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『結城友奈は勇者である』08.「神の祝福」

 何かを目指してひたすら迫ってくる異形の敵のコアを破壊する戦いから『エヴァンゲリオン』、グループで少女が変身する所は『プリキュア』、といった類似性が見て取れたこのアニメ。
集団で登場した敵に対し、割と都合の良いパワーアップフォームで挑み、全員が無事に戦い終える…なんてのもまあ『プリキュア』後半辺りにアリガチな流れ。
 片目が見えない・声が出ない・味が分からないといった戦闘後遺症も当初はコミカルなぐらいに扱われ、いずれ回復するんだろうと気軽に見ていたけど……

 生涯、失われたまま戻らない?
重い、重いなあ。
 フィクションで「死」は一瞬。
残された者のリアクションにも寄るが、そんなに悲惨ではない。
 しかし肉体機能の欠損は…少女らが生きている限り(死にはしない、と言ってた)抱え続ける苦しみであり、明るい日常生活に生じた黒いシミのよう。
その痛みが視聴者にも想像しやすく、キツい。
 戦いで少女が死亡する、魔女へと転落してしまう『まどか☆マギカ』との類似も感じていたけど、この作品のもまた辛すぎる代償。
 体機能の多くを失いベッドに居る以外ほとんど何も出来なくなってしまった先輩勇者の姿は、ただただ惨い。

 少女らは勇者であり、自らを守ってもらうべく神樹が力を分け与えた存在、だと思っていたら、実は「供物」、神の力を借りるたび体の一部を差し出す(奪い取られる)生け贄だ、というのが衝撃的。
 勇者候補を多く用意し、満開ごとに次々交代させて戦わせれば、園子ほど酷い目には遭わせず済みそうなのに…だけど、勇者の選定は神樹に寄る所が大きく、大赦の自由にならないのか。
「供物」を捧げる回数が増えるほど、失う体機能が酷くなるほど、より強い神の力を借りられるようになる?
 バーテックスより神樹の方がワルモノに感じられてしまう。

 一人だけ満開せず無事な夏凜、12体と戦い終わったはずなのに現れるバーテックス、園子と美森(両足は過去、既に供物になった?)の関係など、まだ伏せられてる真相が色々ありそうだなあ。
 面白い。
 ところで、言葉を失った樹役の声優さんは、ホントに仕事させてもらってないのね。
普通こういうのは、溜息とか、「ん……」ぐらいの意味を成さない声の出演なら許すものなのに、徹底してる。
最終回までに声は戻るんだろうか、アニメ内容とは別に声優さんが可哀想で、気になる。
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単行本「母子相・談」

 明日、28日、単行本「母子相・談」が発売になります。
 宜しければお求め頂けますと、とてもとても助かりますです。
 内容サンプルのページを作りました(成人された方のみの閲覧をお願い致します)。

『宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION』『宇宙刑事シャイダー NEXT GENERATION』

 『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』でのギャバン復活が素晴らしく格好良く、宇宙刑事シリーズの復活か、と思わせながら、続く『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』ではグダグダな盛り上がらないストーリーにガッカリさせられ、一条寺烈を最悪のキャラ付けで出した『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』(制作者はオリジナル『ギャバン』を見た事がないか大嫌いなのだとしか考えられない)に絶望、もう宇宙刑事は作らない方が良いか も、と思っていたが…
 この二作は、素晴らしい!
見たかった、現代風、少し大人向けの宇宙刑事が実現できている。

『シャリバン NEXT GENERATION』
 二代目シャリバン・日向 快は、余りにも初代とイメージが違う役者さんのせいもあり、これまで感心しなかったが、この作品でヒーロー然とさせない見たままのキャラクターから、その殻を破り、伊賀 電に認められる存在となるまでを描き、上手く次世代襲名を披露してくれた。
 物語は…ゲストキャラが出てきた瞬間に「こう思わせて、実はこう」というのが誰にでもバレてしまう、よくあるパターンではあるけれど、特に「宇宙刑事」で奇をてらいすぎても意味が無く、正しい判断。
骨格は『ギャバン』映画と似ていつつ、描きたいことがしっかりしているせいか、説明不足も気にならない。
短い時間で、アクションを多めに詰め込んでいるのも良かった。
 やたら血が出るのは、テレビ放送じゃないからこそ出来ること、とはいえ、「子供にも見せたい格好いい宇宙刑事」を見せ辛くしてしまう意味でちょっとマイナス。
大人向け、を履き違えてベッドシーンを入れたがるバカ制作者よりは、ずっとマシだけれど。

『シャイダー NEXT GENERATION』
 こちらも初代・沢村 大の生真面目で硬いイメージからは真逆の、力強く女にだらしない砕けた二代目。
 認めてもらうべき初代を演じていた円谷 浩が既に故人なのは残念。
烏丸 舟を新世代の中で最も年上の岩永 洋昭にキャスティングすることで、継承に拘らなければならない未熟さと無縁にしたのは、計算かたまたまか。
 エンディングの歌詞である「面白いことが大好きで、悪いことは許せない」は、初代よりこの二代目の方にふさわしい言葉。
 シャイダーのパートナー・タミー。
アクションを見事にこなしており、初代アニーに引けを取らない存在感…しかし体の動きを犠牲にしてでも、もっと美人の方が良かったかな……いや、悪くない顔立ちなんだけど個人的好みとして。
外見が十分すぎでないと、「少々残念な容姿のラムに追いかけられる、あたる」のように「可哀想」にもなりかねないので。
 物語は、パターン通りの所もあったが、ラスト辺りの手際よい片付け方には感心。
キレイに解決しすぎていて、更に続編を作る引きが弱くなってしまいそうに思うほど。

 両作とも、画面作りや音楽の使い方、小ネタまで、原作シリーズへのリスペクトが感じられ、見ていて気持ち良い。
脇で捜査をしているギャバンが、主役を張った『ギャバン THE MOVIE』よりもずっと輝いている。
 オールドファンも、新規視聴者も、見て損のない力が入った作品。
 このスタッフでなら、シリーズを続けて欲しいもの。
Vシネマでも良いし、予算的には厳しくなるだろうが…深夜枠テレビシリーズでも。
 納得のいくストーリーで、初代シャリバンの引退劇を見たいなあ。
画面登場の最後があんまりだったギャバンへのフォローもお願い!

 余談、メイキングオブで見られた監督の体術が凄い。
あの早さで打撃を喰らわされたら、「何が起きたか分からないうち、地面に倒されている」感じになるんだろうな。

『甘城ブリリアントパーク』07.「プールが危ない!」

 同原作者の作品『フルメタル・パニック!』が、キャラの構成から関係性、筋立てに戦いの組み立てまで、非常に良く考えられたものであったため、このアニメにもついそういう方面で期待してしまったが、これはもっとゆる~い、呑気な物語。
ギャグ主体だった『フルメタル・パニック? ふもっふ』でも、もっと色々仕掛けてあったような。

 危機的状況を打開する策を用意していそうに見えた西也だけど、実は行き当たりばったり。
 入場料を取らない方法で集客数を上げるのは良いとして、それに伴い発生が予想される金銭的問題について、特に考えていないのは…どうだろ。
スマホゲーム的にサービスを上積みする課金システムを取るとか、グッズ展開での儲けを織り込むなど、多少の対策ぐらいは。
 パークのキャスト達が実は現実ならざる存在である、ということを利用すれば、いくらでも来客を増やせそう。
巨大で自由に稼働するドラゴンなんて、それだけでも他テーマパークをブッちぎれる出し物。
「正体が露見しては困る」から相当なセーブが必要だとしても、ここまでで売り物になるキャストに不自由してないよう、思える。

 そういう経営シミュレーション的側面への関心は薄い作品なのか。
 ドタバタと、主人公・いすずのラブコメ…萌え?を中心に見れば、画面クオリティーの高さもあって悪くないが。

『ヤマノススメ セカンドシーズン』18.「アルバイト、始めます!」

 ほのぼのアルバイト話。
 危機状況に陥ったアルバイト先を機転で救ったり、大失敗あるいはあおいが居たお陰で千客万来となる…なんて都合の良い事件は起こらず、「頑張った分だけ前に進む」この作品らしい誠実な描き方。
 先輩バイトは、何かしら意外な繋がりがあるか、あおいらと同じく登山を好む人、だと思い込んでいたけど、普通のゲストキャラ?
また、後に絡むこともあるのかな。

 特番明けだった13話「不思議なホタルの物語」、ここからサードシーズン開幕でも良いぐらい(間違えたのでフォローに必死)、キャラの基本的性格付けや立ち位置をさりげなく確認させてくれる内容だった。
不可思議な蛍に関わる、あおい・ひなたの食い違う記憶、これに、何気なく引かれたここなに関する伏線が最後で活かされ、キレイに謎が解けて「ヤマノススメ」らしく終わる、実に良く出来たエピソード。
感心したなあ。
 15話「雨具の記憶」での、てっきり亡くなった…少なくとも遠くへ引っ越して音信不通になってしまった友達の記憶を語っていると思わせて、実は……という、肩すかしで微笑ましい意表の付き方も上手い。
 17話「高いところって、平気?」普段と少し違うディフォルメで、可愛く崩しつつ良く動かし、雰囲気を変えるのも楽しかった。

『山賊の娘ローニャ』06.「にらみあう山賊たち」

 うううーん…「日常を丁寧に描いている」というのではなく、「特に何も起きていない状況を工夫なくダラダラ見せている」ことが多いアニメ。
 今回、マッティスが木椀を投げるシーン、「投げられた椀を配下の山賊が慌てて避ける」「壁に当たって椀が跳ね返る」「ローニャらの前に落ちて転がる椀を止まるまで」と、三カットにも分けて描く。
元々さして必要でも無いシーンなのに、カットを三つに割って見せることで、とにかく間延びした、退屈な画面を作ることに成功。
 しかも、「激怒した表情で椀を投げるマッティス」という、最も分かり易いシーンだけは描いていない…そういう演出法はもちろんあるんだけど、逆に投げるシーンだけしっかり描けば他はナシでも良いぐらいなのに。

 マッティスがローニャに山賊行為の真実を隠しているのは、何故?
彼が、元は普通の生活をしていたが食い詰めて山賊になった、というなら、不法行為を恥じて隠すのも分かるけど、先代からの家業みたいだし。
意味ありげに描いているから、何か特別な理由があるのかな…納得のいく理由があれば良いな。
 前回、危機に陥ったビルクを助けるローニャのアクションが割合面白く描けていたので、一話に一度ぐらいこういうハッとさせるシーンを設ければ、もうちょっと視聴者の集中力を喚起できそうに思う。
いや、前述の「椀を投げるシーン」でも、凄まじい怒りの形相を見せるマッティスと、その後の力が入らない対応ぶりに、演出で大きな落差を設ければ、見所にできたはずなんだけど。

『ガンダム Gのレコンギスタ』07.「マスク部隊の強襲」

 大きくストレスを抱えて居るであろう状況で、カバ首の壁掛けオブジェを見て異常なぐらい笑い始めるベルリ母に、ギョッとさせられる。
その後の行動も、単なる息子溺愛母ならともかく、責任ある立場につくだけ能力がある…のだろう人間としては異常なので、ちょっと精神的均衡を崩している描写?
 富野アニメでは、フツーにエキセントリックな人間が(大勢)出てくるため、意図して何かを描いているのか日常描写なのか、判断が難しい。

 アメリア軍のメガネ整備員お兄ちゃんが、「メンテナンスハッチを勢いよく閉めすぎて反動でまた開いてしまい照れ笑い」とか「うっかりシートを滑り落ち る」なんて演出、ストーリーとしてはほとんど意味が無いと思うんだけど、意外と粗忽だという性格を表現できているし、良い意味で人間っぽい動作だとは言え るか。
 「踊り」も今作テーマの一つなのだろうと思え、セリフのみに寄らず、体の動きで何かを伝えようとしている。

 メカ戦闘の迫力は、さすが。
どちらかの陣営を応援させるとか、キャラ誰かの視点で戦いを見せる、なんて分かり易い作りにはしていない(できていない)のに、引き込まれて見てしまう。
 デレンセンを殺してしまったことは、ベルリの今後に大きな影響を与えていく…んだよね?多分。
また平然と戦いに出て、もしかすると殺してしまうかも知れないのにキャピタルのモビルスーツから戦闘力を削いでいたみたいだけど。
落ち込んで参戦を拒否するような役立たずをアメリア軍が艦に残してくれるとは思えず、目的を果たすまでは、ということか、元々そういう変なヤツだという理由も?
まあ、デレンセン死亡でベルリが思い出すのは彼からの酷い扱いぐらいみたいだから、深く悲しむ関係でもないんだろう。
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飛龍 乱

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ですが、現在HPは更新できなくなっています。

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