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『モーレツ宇宙海賊』08.「姫と海賊」

 ミーサの無謀運転に茉莉香と姫様がグッタリするシーン。
ドライブそのものは見せず、到着後のリアクションからどれほど酷い行程だったか想像させる演出。
姫様の海賊船潜入や学校への編入方法も省略するのだから、テンポアップのためにも細々描かない方が良いんだろうな。
 …と思えば、回想でわざわざ走りを見せてくれ、しかもその内容がさして凄いものと思えない事で、拍子抜け。
 アニメなんだし、描くのなら、派手に無茶苦茶な走行をさせた方が良かったのでは。
 普通の女の子とお姫様にとっては、あれぐらいでも大変なショックだと見せたかった?
でもそれが面白いのかどうか…

 茉莉香の学校に姫様を入れたからには、王室育ちと一般生徒のギャップや互いの利点・欠点、誤解と理解で面白く見せる手だろうと思うが、実際にはごく薄い。
学校にはヨット部の面々も居るはずで、「その他大勢」扱いのキャラを立たせるにも、絡ませるチャンスだったのでは。
せめて部長・副部長ぐらいは…
 宿泊先、ホームステイ扱いで茉莉香の家に滞在させて良かったような。
お姫様がそれは不自然?いや不自然を言い出すと……
キャラとしては薄い茉莉香母を強化する切っ掛けにも出来たはず。
 宇宙で起きている事件を解決した後、あるいはその途中でまた学園に帰ってきて、この辺は改めて描かれる事になるのだろうか。

 学校で茉莉香を敵視する意地悪な女生徒、海賊船で「俺はまだお前を船長と認めた訳じゃない」と反発する昔からの乗員、新人船長に厳しい要求を突きつけてくる政府関係者、「名高いお父様をこそ頼ってきたのです、申し訳ありませんが、貴女を信用して良いのかどうか現状では判断できかねます」という態度の姫様…
ストーリーをスルスルと滑らかに「進ませない」、油断すると逆行さえさせようと抵抗するキャラが、一人ぐらいは居て良いような。
 登場キャラはみんな物分かりが良くて、さして危険な事もなく、作り手の予定した通り順調に(かなりゆっくりと)進行する物語には、見る者を引き込む力が弱い。
 では『けいおん』のように心地良く続いていく日常の魅力で見せているかというとそうでもなく、中途半端だなあ。
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『ブラックロックシューター』04.「いつか夢見た世界が閉じる」

『ブラックロックシューター』

 一話目を見た時、派手に、ではなく地味に身近に「嫌」な話なのが辛くて、異世界?アクションパートは面白いと思いながらも視聴脱落しそうになった。
 それは、この「嫌」な関係を、大きな変化無く長く続けるものだという思い込みによるものだったが、意外、二話目でもう大きくストーリーが動き、三話目の時点でヨミとカガリの関係ベースとなる過去の傷痕はひとまず修復、改善に向かう。
 まだよくは分からないけど、異世界アクションにより、現実世界の人の心に変化が起きるのか。
映画『エンジェルウォーズ』での妄想シーンみたいに?

 カガリは学校で新たに友達まで出来、マトもユウと共に平穏な日常を過ごす。
 …という波乱を感じさせない所から、ヨミの心中に湧き起こる黒雲。
ようやくできた友達・マトには、ずっと前から大親友であるユウが居た。
どうという事もない話のようだけど、特に思春期は「私が一番」ではない事で距離を感じてしまい、自分が拒否されているようにさえ思う。
とても微妙な心理描写。
 カガリが明るくなり、友達が出来たのも、普通なら目出度い事だけれど、「自分が居なければ困る」はずの相手が離れていく事で喪失感を味わい、自分への価値付けさえ揺らいでしまう。
 繊細な描き方だなあ。

 男生徒から酷い形で拒絶された部長・アラタだが、相当ダークな方向に行きそうな予想を裏切って普段通り。
…かと思えば、起きたトラウマ級の事件を忘れている?
 カガリも、環境・心境の変化によりヨミを不要に感じ始めたのかと思っていたが、ヨミとの間に長年存在した事情や精神的やり取りを忘れた?
 「異常事態」が起きてるのかあ。
「忘れる」って事さえ無ければ、日常でも起こりえない状態では無いと思え、そっちの方に徹底して心理的に追い詰めた方が興味深かったような(嫌な話は辛いとか言っといて)。

 CGで描かれるアクションは、時折手描きかと思ってしまうぐらい普通にアニメっぽく、今石洋之が手掛けているからなのか重さを感じさせ、生理的に気持ち良いタイミングが取れており、アングルの良さ等もあって、見応えあり。
 全8話…だと、もう半分終わったのか。
 現実と夢の関係とか「謎」関係にはさほどでもないんだけど、キャラクターとドラマの行く末には興味がある。
最後まで見たい。

『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバンTHE MOVIE』

 映画『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバンTHE MOVIE』を見る。
 三十年ほど前、テレビ放送されていた宇宙刑事シリーズが好きで、その中でも『ギャバン』は、新しい作品にしようとするスタッフの情熱と、主人公の魅力に溢れており、音声とアクションにより「蒸着」コードを軌道上の母艦に発信するとコンバットスーツが電送され体の周りで実体化し「ギャバン」になる、このイメージの素晴らしさにワクワクさせられたもの。
 主人公・一乗寺 烈を演じた大葉健二は、現在俳優業をほぼ休業しており、たまにゲスト的な出演をするものの、長時間、それも「ギャバン」としての出演はもう無いものと思われていた。

 で、この映画。
 三十年昔から『ギャバン』のファンだった、当時子供でも既にイイ歳したオジサンになってしまったキミ達・ボク達へと向けた、ご褒美のような作品。
 夜景をバックに、スモークの中から、全身を煌めかせてコンバットスーツのギャバンが最初に現れたところで、もう涙腺が緩みそう。
 強い、格好いいギャバンが嬉しい。
 年月を経ても変わらずアクションに切れがあり、渋みを増してより「ヒーロー」となった一乗寺 烈・大葉 健二が嬉し過ぎる。

 『ゴーカイジャー』としても筋が通った内容で、懐かしいキャラ(シリーズを越えた敵キャラも)が次々姿を見せる、お祭り騒ぎ。
千葉 繁声のエルダーに、大笑い、まだ生きてたんだコイツー。
 魔空空間に建造された魔空監獄、というイメージが素晴らしく、その最上階に向け下から攻略していく分かり易い構成も結構。
ギャバンブートレグの強さ、魔空監獄獄長アシュラーダの厄介さは、劇場版の敵キャラとして十分。
 劇中、高所より落下・頭で接地する無茶なスタントがありビックリ、死ぬ死ぬ死ぬ。
手を抜かない、入れすぎるぐらい力を入れた作りに感動。

 上映時間が一時間強と短く、せめてあと三十分長ければ…二時間確保できたらもっと見せたいモノがあった、という無念さを感じつつ、詰め込めるだけ詰め込んだ贅沢な内容は満足度が高い。
 最後の最後までサービス精神に溢れる、楽しい、嬉しい映画。

 以下、もの凄く内容に触れるので未見の方はご注意。


 ギャバンとマーベラスの関係、僅かな時間で示される割にはなかなか良いんだけど…
もうちょっと深いと、より良くなったかなあ。
 幼少期の事件の後、ギャバンはマーベラスを引き取り、一緒に暮らすようになる。
強く・厳しく・優しいギャバンの背中にマーベラスは「父親」を感じるが、「才能を見出し、やがて正義を守るべく宇宙警察へ進んでくれることを言外に望むギャバン」と「ルール・組織に縛られる宇宙警察では望む生き方が出来ないと考えるマーベラス」の距離は次第に広がり、数年後、マーベラスは黙って家を出、海賊になった…とか。
 そうすると二人の絆を深化でき、愛情と、それだけでは埋められない生き方の違い、しかし肩を並べて戦うことは出来るのだ、という希望が描けたような。

 『ギャバン』は、父・ボイサーを探すギャバンの「父と子の物語」でもあったから、ギャバン・マーベラスでもう一度「父と子」を描くって、悪くないように思うんだけど。
 ついでに、魔空監獄獄長アシュラーダは宇宙犯罪組織マクー首領ドン・ホラーの血を引いている…という設定をもう直接的に「息子」としてしまえば、「父と子」の有り様をギャバン組と対比する構成にも出来たかと。
 ただ、そうするなら、ちょっと直すで終わらず、シナリオ全体を変えてしまわなければならないし、『ゴーカイジャー』テレビシリーズとの兼ね合いもある。
 ついでに言えば、「海賊」って事で『ワンピース』ルフィの家庭事情(祖父が海軍中将)と似てしまう弊害も。
 だから、コレは「こうした方が良い」じゃなくて「オレ妄想」に留め、ラスト、ギャバンを見送るマーベラスに「オヤジ…」という呟きを勝手に入れることで、一緒に見たヨメにポカーンとされる涙を流しておきたい。

『モーレツ宇宙海賊』06.「茉莉香、初仕事する」

 前話。
 不審船に対する戦法を練る茉莉香。
とはいっても、電子戦がメインとなっており、都合良く部内にスーパーハッカーが存在したことで、彼女は特に何をした訳でもなく。
 「敵をダミーのプログラム船に侵入させ油断させる」というのはアイディアだと思うけど、急に持ち出さず、基本の発想ぐらい茉莉香に出させてはどうか。
船長になる決意をするエピソードなんだし、向いた才能のカケラぐらい見せないと。

 ハッキングされた電子装備を全て切ることで、反撃してくる敵船。
この世界ではとても考えられない行動…なんだろう。
その前提があんまり上手く描けていないので、茉莉香達が恐ろしく間抜けに見えてしまうが(女子校生だし、間抜けで良いのか)。
 これがド外れた行動なのであれば、敵じゃなくて茉莉香の頭から出た方が面白かったかなあ。
 反撃の方法は、なるほど。
しかし、相手からギブアップを引き出すでもなく、結局は海賊船だの公的機関に助けてもらう訳で、カタルシスとしてはもう一つ。
 あと、敵ってナニモノだったの?
いずれ明らかになる、でも構わないが、茉莉香含め誰も疑問に思っていない様子は、見ている方が疑問を感じてしまう。

 今回。
 戦いを経て、海賊になる決意をした茉莉香…母親を初めて?名前でなくお母さんと呼ぶのもそうだけど、気持ちが分かり辛い。
 まあ見る限り、この世界での海賊って遊園地アトラクションショー的なことをやってみせるだけの愉快な人達みたいだから、悲壮な決意をする必要など無いのか。
 茉莉香はその実情を知らなかったような…大体、海賊とは何をするのか具体的に把握せず「なる」と言ってしまうのは迂闊というか考えがないというか。
 「女子校生だから」、まあそうなんだけど、それを魅力と捉えられるかというと、まだ難しい。

 てっきり部活の仲間達と女子海賊団を結成する(少なくとも、海賊船の中核を彼女らが担う)よう思っていたが、他の部員は今回登場せず。
緩やか~に進めてきたアニメなのに、別れとか描かないのね。
 海賊団のメンバーも、初登場のキャラが居るのだから、紹介して欲しかったところ。
いきなり馴染んでる(少なくとも居所がないなどとは感じていない)茉莉香に、違和感。

 ベタベタなヤラセの海賊行為は、結構楽しかった。
決闘の後「海賊らしく」ルール無用の武器を持ち出す茉莉香も楽しいが、ホンモノっぽい傷痕を晒して倒れる男は、どうなんだろ。
アトラクションだとみんな分かってるから、もっと派手でキレイな仕掛けを見せた方が良いような。
観客は若干引いてた様子。
 海賊が奪ったアクセサリー類は保険会社から補償して貰えるのか。
損するのは保険会社だけ…いや、滅多にない海賊損失に備えて船会社が保険に入ってくれるから、逆に儲かってる?
 設定や、その転がし方は面白いと思うんだけど、そこにキャラクターやドラマの魅力を乗せるのが上手くいってない印象。

映画『パラノーマル・アクティビティ』『パラノーマル・アクティビティ2』『パラノーマル・アクティビティ 第2章 TOKYO NIGHT』

 WOWOWで放送された映画『パラノーマル・アクティビティ』『パラノーマル・アクティビティ2』『パラノーマル・アクティビティ 第2章 TOKYO NIGHT』を見る。

 一作目。
 低予算とスケジュールの無さ、アマチュア技術を全て逆手に取ったアイディアが見事。
 ホラー映画は、比較的安い予算・無名の出演者で撮れる。
それにしても、ここまで…

 一軒の家の中で始まり、終わるのは、撮影が容易だから。
「怪奇現象が続くと分かっているなら引っ越せば、せめて一時的にでもホテルとかに退避すれば良いのに」というのは誰しも見て思う事だけど、制作上の都合で出来ないのを、観察対象である主人公達の愚かさ、観客のフラストレーション~恐怖にまで繋げてしまう。
 霊的能力を持つ人間を呼んで対策を練る…この場合、合理的な行動で、『ポルターガイスト』教授や霊能バアサンの再来を期待するけれど、こういう事態に詳しい人の存在を匂わせながら「結局最後まで姿を見せませんでした」とする意外性に大笑い。
これまたキャスティング予算の制約と、ストーリーをスッキリさせるため。

 何か凄いことが起きそうだけど、実際には何も起きない。
特殊効果やCGを使う予算も技術も無いのだろうから、仕方ないこと。
 しかし、観客を「何も起きなくて普通」の監視カメラ映像を覗いている気分にさせることで、ショボイとも言える超常現象表現を「リアル」と感じさせる。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』だなあ。
『クローバーフィールド/HAKAISHA』『REC/レック』『THE 4TH KIND フォース・カインド』辺りは、とにかく手間暇が掛かっているので、手法は同じでも違うジャンルの作品みたい。

 イヤ~な気分にさせるオチも、一発作品としては楽しい。
 全体として、別に怖くはないけど頑張ったホラー・アイディアを楽しむ作品。
そこに意味を見出せないと、「こんな安っぽい映画に金払う価値があるかぁ!時間損した!」と言ってしまうかも。

 二作目・米版。
 予算も時間も技術も使えるようになったが、ワザと「制約」を感じさせて撮っているのが分かり、うーん。
どうせなら、家の外へと一時退避を実行するが逃げても無駄だった、という所まで見せてくれれば良いのに。
 基本的に一作目と同じ内容。
事態の原因について言及されるけど、まあそう言われても、としか。

 毎夜これだけ異常事態が撮影されているのに、日中は くつろいだ様子を見せる家族こそ超常的。
 ラスト、『24』ジャック・バウアーばりの鍛え上げられた殺人技を見せる悪霊?に爆笑。
相手に絶望を感じる暇さえ与えない、気が付いたら死んでいる、考えようによっては優しい殺し方。
 飼い主の異常事態に頑張る犬が可愛い。
最後の方、出てこないんだけど、犬はどうなったのか、人間達の運命より気掛かり。

 『第2章 TOKYO NIGHT』
 本編とは関わりのない話かと思えば、続いてるのね。
ちょっと『呪怨』風に、異常事態が感染していく感じ。
 ジャパニーズ・ホラーの撮り方なので、本国二作品と雰囲気が大分違うけど、構成は同じ。
 『リング』なら『呪怨』なら、もっと映像に恐怖を高める仕掛けを施していくだろうな、と思いつつ、オリジナルのドキュメンタリー手法を踏襲しているため、大した事は起こらない。
「ガラスが割れる」「物体が燃える」ぐらいで「おお!サービスしてる、日本人は生真面目だなあ」という気分になるのは、このシリーズでは何も起こらないのが当たり前になっているから。

 霊能少女と悪霊祓いジイサンが楽しい。
二人ともインチキっぽいのに、本物って扱いなんだ。
次回作は、霊能力があるフリをして金目当てなだけのキャラを出し、酷い目に遭わせるのも良いか。
 「引っ越せよ!」というシリーズへのツッコミに対し、「他の場所でも同じ現象が起きる(場ではなく人に憑いている)」という回答が示される。
 お約束のオチから一捻り。
カメラが家の外に出るし…憑いた人の体の自由が効かない、ってのは目新しい。
クララかよ!とアリガチなネタ。
 最後、驚かすのに悪霊頑張り過ぎ。
仕掛けをし、相手が愕然とするまで隠れて待っていたのかと思うと、妙に可笑しい。
 お姉ちゃんが美人なので、それだけでも楽しく見られた。
足を使えないキレイな姉の世話をしつつ二人きりで生活…むうう一本ネタが出来そう、怪奇現象とかどーでもいい!いや、怯える姉を元気づけようとして、というのだと動機付けが容易か。

 米版は二作目にしてマンネリ気味。
三作目の公開も終わってるのか、まあ衛星ででも放送されたら見よう。
 日本版は、この形式から発展させる事でもうちょっと展開できそうだけど、頑張って怖がらせようと努力すればするほど、オリジナル一作目からは離れ、日本でゼロから企画を立てるのと変わらなくなるだろうな。
ドキュメンタリータッチのホラーなら、『ノロイ(『パラノーマル…』よりずっとイヤなオチ)』とか既にある訳だし。

『機動戦士ガンダムAGE』17.「友情と恋とモビルスーツ」

 第1部・フリット編最終回辺り。
 ああ、ユリンをファーストのララアにしたかったのか、というのがようやく分かる。
 出自や経歴がハッキリしてない…と思ったけど、ララアもそこいらはあんまり語られてないんだっけ。
 ただ、ララアはキャラクターとして強烈であり存在感があったのに対し、ユリンは都合に応じて出されているだけの影が薄い少女に思え、フリットとの関わりも、制作者が期待しただろう程にはこちらに伝わってこない。
 死に至る場面は唐突で、「とにかくララアの最期を自分なりにやってみたい」意図ばかりが強く感じられる。

 白兵戦に向いているとは思えないブリッジ・クルー(こういう場面のためにマフィアっぽい奴らが居たのでは?)を率いて要塞に潜入するグルーデック。
やっぱりというか、名も知らぬクルーがポンポン殺されるんだけど、艦長は勿論、他のクルーも僅かにも心を動かされた様子が無く。
 得もないのに駆けつけるスーパーメカニックのオヤジ、自分達も子供を使っておきながらフリットを見て「子供が?」と驚く敵司令官…

 謎だったUEの正体は、見捨てられた火星移住者達。
 しかし…武装等を見ると潤沢な資源やエネルギーを持っていると思え、テクノロジーは何故か連邦全体のレベルを遙かに超越しているし、帰りたいならずっと以前より地球圏への往来は自由自在。
そんなに怨みを募らせるほど酷い環境下にいたとは感じられない。
 要塞司令室には、まるで機械のようにされたオペレーターが多数おり、同胞をこんな風に扱う人達に非人道的な行為を咎められても。
 なんだかUEクイーン?の思惑に沿って全てが動いているらしいから、合理的な行動とは限らないのかな。

 第2部・アセム編
 相変わらず疑問点は多いけど、学園ガンダム的な視点で描かれることにより、細かいことは大分スルーできる。
 作品内経過時間を挟むことで視聴者の気持ちを一度リセットさせるのに成功。
 「連邦は役立たず」「UEも結構なアホ」「フリットは幼児性を残したダメオヤジ」「その他のキャラクターはほとんどの場合何も考えていない」という基本設定が浸透したため、あんまり真面目に追求しても仕方ないというか。

 親の因果で強引に巨大ロボットパイロットにされてしまう主人公、憧れのヒロイン、謎の転校生(もう少し正体を伏せていても)、部活動を仲良く続けるうち敵味方の垣根を越えていく少年達…パターンだけど見易く、分かり易い。
 「ガンダム」というより、一昔前のスーパーロボット物フォーマットかな。
 上手く使えていないどころか、作品世界への没入に有害でさえあったAGEシステムが出しゃばらないのも良い。
 まだキャラとしては薄いけれど、アセムは妙な色づけがされていない分だけ、理解が難しくない。
悩んだり、使命や復讐に燃えるのは後でも構わない訳で。

 ファーストガンダムをもっと研究して活かせば、フリット編もそうそう変なことにはならなかったはずなんだけど、実際は一度に出した設定を消化しきれずキャラクターの感情も上手く追えなくて、ガチャガチャの内容になってしまっていた。
 このぐらい単純な所から始めた方が良かったのかも。
 第一部があんまりな出来だったため、今がマシに見えている所は、ある。
来週が楽しみだ、と思わせるほどドラマも引きも強くないし、本当「よくあるパターン」に乗せているストーリーなので、破綻気味の不安定な展開を喜んでいた視聴者には逆に見捨てられかねない。

 次回、もう卒業式なのか。
全員進学するなら状況は変わらないけど、さすがにそうもいかないんだろう。
 そろそろ独自の波乱・展開が見えてくる?
 そこで破綻しなければ良いが。

『モーレツ宇宙海賊』04.「決戦は深夜」

『モーレツ宇宙海賊』

 笹本 祐一の小説は結構読んでいるつもりだけど、この原作は未読。
 佐藤 竜雄監督作品、という事で期待して視聴。

 「モーレツ(原作はミニスカ)」というタイトルから予想する内容からは、かけ離れている。
とにかく地味で、展開が遅い。
 ヒロインは宇宙海賊の娘であり、船長への就任を要請されているのだから、それらしい豪快な才能を示すのかと思えばそうでもなく。
 電子戦に無謀にも対抗しようとする辺りは凄い…のかなあ?
それにしても、チアキに全部投げっぱなしで、本人は「奇想天外な戦法を示す」訳でもなく。

 「宇宙海賊」という言葉から想像する内容とのギャップを楽しんで欲しい作品なのか。
宇宙で海賊をやるには、とにかく突っ込んで後は白兵戦だ!なんて適当なことではすぐ死んでしまうため、周到な計画立案、緻密な作戦実行能力が求められる、というならそれは分かる。
 ただ、それを面白く描けているかというと、疑問。

 何でも知ってる部長とか、事情を抱え個別の能力に秀でている(のだろう)ヨット部の面々とか、もうちょっとストーリーに乗れていれば楽しい所かも知れないが、そうでない現状は、都合が良いなあとしか。
 宇宙服を着た際、髪の毛は直せないからきちんと仕舞っておけ、というハードな?セリフをわざわざ入れ、少女達が納得する描写も加えながら、(そうでないと見分けが付かないとはいえ)顔に髪の毛がかかりっぱなしで宇宙に出してしまうチグハグさには首を捻る。
リアルだろうとアニメとして実現できないセリフ・設定は削る、あるいは女子校生なんだし「髪の毛仕舞っちゃったら可愛くないもん!」と無視させて良いような。

 戦闘の緊張感はごく薄いため、女子校生達の呑気な日常やキャラクターで面白く見せる手だろうが、ここいらも、詰め込んだ細かな描写(一度艦内の電源を落として再起動したり…しかし余り意味を感じない)により阻害され薄められ、魅力を受け取り辛い。
 4話まで来てこの進行、良いのかなあ。
全何話?
 彼女は宇宙海賊になった!までで一クール分使い果たしてしまいそう。
プロフィール

飛龍 乱

Author:飛龍 乱
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ですが、現在HPは更新できなくなっています。

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