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『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』08.「からふる(水着買ったらファッションショーするべきだよねっ)」

 登場女性キャラの中では、無愛想なようで無表情にS気味異常なことを口走り続けるアナスタシアが、一番強烈かなあ。
 お金持ちの令嬢らしい(主人公の長々としたセリフで毎度説明)が、その財力・技術力を毎度全くムダな方向に費やしているのも可笑しい。
寮を買い取っちゃうとかすれば良いのに…他の女性陣が嫌いだという訳ではないから、追い出して主人公を独占する選択肢もないのかな。
 すぐに脱ぐ形で「オチ」に使われやすい会長、性格・スタイル共に地味すぎるのが特徴になっている春臣も、それぞれにキャラクターを主張。

 そういう中では、秋子が「妹」という設定特性以外に大きなアドバンテージがなく、目立ち方が弱い。
設定特性、と書いちゃったけど、「妹だからこその年月を経た兄への思慕」「僅かにでも感じさせる兄妹での愛への躊躇い」どちらもほぼ無いため、実の妹(本妹?)というよりは「主人公を『お兄ちゃん』と呼ぶ発情系キャラ」認識の方が強く、独自の個性が弱い。
 タイトルも、兄妹を中心に置くより、『聖リリアナ学園 学生寮の少女達』を表すモノに変えた方がしっくりくるぐらい。
 前回登場したありさと張り合うことにより、秋子のキャラクター性が強化できたのは救い。
これも…ありさは主人公への気持ちが暴走する余り腹黒い行いも平気な二面性少女、とした方が、対比して秋子を彫り込めたような。
とても良い子に描かれているので、秋子・ありさの違いは「発情系かそうでないか」ぐらい。
 原作は知らないけど、少なくともアニメの制作者には妹属性がなく、どうすれば「妹」の魅力を醸し出せるか、分からない・興味がないんじゃないかと思ってしまう。
興味はないけど妹物を異常に上手く描ける…らしい主人公少年に、その秘訣を習ってはどうか。

 ハーレム物では珍しくない、とはいえ、主人公少年の「好かれるべき要因」が全然見当たらず。
寮の女性陣も、妹達も、何が良くて彼に好意を抱いているのか、サッパリ。
 恋愛関係に疎いのはパターンとして、過剰な色気で迫る女性陣にも余り悩まされることがなく、出家僧のよう。
 まあ彼は、群雄割拠、それぞれに戦闘能力を備える女性達が争い合い、最終的に勝ち取ることを狙う「名誉の戦利品」なので、見た目が良ければ、中身や機能性は気にしなくて良いのかな。
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『ガールズ&パンツァー』06.「一回戦、白熱してます!」

 やりたいことがハッキリしている作品は、見易い。
 困るのは、例えばロボットアニメなのにロボットが格好良くない、「格好良くないところが魅力的」な訳でもない、ドラマは薄い、キャラクターにも興味を持たせない、そうなると、ドコをどういう風に楽しめば良いのか分からなくなってしまう。
 このアニメは、「とにかく戦車ありき」。
戦車を面白く・魅力的に見せるため、世界観からキャラクターまで揃えてある感じ。

 なんで学校が戦艦に乗っているのか、街中で戦車バトルが行われたり異常に見えるけど社会形態はどうなっているのか、世界全体を分からせるための詳細説明は省かれている。
「これなら戦車が存在してもイイかな」と思わせられればそれで良い、という割り切り。
 戦車にムサイ野郎を乗せたって今時誰も見てくれないから、乗員は全員美少女。
麻雀を美少女のアイテムにした『咲-Saki-』的(こちらは女の子優先に見えるけど)。
 競技とはいえ砲撃戦を行う訳で、どうしても死者・怪我人が出てしまいそうなところを、「安全に配慮した砲弾を使用」という無茶な一言でナシにしてしまうのが可笑しい。
拳銃で撃っておいて「峰打ちだ」ってギャグが昔、あったなあ。

 砲撃、えらく当たらないモノだと思うけど、こういうものなんだろう。
 もっと最新鋭の戦車を使わないのは、そこまで戦車技術が発達していない世界設定なのか、「弓道で狙いをデジタル機器により付ける」ような無粋な行為だからか。
いずれ超お金持ち学校がコンピューター制御戦車を持ち出すが、ヒロインらの恐ろしくアナログな戦術の前に敗れる、という話も?

 ヒロイン学校の女の子達は、戦車チーム毎に強く色分けされており、分かり易い。
 歴女というか、歴史上キャラクターになりきりっ子の少女達が楽しい。
今のところ、ヒロインの指示に「なるほど、○○(史実上の戦い)だな」と追従するに留まっているよう思えるので、いずれはサジェスチョンを与えたり自ら作戦立案するなど、より活躍する姿が見たいな。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

 劇場で『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を見る。
 『序』『破』に続く、新劇場版シリーズ第三作。
 二作目『破』が非常に面白く、「これを見たかったんだ!」と思わせてくれる内容だったため、大きく期待をしての鑑賞。

 いや、面白かった。
 具体的に言いたいことあるんだけどネタバレてしまうので…テレビシリーズの構成を残していたりいなかったり、期待に応えたり乗り越えたり裏切ったり、過剰な情報量にこちらの処理が追い付かなかったり中だるんだり、様々な意味で上映時間いっぱい、楽しませて頂いた。
 「新劇場版」は、明快なストーリーで進めていくものと思い込んでいたが、新たなワード・展開が詰め込まれ、考察しがいのある筋立てになっていた…のだろう。
個人的には、色々考えられるだけの知識も情熱も足りず、諦めて聞き流し気味。
 魔法モノで詠唱される呪文の中身に意味を求めても余り意味が無い、みたいなもので、「なんか言っている」その結果として爆発したとか人が死んだとか笑ったとか泣いたとかいう現象が確認できれば、それで十分じゃなかろうか。

 風呂敷を広げた感があり、次の映画でキレイに閉じられるのかどうか、不安。
しかし、静かに片付けられているパーツもいくつかあるため、やりようによっては可能、かなあ。
 この『Q』であっても、旧作の「気持ち悪い」エンディングぐらいで良ければ、ラストに一言二言付け加えれば完結っぽい形に出来たような。
 「また十年後、新たな構想を加えて語り直す『真・エヴァンゲリオン』劇場版シリーズにご期待下さい!十年後もサービスサービスぅ!」ってのもイイかな。

『ルパン三世 東方見聞録 ~アナザーページ~』

 ルパン三世のテレビスペシャル、シリーズ23作目。
 監督・亀垣 一はスペシャル担当初…かと思ったけど、『セブンデイズ・ラプソディ』『ルパン三世VS名探偵コナン』に続く三本目の作品なのね。
 監督自身もアニメ『名探偵コナン』に関わり続けているせいか、キャラクターデザインや作画の雰囲気に似たところが多々あり(ゲストの女性など、そのまま)、違和感。

 内容は、可もなく不可もなく。
 銭形をイライラするような馬鹿に描かず、悪党を相手にしても、1人ずつの対戦であれば勝てる実力の持ち主としてくれたのは嬉しい。
 相手の裏を掻こうとする行動を見せるルパンも、結構。
ほとんどは既存のパターンだし、感心するほどでもないが、「何もやらない」よりずっとマシ。
 懐かしい警視総監(ICPO長官?)、『さらば愛しきルパンよ』からのネタなど、ちょっと懐かしいクスグリは楽しいところ。

 殺人の疑いについて釈明せず、ICPOだというウソをつき続けるルパンの気持ちが不可解。
ウソにウソを重ねたり、誤解の連続で笑いに繋げたい意図は分かるけど、余り上手くできていないし、ヒロインの成長?にもキレイに連結しない。
 バレバレではあるが…登場シーンが少なく印象も薄いキャラを真犯人?とする語り口が良くない。
 ルパン側に女性キャラを付けているのに、五右衛門にまで、しかも3人女性キャラを付け、長女以外は(いや長女も…)魅力など何も無い全くのムダ。
 迷いを抱えた五右衛門が、「守るべき何かのため、戦うべき瞬間のため剣を抜く」シーンがカタルシスになるはずだろうけど、これも上手くなく。
飛行兵器はルパンらが既に制圧した後で斬っているし、衛星破壊は単にギャグ。
 大した謎解きでもないのにややこしく思わせてしまう、アナザーページ関連の情報整理もマズい。

 このスペシャルに限ったことではないが…「いくら銃撃を浴びてもルパン達には絶対当たらない」と、視聴者のみならず制作者も考えて作っており、まるで緊張感がない。
 何を描きたい作品なのか絞り込めてない、というか、描きたいことは別にないんだろうけど。
例えば「疑うことを知らなかった世間知らずの少女が、いくつもの真実と疑惑を重ねる旅の中で成長する」というテーマにするなら、その方向を強化し、要らないところを厳しく削り落とさなければ。

 不満も多かったシリーズだけど、『峰不二子という女』の方が野心的であり、面白い部分も。
「次回スペシャルには、行方不明になったその後のオスカー警部が登場する」という希望的観測があった、そっちが良かったなあ。
 『峰不二子という女』の内容から、ウダウダ本筋を抜いて面白い部分だけ編集し、少々の新作も加えて二時間にまとめてくれたものが見たい。
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飛龍 乱

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ですが、現在HPは更新できなくなっています。

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