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第一シーズンを見終えた米ドラマシリーズ

『FRINGE(フリンジ)』
 J・J・エイブラムスが手掛けるSFドラマ。
 シリーズを通した敵…というか陰謀というか…は存在するけど、基本的に『Xファイル』風、一話完結形式。
 多くの事件について、捜査をしていると、ヒロインがチームに引き込んだマッドサイエンティストお父ちゃんが「ああ、そういえばアレ私が昔作ったモノだ」とか唐突に言い出し、目が点になる。
こんな話の作り方アリか…
 まあ、このお父ちゃんの壮絶に立ったキャラクターが作品の魅力の90%ぐらいを占めるとさえ言えるから、いいんだけど。
 マッドサイエンティスト、といっても大抵の作品ではもうチョイまともなものだが、お父ちゃんは本当にイカレてて、会話が通じるようで通じなかったり、無茶苦茶な行動を取ったり、善悪の基準が見当たらなかったり、正にマッド。
 オヤジを見ているのが楽しく、ヒロインの隠された過去やらストーリー上の仕掛けなんかは割合どうでもいい気分。

『ウォーキング・デッド』
 「ショーシャンクの空に」のフランク・ダラボン監督がプロデュースから(一部)監督も務める、珍しいゾンビ物のテレビシリーズ。
 最近の流行りである全速力走行ゾンビではなく、由緒正しいモタモタ歩きを採用してあるのが嬉しい。
猛スピードで追いかけてくるタイプも、それはそれで緊張感があり悪くないんだけど、ワビサビ、趣と癒しがあるのは やはりヨタヨタ歩きの方。
 お金が掛かっていて、ゾンビのメイク等も安っぽくなく、画面には見応えアリ。
 ただ…ロメロ一連の作品や『バイオハザード』『28日後...』『ショーン・オブ・ザ・デッド(ゾンビ群突破のアイディアが…)』その他多くの同ジャンル映画から要素を抜き出して構成したソツの無いストーリー、と思え、新しさや、シリーズとして時間が掛けられるからこそ見えてくる何か、という部分の魅力はまだ弱い。
切り口としては『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』の方が、優れてるなあ。
 第一シーズンは全6話しかなく、色々と気になる引きを残しているから、この作品独自の面白さが表れるのはこの後かも。
 長期シリーズになったとして、「ゾンビ化ウィルスを生み出した組織と主人公らの戦い」とか「知性を持ったゾンビ出現により地上の覇権を賭けた最終戦争になる」なんてテコ入れが始まると「ゾンビ物」から外れる可能性があり、かといってゾンビ対人間だけじゃバリエーションが限られ、人間ドラマもそんなには深くないので、今後の展開はなかなか難しかろう。
 刑務所が舞台になるという第二シーズンを、取りあえず楽しみに待ちたい。
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『Aチャンネル』03.「同級生」

『Aチャンネル』

 原作未読。
 キャラや雰囲気の印象は、『けいおん!』か『ひだまりスケッチ』といった所。
ユー子の外見や弄られキャラとしての特性など、澪を彷彿とさせるし。
 でもまあ、当然ながら作品としての中身は違う。

 『けいおん!』でも梓が居たけれど、この作品では、より、学年の差、僅か一年程度のことではあるけれど学生時代は越えがたい壁ともなる上級生と下級生の関係を、(ここまでは)メインで描いている。
 大好きな幼なじみで ごく親しくしていたが、一年遅れて高校へと進学してみれば、るんに同級生の友達が出来ていたことで、トオルの感じてしまう距離。
 天然で幼くもあるため、そういう微妙な気持ちに気付かない るん。
 「下級生として」トオルを可愛く思い、仲良くするユー子とナギ。
 るんとの距離を自分からは遠ざけまいと(単に苦手なタイプだったから?)、同級生の友達を作るのに消極的なトオル。
 誰にでも覚えがあろう、身近で些細な出来事。
 自分も、高校時代、学年が上がって仲の良かった友人らと一人クラスが別になり、長い休み時間には別校舎にある彼らの教室まで遠征していた記憶があるもので、凄く良く分かり、懐かしい。

 女の子達はみんな可愛いけれど、やっぱりトオルに注がれる制作者の愛情を感じてしまう。
 未熟で暴力的なところがあり、裏腹にしっかりした優等生的な側面も持ち、るんに対して姉のように世話を焼き、でも妹のように甘える。
複雑なキャラだが、それぞれの要素が魅力を主張し、全体として「凄く可愛い」少女に見せるバランスが素晴らしい。
 こんな妹か娘が居たなら、ベタベタに可愛がるな、いや、面白がって遊んでしまうか。

 仄かに色っぽさ(エロではない)の絡むネタがあるのは、『けいおん!』『ひだまり…』との差異。
さすが『咲-Saki-』の監督作品、と言うべきか。
 構えず気楽に女の子達のドタバタを楽しめば良いアニメ。
 視聴継続。

『Dororonえん魔くん メ~ラめら』03.「大きいことはイイコトか?」

『Dororonえん魔くん メ~ラめら』

 原作は、相当に古いもの…連載は三十八年ぐらい前なのか…だけど、単行本でかなあ、既読。
…といっても、一番最初のモノのみ。
 Wikipediaで見ると、他にも展開されてるのね。
成長した姿で『バイオレンスジャック』に出ていたのとか、知らなかったな。

 今回のアニメ版は、過剰なまでに「昭和」を意識した内容になっている。
 設定年代やキャラの服装、セリフ回しも。
「そうは問屋が卸さない」なんて言い方、恐ろしく久しぶりに聞いた。
若い視聴者は、「ハア?」と思うんじゃなかろうか。
 やたら当時のCMコピー文句(「ダッダーン、ボヨヨンボヨヨン」なんてのもある所から、昭和であれば年代は問うてない?)が口にされる他、ギャグの作り方まで昭和風に古い。
だから、懐かしくはあっても笑うところまで行かず…オジサンにとっちゃ癒し系ギャグか。
若い衆には逆に新鮮に映る、のであれば良いが。

 しかし、この三話目のギャグ暴走は可笑しかった。
馬鹿エロを延々見せたまま、戦いもナシでエンディングになだれ込むとは。
 「おい、エンディングまだ早いぞ!」タイプのギャグも映画等では無くもないけど、アニメじゃ珍しい。
『ああっ女神さまっ 小っちゃいって事は便利だねっ』で あったような記憶。
 どうせならあのまま本当に終わって、次回はナニゴトもなかった格好で新しい話を始める手もあったろうが、そこまで暴走が行き過ぎると「昭和」から外れる?

 ハンマーで戦いの決着を付けるスタイルは、米たにヨシトモ監督『ガオガイガー』からのセルフパロディか。
 今風と違う、永井 豪体型での お色気シーンも懐かしく目に嬉しく、色々な意味で年寄りには嬉しい仕上がり。
 視聴継続。

『魔法少女まどか☆マギカ』最終12話.「わたしの、最高の友達」

 面白かった。
非常に良く考えられていて、作り込まれた作品。
 いくらか投げっぱなしになるだろうと思っていたけど、ほとんどの謎や不明点について絵とセリフでしっかり答を示していく、最近ではなかなか見ない誠実な終わり方。

 ほむらの側から見せることにより、世界は全く違った様相を呈し、不可解だった彼女の行動が持つ意味を浮き上がらせる10話は、凄い。
 時間に関わる能力は便利すぎ、よっぽどのバランス感覚と厳しい目をもって描かない限り作品を緩ませてしまいがち。
そこを、「次第に戦い方をマスターして強くなっていく ほむら(限界はある)」「しかしどうしても助けられない まどか」「ほむらにとって最も辛い まどかの死を何度も見なければならない呪いにも似た力」と見せていき、もう ほむらの心が壊れかけていると描くのが巧い、というか悲しすぎ。

 どれが本編のラストシーンであっても納得できなくはないレベルで作られた、バッドエンドのバリエーションとアイディアにも感心。
これは耐えられないなあ…
 能力的なものではなく心の問題として、耐久限界が来ているとする作りに、なるほど。

 ほむらの、時間停止を用いて、ではあるけれど、「暴力団事務所などから武器を盗み出して使う」魔法少女としてあるまじきにもあるまじき過ぎる即物的な戦い方に、ちょっと笑うやら納得するやら。
 彼女の力が、まどかを、繰り返される時間の中で特別な存在へと変えてしまう、この考え方も素晴らしい。

 まどかの願いは、全てを無かった事にしてゼロからやり直すか、キュゥべえ達の種族が関わってこない時間軸に移動する、死んだ魔法少女を全員生き返らせる、といったモノになると予想していたけど…
 どれにしても良い結果が待っているとは限らない(特に、人類史からキュゥべえは除外できない)としてあり、難しい。
 魔法少女達が抱いた願いはそのままに、絶望に変わる最期だけ回避する、抑制の効いた、しかし恐ろしい程の まどか自身による犠牲を伴う選択。
 悲しく切なく、でも希望を残す、「作り手の人間性が表れた」とさえ言える終わり方。
 凄い、これは凄い。

 新たに魔法少女達の敵として出現した魔獣って、まどかが作り出したもの?
魔法少女らの死に際して彼女が吸い出した絶望が、単独で形を取った存在、とか。
 倒して残るのだろう黒いカケラは、感情を伴った転落ではないから前世界で収拾していたもの程ではないけれど、エントロピーに関わらないエネルギーではあろう。
 吸い取った穢れと共に切り離した、恐ろしいほどの力を持つ まどかの一部が具現化したもの、とも考えられる?
 キュゥべえ種族の地球来訪目的はキープし、魔法少女の願いを否定せず、ベスト…かは分からないけどベターな解決法として素晴らしい。
 外的な敵である魔獣の存在により、魔法少女とキュゥべえの関係が、一般的魔法少女とマスコット使い魔に似た形へと変化するのが何とも。

 感想はまとまり無くモヤモヤと。
 それでもまとめると、原作を持たないオリジナルアニメとしてはこれ以上望むべくもなく良く出来た、圧倒的に良く考えられており、哀しいけれど後味良く、見終わってもう一度 第一話から見返したくなる、面白い作品だった。

映画『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』

 WOWOWで放送された映画『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』を見ていたら…ええと、これは大して意味のある設定でなく、ネタバレとも言えないと思うから書いてしまうけど、気になる人は読まないでね。

 クライマックス、戦いの舞台がスリーマイル島の原発だったので、微妙な気分。
バトルアクションだから、当然のようにドッカーンと破壊されてしまうし。
 東日本大震災の前に作られた映画であり、細かい意味なんか無い娯楽作、と分かっていても「ただの背景」としては見られずフクザツ(当然ながら、それで映画の評価を下げることは有り得ないが)。
 当分、地上波放送は難しそう。
 本編中の設定では、本物の原発じゃなく組織の偽装基地だった可能性があり、壊したって汚染が起きないのかも知れないな。

 ああ、映画は、アクションは頑張っていると思うけど内容が「ウルヴァリン誕生秘話」であって、彼のファン以外なら見ても見なくても、というモノであり、血縁者との確執・かつて所属していたスーパーチームに追われる恐ろしさ等々 面白そうな要素は揃えつつ、どれも描き込み不足で淡々としており物足りない。
オヤジはアレで終わりなんかー、とか。
 最強なハズの敵が余り強そうに見えないのも、難点。
 でもまあ、さすがにお金が掛かっており、退屈することはなくスッキリ見終えられる(続編へと引く要素満載だけど)、これぞ娯楽作、ではあろうか。

ati2dvag

 昨日は一日、異常が出たヨメのVAIOを直そうとして潰れてしまう。
「ati2dvagが正常に動作しなくなりました」と言われ、再起動を繰り返す症状。
 ボードの接続を確認したり、ドライバを入れ直してみたり、でも無駄。
 試行錯誤の末、結局、その面倒なシロモノを消してしまえば取りあえず動く、という事が分かり、解決…?
 疲れた……PCの異常は、詳しくない人間にとってなかなか手に負えないなあ。

『変ゼミ』02.「食と嗜好から見る快楽様相に関する考察」

『変ゼミ』

 原作未読。
 アニメが始まってから、雑誌連載のモノを読んでみたけど、「カニバリズム」とかをテーマにした話で うわーうわー。

 萌えとかエロをアニメに求める現状への、アンチテーゼというか嫌がらせのような作品。
 キャラは可愛いのに、カルピス原液を更に十分の一程度まで濃縮したような、素では飲み込み辛い濃すぎる内容にしているため、これで興奮できるかは、ネタと、視聴者の嗜好が合致しているかどうかに寄る。
ズレがあった場合、「笑えない」ぐらいなら穏やかな反応で、作品自体を拒絶する可能性さえあるだろう。
 ギャグだから、細かいこと言わない、違和感やら異物感も楽しさの内、と考えられない視聴者には、向かないかも知れない。

 現在のアニメ業界を、ぬるいとか腐っていると考える制作者は、このアニメに関わるべきじゃなかろうか。
「お前らが見たがっている(会社が作れと言ってる)作品傾向を突き詰めるとこんなトコまで行っちゃうんだよ!」という意味で。
 そんな気持ちが通じるかどうかは分からないけど。
 この作品が目指す「面白さ」の設定は明確であり、そこへの到達度も高いため、認められない視聴者にも「つまらない・出来が悪い」訳ではなく「自分に合わない」内容なのは理解できるだろう。

 このアニメを見て「うわー」「勘弁してー」と感じるのは、マトモな証拠。
自分も、面白がりながら、少々引いてしまう部分がアリ(職業柄、それが誉められた事かは知らず)。
 心を揺さぶり、常識を危うくさせる、アブナい作品。
 視聴継続。

『よんでますよ、アザゼルさん。』02.「魔界のプリンス」

『よんでますよ、アザゼルさん。』

 原作未読。
 芥辺とアザゼル、ベルゼブブらのキャラクターが強烈・極悪で面白い。
彼らだけでストーリーもギャグも十分もってしまうが、アクが強すぎ、薄い客層を遠ざけてしまう可能性がある。
 そこに、ごくごくフツーの女の子である佐隈りん子を入れ、常識的視点から世界を描くことで悪辣さを良い加減の濃度に押さえ、見易くしているのが上手い。

 キャラを活かしたドタバタのギャグだけで構わない内容だけど、意外と真面目にゲストの人間性を暴いていくドラマになっており、感心。
大学ゼミの教授なんて許せないほどの悪人じゃなし、ここまでせんでも…とは思うが、まー悪魔と関わって そうそう幸せになれるはずもなく、仕様のない事か。
 監督・水島努らしいブラックな笑いが横溢しており、お子様にはお勧めできない深夜アニメらしい作品で、楽しい。
 十五分、という短さも、ギチギチに濃い味付けからすれば丁度良いのかも。
 視聴継続。

出崎 統、逝去

 出崎 統が亡くなる。
 ニュースを聞いた時、ちょっと、悲鳴に近い声を出してしまった。

 氏の手掛けたアニメで、好きなものを上げると…
『エースをねらえ!(テレビ・劇場版・OVA)』『ガンバの冒険』『家なき子』『宝島』『ベルサイユのばら』『あしたのジョー2』『おにいさまへ…』『白鯨伝説』『コブラ SPACE ADVENTURE』『ゴルゴ13』『ブラック・ジャック』…
果てが無く。
 『ルパン三世』のスペシャルや、ごく最近の作品には首を傾げるモノがあるけれど、「ほとんど好き」と言って良いぐらい。

 『宝島』のワクワクする面白さとシルバーの「漢」としての格好良さ、『ガンバ』の文字通り大冒険模様とノロイのゾッとする恐ろしさ(山小屋で一人過ごす男のエピソードも忘れがたい)、『家なき子』ビタリスの重い人生訓とレミの瞳、『あしたのジョー2』で見入らされたジョーの生き様、どれも、見た当時大きく影響され、今の自分を形作るに必要不可欠な作品。
 『コブラ』劇場版や『ゴルゴ13』『ブラック・ジャック』『白鯨伝説』なんかは、「傑作!」と言って良いかどうか分からない内容ではあるけれど、何故か何度も見返してしまう、魂が引かれる作品だった。

 とにかく突然で、頭が上手く回らない状態だけれど…
 67歳……まだまだアニメ史に残る、そうでなくても自分の心にはガツンと食い込んでくれる、凄いアニメをガンガン作れる年齢だったと思え、この逝去は残念というか、虚脱感。
 表面的に見える演出的特徴の模倣やパロディーならともかく、きちんと後継する人間の居ない…出来ない独特のスタイルを持ち、高いクオリティーの作品を送り続けた、アニメ界の巨人。

 ありがとうございました。
本当にありがとうございました。
 心より、ご冥福をお祈りいたします。

余震

 余震…地震?が頻発しすぎて、落ち着かない。
その度、娘やら犬を抱えて脱出口であるドア付近まで避難しなくてはならないから。
 ヒマな時だったらまだしも、〆切の最中にこれだと、ようやく調子が上がってきたところで気持ちを散らされてしまうため、再度集中するまでに時間ロスが……

 いや、こんなのは恐ろしく甘えた話で、被災された方達は泣き言いうどころじゃなくて生きた心地がしないんだろうと思うが。
 早く落ち着かないかなあ。
プロフィール

飛龍 乱

Author:飛龍 乱
HPはこちら。
ですが、現在HPは更新できなくなっています。

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