この作品に出てくるクマが表すのは、単純にクマのことではない。
クマが人を食べる、というのも、食肉的なものと捉えては誤りだろう。
断絶の壁、ユリ裁判、透明な存在…全部、想定したテーマに沿った特別な意味が込められているんだと思う。
作品を読み解くことは、作中の様々な要素を手がかりに、作者の頭の中を覗き込んで理解しようとすること。
『ウテナ』も『ピングドラム』も、そうしなければ分からない(そうしても難しい)アニメだったけど、今回のは、分かり易いエンターテインメント部分が少ないため、ひたすら課題を解かされているようなシンドイ気分。
「幾原監督は何を考えているのか」なんて興味ないよ、と思わせてしまっては、拙い。
いや、それをこそ楽しむ、楽しいと思う人達に向けたアニメなのかな。
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戦争…戦闘?を扱いながらも、クラブ活動の試合以上には緊張感を持たせることのなかった、このアニメ。
損傷を受けた、ぐらいならともかく、死…撃沈なんてシリアスな事態を扱っては、ほのぼの学園ドラマ的な内容を保つことが難しくなるから、それはしない、という判断で作られているものと思っていた。
しかし、前回の如月エピソードで、一気に深刻な状況へ。
これからは、そういう作品カラーにして進めるのかと思えば…
今回はまた、緩みきったコメディー内容。
うう~ん、どういうアニメだと見て欲しいのか…
これだったら、今回ラストで「ボロボロになりつつも如月は何とか帰ってきました」にして良かったんじゃ。
まあ、まだ「実は無事」とか「鹵獲され改造されて敵になり再登場」という可能性jもあるかな。
「同型艦就航」は…世界観的にどうか知らないけど、下手すると非難を受ける恐れが、綾波っぽいし。
危機的状況の演出が上手く、結構ハラハラしてしまう。
大量に出現するメカヤッターマンが怖くて怖くて、初めてゾロメカを恐ろしいと思った。
それを切り抜けるのに、エレパントゥス…トンズラーの怪力もそれなりに役には立つけど、やっぱりヴォルトカッツェ…ボヤッキーの発明メカが絶対に必要。
ドロンジョが持つ戦力の中で、ボヤッキーの能力だけが飛び抜けて有用すぎ、ストーリーのリアリティレベルやバランスまで崩しかねないと思うけど、それはオリジナル「ヤッターマン」でもそうだったか。
優しく、強く、でも余りに、か弱い、アルエットが愛しい。
彼女に母の面影を求めるドロンジョとの交流は、何だかちょっと泣けてしまうぐらい。
普通には彼女、「アイちゃん」としてヤッターマンとの関係を窺わせるが、時間を越えて、アルエットがドロンジョの母親、あるいは先祖となる、って展開は有り得ないかなあ?
オリジナル『ヤッターマン』は、シリーズで珍しくタイムトラベルを「しない(例外回もある)」作品だったため、このアニメで時間テーマをどのぐらい入れてくるのかは、まだ分からないけれど。
苦難と出会いの旅に出る四人…かと思えば、もうビッグサイト辺りに着いちゃうのね。
まあ、そんなに距離がある訳でなし、通常なら原付バイクだって数時間で着けるはずか。
困ったのは、作画が急激に落ちてしまったこと。
1、2話は、ハイクオリティーな画面で何も無い理不尽な物語をねじ伏せ、成り立たせる内容だったため、ここが崩れると作品への集中力まで落ちてしまう。
急に吐く望未、慌てて頭をぶつけ合う望未ら三人…ギャグなのかも不明なぐらい、流れから浮いていて無理矢理な演出。
前回、望未達はジェットコースター上でただ事故を恐れていたけど、車体から落ちた連中は無事だし、彼女自身にしても一話目で空高く吹き飛ばされた際「あいたた…」ぐらいで済んでおり、事故によりどのくらいのダメージを負うはずの世界観なのか、分かり辛い。
ドタバタのお笑いアニメだし、真面目に考えるなよ、って事なんだろうか。
原作漫画未読。
対魔バトル物、かな。
しかしこれは余りにも……
演出が拙い。
それも、「必要なカットが無いため位置関係が分かりにくい」とか「カットごとにキャラの立ち位置が変わっていたりする」ぐらい、ごく初歩的な所から拙い。
第一話は監督のコンテみたいなのに。
体育をする女子の胸元やお尻を映したシーン、昨今なかなか見られないぐらい「ただ描いただけ」の絵で、色気など皆無。
それに限らず、全編とにかく作画のパワーが不足しており、エロとバトルを売りにしたい…のだろう作品としては、致命的。
アニメオリジナル企画。
何やら戦いがあって、エライ人達が突然居なくなって、細かく分裂した日本の中で市区町村代表による小競り合いが起きている…世界観?
そもそも異世界らしく、巨大ロボットやら壁を走るバイクなんかが普通に存在する模様。
…それにしてはご当地ロボがハリボテだったり、何らテクノロジー進化を伺わせない生活が描かれたりしたけれど、居住地による格差が大きい?
ふざけているのか真面目なのか、判断に迷う内容。
変身…仮装して戦っている少女が、懸命に自分の正体を隠そうとしている所、事情がサッパリ分からないこともあり感情移入できず、モタモタしているよう感じられてしまう。
地区同士の戦いも、お笑いドタバタバトルなのかと思えば、ジェットコースターを転落させようとする命に関わりそうな罠が仕掛けられたり(空高く吹き飛ばされてもケガさえしないことから大丈夫?)、しっかり作られた設定なのか不安も。
変身ヒロイン、ごくフツーの女子高校生、どちらかの視点に限定して世界を見せた方が、特に第一話は良かったんじゃなかろうか。
散漫な世界なのに、それを漫然と(謎のマスクキャラ、方向音痴少女まで加えて)見せては、内容に引き込む力が弱くなるのは当然。
それでも、とにかく高い作画レベルは魅力。
女の子達が可愛く描けているし、アクションにもラーメン早食い・大食い?バトルにも迫力がある。
これでもし、絵が拙かったら……
取りあえず視聴継続。
「これがやりたかったのか!」を早く明らかにして、作品に引き込んでくれると良いなあ。
原作ゲームは、ちょっとだけ遊んだことがある程度。
アニメ。
冒頭、絵だけでは誰か分からない歴史上の人物が断片的にセリフを呟いて顔見せするシーン、そこそこ長く続く。
…どうしてこれで視聴者の関心を掴めると思ったのか、不思議。
長い説明ナレーションから入るのと同等かそれ以下の興味しか喚起し得ない。
アニメ「戦国BASARA」ぐらいに、派手な超次元バトル、やり過ぎるほど立てられたキャラ、渾身の作画で臨むべき。
逆に(原作から離れても)地味ながらしっかり作られた戦国物にする手もあるけど、全くそうではないし。
ゲームとして「無双」「BASARA」は並び立つ内容と知名度だと思うのに、アニメでは大きな差が付いてしまった。
緊張感も爽快さもない演出、パッとしない作画、眠くなるストーリー…ゲームの販促になるどころか足を引っ張る恐れさえあり、アニメ化した意味は大きく疑問。
原作漫画未読。
『もやしもん』原作者の作品であることと、単行本表紙の絵ぐらいしか知らないまま、アニメを鑑賞。
あー、魔女っ子…というより魔女物なのか。
中世を舞台としているため、森に魔女が住んでいても違和感ない。
魔女ヒロインの考え方や服装なんかは、かなり現代寄りだけど。
マリア、悪い子ではなさそうだが、死人を一人も出さないで戦いを止める…という程には良い子でなく(そんなに関わろうとはしていない?)、魔女らしい案配。
この第一話から、恋愛にもほのぼのにもダークなバトルにも持って行けそう。
ライトノベル原作だと仮定すると、押しが弱い、都合の良さが足りない導入部だとも思えながら、しっかり真面目に描かれた内容は好感触。
どこに転がっていくのか…『もやしもん』も予想しない展開があった…楽しみに視聴継続したい。
今更言うまでも無い、1977年の大ヒット作品『ヤッターマン』の、リメイクというか続編というかパロディーというか、Wikipediaでは「スピンオフ」という事になっているアニメ。
タイトルだけ聞いた当初は、「夜の」から、三悪を全員美女キャラにしてアダルト要素を強化したり…そういう路線にするのかと思っていた。
何か大きな異変が世界に起こり、そこから年月を経て、元のシリーズを「伝説・おとぎ話」ぐらいにしか知らないドロンボー一味の子孫側視点で描くストーリー。
お色気ドロンジョの立場は、未発達で無垢な九歳の少女が占める。
悪賢い・粗暴な性質だった二人の男も、誠実で素朴、心優しい青年二人に変化。
これら、思いつきで終わらせれば「毛色の変わったパロディー」で終わりそうな設定を、この第一話では時間を掛けてじっくりと、ドロンボー子孫達に感情移入させるよう作ってある。
優しい母、貧しいながらも幸せな暮らし、別離の悲しみ…「世界名作劇場」か!ぐらいに真剣。
整った作画が目に嬉しい。
オリジナル三悪の声優さん達、チラッとでも登場してくれると嬉しいけど、さあ、この流れだとどうだろうか。
大真面目に思わせておいてドコかでガックリ落とす、という事はないのかなあ…「ヤッターマン」だし、あり得ることのような。
次回が楽しみな第一話。
原作ライトノベル未読。
対ドラゴンの総力戦から、回想に入ったとイヤでも分かる黒画面一杯スクロールの「半年前」文字で、ちょっと笑ってしまう。
そこで、冒頭のシーンからは過去に遡り入学式へと戻っているのに、居眠りした主人公が夢で前世の記憶をすぐ見始める、二重の時間移動構成をしていて何とも。
突然頭突きをしてくる同級生少女が、その名前を呼んだ途端、前世の兄妹関係を思い出して主人公を「お兄ちゃん」呼ばわりで急激ツンデレ。
その脇でイキナリ倒れた別の少女は脈絡もなく主人公にキス。
当たり前のように始まる、ヤキモチを焼いた「妹」と彼女のパターン口喧嘩。
ラノベ文法によるストーリーの進め方、もうこの時点でお腹一杯。
妹をイジメた悪い奴に、少し後になって戦いを挑む主人公。
しかし、彼は爪を隠していた能ある鷹、ではなく、フツーに全然弱くてボッコボコにやられてしまう、ってのが珍しい。
妹とのキスにまつわる記憶でもって前世からの力に目覚める…「なんじゃそりゃあ!」。
どうにも、ただ調子が外れているのか、狙って馬鹿アニメっぽくしようとしているのか、判断に迷う内容の連続。
作画はそこそこ、悪くないし、服の背中を破られて裸身を晒す妹なんて結構気合いが入っている。
もっと弾けて、原作にツッコミ入れるぐらいの勢いがあれば、グッと面白くなるかも知れない…けれどそれは、こういうジャンルのアニメ化に求められていることじゃないんだろう。