オタクのゴタク/飛龍 乱ブログ

映画『トータル・リコール』(2012)

 衛星で放送された映画『トータル・リコール』(2012)を見る。
 シュワちゃん映画のリメイク、というかフィリップ・K・ディックの原作を再映画化したもの。

 どうしてもポール・バーホーベン監督版と比べてしまう。
 コリン・ファレルは、別に悪い事もないけど、シュワルツェネッガーほど画面を掠っていく力がないため、印象としてここで大きく負けてしまう。
 『アンダーワールド』『ダイ・ハード4.0』のレン・ワイズマン監督は、これも別に悪くない作品は作るんだけどソツなくまとめる所があって、バーホーベンの恐るべきアクの強さ・趣味の悪さの後では薄く感じられる。
 宇宙スケールで「なくなっている」のはどうなんだろう、そういう作品だと思っていたため、ちょっと拍子抜け。
CG技術は隔世の進化を遂げており、前作の時代には不可能だった事が今は出来るのに、「やってない」のはどうなのか…
 筋立ては大体そのまま。
期待の上を行くような変更は無く(変装シーンなんか驚かす・笑わせるチャンスだったのに…)、変えられた基本設定やクライマックスには緊迫感や説得力が薄く、感情移入度の低いストーリーで、この内容のどこを「いける!」と確信して再映画化したのか不明。

 映画としてダメなのは確かだが、好きな所はある。
 『ブレードランナー』風…というより、その影響を受けた『ボトムズ』ウドの街を思わせる、大きなキューブで構成された都市構造。
キューブの下側から抜け出し、隣のユニットに飛び移るようなアクションのイメージが面白い(『ボトムズ』でそのまんまやってた事だけど)。
 エアカーチェイス、巨大建造物の中を縦横に飛び回るエレベーターを用いたアクションは、合理的なんだか不合理なんだか分からない都市の仕組みを感じさせてくれ、引き込まれる。
 個々のシーンとしては、結構面白がらせてくれたり。
 夢(前映画では監督の趣味からか「悪夢」的)と現実の境界や曖昧さを現代的に捉え直し、全体をそこに向けて再構成すれば、今、もう一度作る意味を現出させることが出来、もっと評価してもらえたかも知れないんだけど。
 まあ、気楽に見られる、お金を掛けたB級映画として嫌いじゃない。
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『ステラ女学院高等科C3部』08.「司令ハ非情タルベキカ?」

 サバイバルゲームを中心として、女の子達が頑張ったり呑気に過ごしたり脱線したりする、テーマへの絞り込みは弱いもののそれも恐らくは狙いとしてノンビリ見せるアニメだと思っていたので、嫌展開に違和感。
 サバゲー自体にしても、強敵相手には為す術もなく負け、しかし関西の強豪…らしい学校には余裕で勝ったり、設定されたヒロインらの強さが分かり辛かった。
 ヒロインの成長に的を絞る手はあったろうが、日常からすっ飛んだエピソードを挟んだりして、真剣には受け取り辛い。

 「それはそれで」「視聴者に何も考えさせず、ただ今週放送分を楽しませる構成もありだろう」と思っていた…けれど、嫌な方向への展開は……
 ヒロインの成長を描くバネにしたいのだろうが、もうそこには余り興味がない(興味を持たせる作りになっていない)ため、見ていてただシンドイ。
結構バカな事をやっていた前半部分と上手く繋げられないような。
 作品そのものやキャラクターへの思い入れが強い人は、これでより引き込まれて見られるのかも知れない。
 そうでもなかった自分としては、この辺りで脱落。
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映画『パシフィック・リム』

 『ブレイド2』『ヘルボーイ』『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ監督による巨大ロボット作品。

 不満は、多々ある。
 長年、和製ロボットアニメを見続けてきた身としては、「もっとケレンの効いた演出を!」「ロボットの個性が弱い!」「あと一言、熱いセリフがあれば泣けるのに!」と、言いたい事色々。
 友人に「早く見てくれ、それまでは内容に触れる文句が言えないから!」と、変な勧め方をするぐらい。

 でも、面白い。
見ている間中ずっとワクワクする、とにかく嬉しい、シアワセだ。
 こんなにも妥協なく、巨額の予算を掛けて、実写で画面に説得力のある巨大ロボットバトルを見せてもらえるとは思わなかった。
 『トランスフォーマー』もお馬鹿さんな所が嫌いじゃないけど、ストーリーにもバトル演出にも大きく難があり、満足には程遠かったので。
 巨大ロボット・イェーガーは「人が乗り込んで操縦するロボット」。
しかも「搭乗者二人が記憶・思考を融合しないと動かせない」という『コン・バトラーV』合体システムのような厄介機構を搭載しており、不合理だけど燃える。
ロボットバトルのゲームなんかだと、コントローラー一つで相当複雑な動きを可能にしているから、この延長上に(しかも人体動作トレースシステムで)人間二 人も必要だとは思わないが、元々存在自体が合理的でないロボットには「はぁ?」と思わせる設定の一つや二つ、あって当然か。

 敵となる怪獣がコワイ。
米版『GODZILLA(結構好き)』よりも「怪獣」をしっかり理解している感じで、嬉しい。
 海上でのバトル、都合に合わせて水深をテキトーに設定した様子が(遠浅海岸なのかなあ?)また日本特撮っぽくて可笑しい。
 予告で聞かれた「エルボー・ロケット」が、吹き替え本編では何故か「ロケットパンチ」になっており、戸惑ってしまったり。
せっかくの武装だし、もっと何度か有効に使って欲しかったなあ…エルボーの推進で急激に体勢を変えたり、千切れた腕のロケットを遠隔操作で点火し怪獣の後ろからブン殴ったり。

 ストーリーを単純化するのに必要なんだけど、上層部がバカすぎ。
そもそもイェーガーなんてモノを作る時点で賢くはないのか…専用の戦闘機でも量産した方が合理的だもんね。
 設定も多少は読んだが、巨大ロボットの必要性が弱いのは残念。
「とにかく巨大ロボットを作るべき」「戦闘機や戦車じゃ全然ダメだ、人の姿をしている方が強いんだよ!そんな事、日本人なら子供の時から知ってるぜ!」という常識(?)は、アメリカ一般に通用しないのでは。

 主人公とヒロインにトラウマを設けたのだから、精神融合設定を用いて、乗り越えるプロセスを見せて欲しかった。
 ヒロインの過去、本来「家族を怪獣に殺された恐怖と怒り」がメインであるはずでは。
後の展開に繋げるためか、この辺が弱く、ためにトラウマの乗り越え方まで弱くなってしまった。
 傷を克服し、パイロット同士が心から信頼し合えるようになった時、イェーガーは本来の性能をも越えるパワーを発揮する…的な所があればなあ。
アメリカ合理主義映画では、そういうのあんまり見た事ないけど。

 米も日本も興行成績は余り良くないらしいのに、中国では大当たり、と聞く。
それなら、中国をもっと格好良く描いても良かったかな。
カンフーを使う高速打撃型イェーガー、武装はヌンチャクで。
 次回作があるなら、韓国イェーガーも設定すれば…韓国武術って何だろ?剣舞とか?…を使い、中国ロボと共に日本とは単純な協力関係にない。
この三体が恩讐を乗り越えて友情を見せても良いし、逆に乗り越えられず三国共に自滅してもテーマとしては意味を設けられる。
 いや…アメリカ映画だし、出すなら米とキューバ・北朝鮮・イラン辺りの関係を描くか。

 こんな感じで、つい『2』を考えてしまう。
 パイロットは一人きりで、操縦補助として怪獣の脳が使われており、性能を恐ろしく上げられた代償に、パイロットが平静な気持ちで居続けなければ怪獣に意識を喰われるイェーガーとか。
 お約束の合体・変形機能は是非実装して欲しい。
 とにかく続きが見たいなあ!
取りあえず、ソフト化されたら本編を何度か見返したい。
 馬鹿でテキトーでツッコミ所満載、でも格好良くて嬉しくて熱くなる映画。
 これだけのモノを見せてくれて、ただただ「ありがとう」。
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夏コミケ、二日目・日曜日

 いつも通り白昼書房で参加します…が、つい今まで作業をしておりましたコピー誌がどうにも間に合わず、自サークルの売り物は無しという情けないテイタラクに。
 申し訳ありません!

 寄稿した堀 博昭先生のコピー誌は委託を受けて販売できる…と思います。
 ついでだから酷暑にグッタリしたオッサンの顔でも見てやれ、とお考えの方は、お立ち寄りを。
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『ガッチャマン クラウズ』04.「Kitsch」

 えええコレが?というほど原典と違う『ガッチャマン』新作。
だいたい「科学忍者隊」じゃないし…いや、現代地球人からしたら魔法に等しい技術、というだけで、全て科学に基づいてはいるのかな。
 ゴッドフェニックスも出そうにない。
もしかしたら、凄くヒネくれた形で登場する可能性はあるか。

 よくある「ズブの新人が正義の組織に加入し、失敗しつつ成長する話」ではなく、ヒロインも初見の印象通り「現実と上手く折り合えない不思議ちゃん」ではない。
 ガッチャマンは、謎の存在から力を与えられ、言われるまま(なのかな?)よく分からない脅威・MESSと戦っていた。
それは正しい事だ、そうするべきなのだ、と思っていたんだろうけど、先入観を持たない はじめがMESSと仲良くなってしまい、そのお陰で人間は襲われなくなる。
 …なかなか見ない展開で、驚かされた。
新人は、無知故に良かれと思った行動でチームに迷惑を掛ける、という辺りがパターンなのに。
 はじめは、見知らぬ他者とコミュニケーションを取る能力に長け、災害ボランティアもできる行動力を持つ。
「不明な敵?と理由不明のまま、現実離れした戦いを繰り広げてきた」清音と比べ、どちらがどれだけ「正しい」のか…
実に面白い提示。

 多くの人がスマートフォンに導入している様子のSNS「GALAX」も面白い。
ちょっと『東のエデン』で開発されていた携帯サイト機能に似ているかな。
 ホストプログラムが、大小様々な事件や個人的悩み事に対し、使用者へと暫定的アドバイスを与えつつ、対応可能な他者をマッチングして解決を図る。
 基本的には善意に基づいている?
金銭が関わる「仕事」に発展しそうなケースもあり、ポイントが与えられているようでもあるし、単純ではないのか。
 「GALAX」「総裁X」は、今のところ人々の役に立っていると思え、原典ではこれらこそ「敵」であった訳だけど、ストーリー進行と共に性質が変わっていくんだろうか。
 作中で、唯一悪者っぽいベルク・カッツェの企み、ガッチャマン側トップとの関係も気になるところ。

 どう転がっていくのか分からない筋立てで、楽しい。
 オリジナル『ガッチャマン』は自分の田舎で放送されておらず、未だに「全体的なストーリーは知ってる」「所々のエピソードを見た」ぐらいのため、思い入れはさほど強くない。
だから「こんなの『ガッチャマン』じゃねえ!」という反発は弱く、面白くなるならどういう形になっても構わない。
 ただ…これならタイトルは『モノノ怪CROWDS』でも『つり球SERIOUS』でも良かったような気はしないでもないな。
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映画『モンスターズ・ユニバーシティ』

 前作Blu-rayを娘がとても喜んで見ているため、大画面で続編(時間を遡ったエピソードではあるが)を見せようと思い。
『プリキュア』は劇場で二作ほど見た事のある娘だが、それ以外の、二時間近くある映画をスクリーンで鑑賞するのは初めて。
 「コワイ」という所もあったけれど(恐がりなので)、全体的には飽きる事もなく、喜んで見られたようで、良かった。

 作品内の「世界を揺るがすような大事件」は一作目で起きており、そうそう衝撃的イベントは組めまいと思え、どんなものかと見たが…ああ、なるほど、スケールはずっと小さくして、その代わりキャラクター同士の関係を細かく描き、面白さを演出している。
 努力してもなかなか報われないマイク、持って生まれた血と才能に甘え傲慢で傍若無人なサリー。
一作目からすると意外な姿を晒す二人。
反発しつつ、逆境を乗り越えて少しずつ距離を詰めていく、その過程を(結果は分かっているのに)ハラハラ見せてしまう手腕が凄い。

 ピクサーらしく、しっかり詰めて考えられたストーリー。
ちょっと都合が良すぎる…と不満を感じたイベントに、何故そうなったかの理由を設定してある所なんて、感心。
 絶望的にダメダメでウンザリするような学生チームが、それぞれに全力を尽くし成長していくのも嬉しい。
 CGは、十分だった前作より更に進化を遂げていて、美麗。
同時上映された短編『ブルー・アンブレラ』では、実写としか思えない町の風景を作り出しており、ここまで来てるのかと驚かせてくれる。
 笑って、友情に胸を熱くして、気持ち良く見終えられる(帰宅したら一作目が見たくなる)、エンターテインメント。
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『ファンタジスタドール』04.「じめじめしめじ 残念王子の逆襲?」

 ドール達と個別に交友が深まっていく、手堅い構成。
 年長(に見える)であり、しっかりした所もありながら、天然ボケ因子を持ち可愛いマドレーヌが、イイなあ。
彼女のエピソード、もう少し彫り込みが欲しかった。
 全体にそうだが、余り深い所まで描かず、凄く「嫌」な部分を見せず済むアニメで、だからライトに眺められている。
食い足りない、と思うけど、視聴が負担にならないのは良い面だとも思える。

 しかし、極悪非道なマスターについて、伏線…のようなモノを残しつつエピソードが一応終わるのは、拍子抜け。
 「殺された」に等しい体験をしながら、それでも極悪マスターに付き従っていくアロエの内面も描き足りておらず、残念。
この人には私が付いていないとダメになる…って、男から酷い目に遭わされている女性が自分を慰める呪文みたいなモノじゃないかなあ。
敵対し、攻撃していた相手が所有する、貴重なカードを費やして復活させてもらった事への感謝ぐらい、しっかり表明しておくべきでは?
 「思い込みが強すぎて周囲が見えていない」という意味で、このマスターとアロエは良いコンビなのかも。

 うずめ、カードバトルの才能を持つ設定だったような。
まだ特殊カードの所有枚数が(多分)少なくて取れる戦略が限られるとか、事情はあるにしても、ボーッと立ったまま何の指示もしないのは、どうだろ。
 ドールへの思い入れが強く(人間と同様に考えている)、自分の体を張って庇う事があり、強い信頼関係を築ける…というのも、才能の内かな。

 「マスター」になってしまった事をまだ積極的に肯定できていないうずめ、この辺りは丁寧にフォローされていて、好印象。
 極悪マスターのドール達も、みんな可愛いんだし、うずめのチームに吸収されれば良かったのに。
五人でも持て余し気味、これ以上となると…ではあろうが。
うずめ家の中で、ドール達の事情がバレないように悪戦苦闘しているのは可笑しい。
 深夜アニメ、と考えると物足りないけれど、夕方放送の女児向けアニメを視聴対象層ではないのに見ている気分でいれば、不満も少ない…かな。
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