オタクのゴタク/飛龍 乱ブログ

『フタコイ オルタナティブ』最終話.「3人でいたい」

 これは…難しいなあ。
 簡単に見るなら、「巨大イカにキック一発で事態解決?商店街存続の危機とかライバル御曹司の存在などなど、様々なモノが『敵を倒す』事で解決してしまうのは、どうか」と思う。
 しかし…とにかく色々と製作者の思い入れやら意図やらノイズやら入っているので、そこまで含めて解釈しようとすると、何かしら言いたい事を言いきった、という意味では見事に完結した作品だ、とも思える。

 主人公が戦った相手は、「現実」であったはず。
 間の抜けたヤクザが仕切る街、どんな攻撃も通用しないイカ怪人の猛攻、国境を越えて複葉機で少女を助けに向かった城では、量産型イカ怪人と巨大イカが主人公を待ちかまえている。
こういう「お祭り」のような世界観では、実は少女を縛る遺言やら双子同士の葛藤なんて、「そんな事言ってる場合じゃないだろう!」程度の意味しか持たない。
 その状況でなお、小さな悩みを「現実」として視聴者に捉えてもらうには、キャラクターの、製作者の、そこに向かう姿勢があくまでシビアな必要がある。
 コイツらを倒せば何とかなる、というような明快さも爽快さも無いモノが、「現実」。
 立ち向かうなら、派手な「イカ怪人的世界」から主人公が降り、定職に就いて暮らしを安定させ、双子の居場所と将来を継続的に確保して上げる事。
戦う相手は「現実」。
それは、キック一発で勝負が決まるような生易しい戦いではない。

 沙羅が帰ってきて また三人で暮らせる事になりました、マトモに行くと主人公が敵うはずのない御曹司は自ら身を引いてくれました、商店街は何とか存続できそうです。
どうも…モラトリアムな決着としか思えず。
 いや、そうした終わり方に留める事で後味を良くする、エンターテイメントな作り方は勿論 理解できるが、その場合 主人公が戦う対象は、「強大な敵(イカ集団)に太刀打ちできない、パワーや度胸でオヤジに劣っている自分」ぐらいで良かったはず。

 でも、そうして小綺麗に閉じていない所が、勢いを生み出してもいる。
 「二人じゃなくて三人で暮らすんだ!」というのも、いい歳で世の中をナナメに見ているオッサンからは「いずれ破綻する刹那的な暴走」だが、ムチャをするのが若い衆の特権であり、「やる前から諦めてちゃ何も出来ない」という考え方だって間違ってはいない。
 見る者の年齢やら考え方により、評価が大きく変わってくる作品かも。
それは決して、悪い事ではないだろう。

 最後まで崩れず、高いレベルを維持した作画は驚異的。
 脚本・演出共、「何となく流して作っている」「とりあえずこんなモンでイイだろう」という作品が多い現状で、精一杯 何かを描こうとしている気持ちは伝わる仕事だった。
 何も考えずに見れば、問題なく、割と楽しかったアニメ、と評価できたはず。
 でも、描こうとしたナニモノかがある、と受け取り、仮定したそれが達成できたかどうか、という観点から見ると、厳しくなってしまう。

 取りあえず、スタッフの皆様はお疲れ様でした。
 次回作は、スッキリ見られるエンターテイメント……でなくて構わないけど、「オタオヤジ方向に焦点を絞った、問題作」を作ってくれると、個人的に、語りやすくて嬉しいかな( ^_^ )。
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『ピーチガール』最終話.「ラスト・ハリケーン!」

 そういえば最後まで見たのに感想を書いていなかったので、今更ながら。
 うん、面白かった。
 二人の男の間でフラフラしているヒロインの心情を、アッチとくっつく、コッチとくっつく、そのシチュエイション毎に説得力を持って描き出せているのが凄い。
この辺は女性原作者の感性があってこそ、出来るワザだろう。
 ……それでも後半はさすがに無理を生じていたけれども。
 心変わりが頻繁すぎ、この最終回を見た後も、ヒロインが どちらと結ばれるのか分からず。
次回があれば、またコロリと態度を変えそうで。

 『宇宙家族ロビンソン』ドクター・スミスに似て、最悪のキャラクター造形が実に楽しい さえが、シリーズをグッと面白くしてくれた。
 もし彼女抜きだったら、ヒロインの移り気さは もっと悪い印象になって残っていたかも知れない。
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