『LUPIN the Third -峰不二子という女-』最終13話.「峰不二子という女 (後篇)」
この作品で語られたのは、確かに「峰不二子という女の物語」ではあったけれど、本当のこと…ではなく、「誰かによって作られた、誰かが見たいと望んだ、嘘の物語」だという真相が明かされた。
望んだ相手は、アイシャであり、アニメの制作者であり、視聴者でもあるってことになるのかな?
自分として、これが望んだような終わり方だったかは微妙。
確かに、まだ手つかずだった不二子の幼少期について、あんまり勝手に設定を作って欲しくはない、という気持ちはある(ルパン各作品ごとの設定齟齬は今更だけど)。
しかし、ここまで見てきた話を全部「嘘」「そう思わされていただけで実は他の女性の幼少期」とする謎解きをされて、嬉しいかどうかと言うと……
不二子が抱えているのは植え付けられた他人の記憶である、とする伏線はあったんだっけ?
嘘はよく語られていたし、幻覚を見せられるシーンにしても何度となく登場しているのだから、予測してしかるべきか。
フクロウ執事がアイシャ母だという真相にも驚いたけど、無理がありすぎるというか、イイ歳だろうにルパンに匹敵する身体能力を発揮して、どんな母ちゃんだよ!としか。
まあ、この正体については誰も余り興味を持っていなかったろうし、顔を出さないままどこかへ去っていっても特に不満のないキャラだったから。
ルパンは原作でも、「驚かせたいためだけの意外なオチ」が結構あって、伏線とか必然性とか置き去りにされていること、珍しくない。
なので、取りあえず色々納得しておくなら、背負わせた、耐えきれないぐらい辛い自分の過去があっても、自由奔放に動き回り人生を楽しんでいる不二子に、 有り得たかも知れない自らの姿を重ねているアイシャが悲しく、残酷で切なくて、それはそれでアリの真相解明には思えたけれど。
水辺で楽しげにする不二子を見ながら、穢れない少女の表情に戻って眠るように息絶えるアイシャも胸に迫る。
ただ、うーん、これぐらいの終わり方なら、二時間スペシャルか三十分枠前後編、あるいは三十分一本でも良かったような。
それなら「時間の都合」で変なところが生じたり急転直下で終わらせるのも、十分納得できたろう。
再登場させたオスカーの扱いが不憫。
銭形と深く絡むでなく、印象的に死ぬことさえなくて、どうなったかも分からずフェイドアウト(銭形が手にしていた物から恐らく死んだんだろうが)。
爆弾を抱きしめての爆死で終わらせた方が良かったなあ。
このシリーズと同スタッフでのテレビスペシャル等が企画されており、そこでまた登場の予定、というならまだしもだけど。
いっそ「実は女でした」として、罪を償った後ウヤムヤのウチに銭形のヨメとなり、時折名前を出される銭形の娘・とし子の母親になった、でも個人的には構わないのだが。
全体に。
剣呑で格好いいルパン、削いだような鋭さを見せつつルパンにはやられてしまう次元、いくつかのエピソードの面白さなど、見所は少なくないシリーズだった。
逆に、ラストで多少盛り返したものの、輝きに欠けることの多い不二子は残念。
ドコまでも追ってくる無差別銃撃ターミネーターモードの不二子は、魅力的かはともかく、割と好き。
態度は偉そうだがまるで実力を発揮せず、「不二子とやった」ことばかりが印象に残る銭形も、不満。
いっそ銭形を出さないシリーズにする手もあったと思うなあ、ルパン達と別の角度からフクロウ伯爵の犯罪行為を捜査しており、最後にルパンと顔を合わせるだけにするとか。
五ヱ門は…悪くないけど扱いが軽い。
何でも真っ二つにする堅物サムライ、という既存イメージ以上の収穫は少なく、制作者が彼に余り興味を持っていないのではないかと思うほど。
テーマに関わるエピソードには余り心を引かれず、好きだったのは一話「大泥棒 VS 女怪盗」や五話「血濡れた三角」なので、次回シリーズがあるなら、何でもアリな各話バラエティー構成にしてくれると嬉しい。
それで面白い話を書ける脚本家は少ない、というのが問題だろうが。
望んだ相手は、アイシャであり、アニメの制作者であり、視聴者でもあるってことになるのかな?
自分として、これが望んだような終わり方だったかは微妙。
確かに、まだ手つかずだった不二子の幼少期について、あんまり勝手に設定を作って欲しくはない、という気持ちはある(ルパン各作品ごとの設定齟齬は今更だけど)。
しかし、ここまで見てきた話を全部「嘘」「そう思わされていただけで実は他の女性の幼少期」とする謎解きをされて、嬉しいかどうかと言うと……
不二子が抱えているのは植え付けられた他人の記憶である、とする伏線はあったんだっけ?
嘘はよく語られていたし、幻覚を見せられるシーンにしても何度となく登場しているのだから、予測してしかるべきか。
フクロウ執事がアイシャ母だという真相にも驚いたけど、無理がありすぎるというか、イイ歳だろうにルパンに匹敵する身体能力を発揮して、どんな母ちゃんだよ!としか。
まあ、この正体については誰も余り興味を持っていなかったろうし、顔を出さないままどこかへ去っていっても特に不満のないキャラだったから。
ルパンは原作でも、「驚かせたいためだけの意外なオチ」が結構あって、伏線とか必然性とか置き去りにされていること、珍しくない。
なので、取りあえず色々納得しておくなら、背負わせた、耐えきれないぐらい辛い自分の過去があっても、自由奔放に動き回り人生を楽しんでいる不二子に、 有り得たかも知れない自らの姿を重ねているアイシャが悲しく、残酷で切なくて、それはそれでアリの真相解明には思えたけれど。
水辺で楽しげにする不二子を見ながら、穢れない少女の表情に戻って眠るように息絶えるアイシャも胸に迫る。
ただ、うーん、これぐらいの終わり方なら、二時間スペシャルか三十分枠前後編、あるいは三十分一本でも良かったような。
それなら「時間の都合」で変なところが生じたり急転直下で終わらせるのも、十分納得できたろう。
再登場させたオスカーの扱いが不憫。
銭形と深く絡むでなく、印象的に死ぬことさえなくて、どうなったかも分からずフェイドアウト(銭形が手にしていた物から恐らく死んだんだろうが)。
爆弾を抱きしめての爆死で終わらせた方が良かったなあ。
このシリーズと同スタッフでのテレビスペシャル等が企画されており、そこでまた登場の予定、というならまだしもだけど。
いっそ「実は女でした」として、罪を償った後ウヤムヤのウチに銭形のヨメとなり、時折名前を出される銭形の娘・とし子の母親になった、でも個人的には構わないのだが。
全体に。
剣呑で格好いいルパン、削いだような鋭さを見せつつルパンにはやられてしまう次元、いくつかのエピソードの面白さなど、見所は少なくないシリーズだった。
逆に、ラストで多少盛り返したものの、輝きに欠けることの多い不二子は残念。
ドコまでも追ってくる無差別銃撃ターミネーターモードの不二子は、魅力的かはともかく、割と好き。
態度は偉そうだがまるで実力を発揮せず、「不二子とやった」ことばかりが印象に残る銭形も、不満。
いっそ銭形を出さないシリーズにする手もあったと思うなあ、ルパン達と別の角度からフクロウ伯爵の犯罪行為を捜査しており、最後にルパンと顔を合わせるだけにするとか。
五ヱ門は…悪くないけど扱いが軽い。
何でも真っ二つにする堅物サムライ、という既存イメージ以上の収穫は少なく、制作者が彼に余り興味を持っていないのではないかと思うほど。
テーマに関わるエピソードには余り心を引かれず、好きだったのは一話「大泥棒 VS 女怪盗」や五話「血濡れた三角」なので、次回シリーズがあるなら、何でもアリな各話バラエティー構成にしてくれると嬉しい。
それで面白い話を書ける脚本家は少ない、というのが問題だろうが。
スポンサーサイト