合ばかり感じる天陽の死、で感動させようもムリじゃないかなあ。
 なつ妹のスッタモンダにしたって、描くにしてもこの半分以下の時間で十分。
 そこいらは、朝ドラ的ストーリーに馴染みが薄く、そんな所は削ってアニメ話をメインにしてくれー!としか思わない人間故の不満か。

 しかし、神話の時代とも言える日本のアニメーション誕生期が、そこにはさほど興味が無い扱いでドラマ化されてしまったのは無念。
 大沢麻子のモデルとなった中村和子が東映から移転した先の職場で、虫プロ・手塚治虫も登場するかと思ったのに。
 『ハイジ』で演出をした富野由悠季だって出せたろう。
 残念……宮崎駿か、その奥さん太田朱美を主人公に、もうちょっとアニメ関係に特化した作品として作り直して欲しい。

 特撮だけど、『マグマ大使』『スペクトルマン』『電人ザボーガー』らを作ったピー・プロダクション創業者・うしおそうじを主人公に据えるの、どうかなあ。
特攻隊を見送る写真記録係であり、三船敏郎と交友を結び、円谷英二に師事し、マンガ家時代に手塚治虫から認められ、クセの強い多くの特撮作品を作り上げた。
長男が『エヴァ』音楽の鷺巣詩郎だというのは、この際余計か。
 面白くなりそうに思う。
プロフィール

飛龍 乱

Author:飛龍 乱
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ですが、現在HPは更新できなくなっています。

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