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『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-/-勇者の章-』04.「たましい」

 先週は、のんびりした小ネタ集のような話だった。
 武士道に生きるとか古式ゆかしい生き方を貫くヒロインはさして珍しくないが、鷲尾 須美のように、軍国主義……護国思想?近代戦争時の価値観を持つ少女キャラって、希有なような。
そうなっておかしくない、そうあるべき?『艦これ』にさえ居ないタイプじゃなかろうか(艦娘達がこんなこと言い出しちゃキツいけども)。
 須美、その考え方を自他に四六時中強いる、というほど徹底している訳でなく、フツーの女子である面も多い中途半端さが、可笑しい。

 今週も冒頭の方は楽しい遠足の様子が描かれ、このアニメはどちらかと言うと日常の方に重きを置いて、ハードな展開などせず終わっていくのかな……と油断していたところに、突然の衝撃。
 こうくるとは!
苦戦しながらも3人で力を合わせてどうにか撃退に成功した、という風になると思っていたのに、突き放されたようなラスト。
 敵が噴き出す無数の針・槍のようなもので全身を切り裂かれ貫かれ、力を入れるたび傷跡から血が噴き出し、体中を真っ赤に染めながら戦い抜く、銀の壮絶なバトル。
 アドレナリン噴出中なのだろう、とはいえ、片腕を失いつつの戦いは想像を絶する痛みのはず。
それでも戦い抜き、勝利……相打ちか、を納めた銀は、凄い。
 自分だったら、倒れたままの二人に対し、四肢を失ったり出血多量で行動不能になるほどのダメージを受けたわけでもないくせに、休んでんじゃねーよコラ!と恨み言のひとつも言いたくなるところ。
恐らく銀はそんなことなどチラとも考えず、戦っていたのだろうが。
 見る側にまで痛みが伝わるような渾身の演出と作画で、圧倒された。

 まだ死亡には至っていなかった、という可能性はあるのかな?
仮に命は取り留めたとしても、全身へ残るダメージ、片腕を失ったことから、戦線への復帰は相当に難しくあろうが。
『どろろ』百鬼丸のように、片腕に刀を仕込めば……そこまで非道な風に大人が描かれる作品じゃないけど。
 幼い弟に愛情を注ぎ、お嫁さんになりたいという銀のあまりにも平凡すぎる夢が、こうなると切ない。
 残った須美・園子の二人だけで戦いを継続するのは厳しすぎると思え、また新たな選出者を参戦させるのか、それともやはり何らかの形で銀の復活があり得るのか。
 友人の命が失われたことを経て、心神の喪失を恐れない・構っていられない気持ちから、あの恐ろしい代償が伴うパワーアップ・フォームへ到る?
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『キノの旅 -the Beautiful World-the Animated Series』03.「迷惑な国」

 毎度、色々なことを考えさせてくれるシリーズで、嬉しい。
 今回は、価値観……正義?への揺さぶり、といった内容。
 恐ろしく進んだ科学力を有しながら、全く傲慢な様子を見せず、正体不明の旅人・キノにも親切な巨大移動国家。
国内に歪みは見当たらず、子供たちも大事に育てている。
 この行く手を阻む(自国を守るための)壁を築いた国家に接近したことから、事変が始まる。
 壁国家が備える軍事力では移動国に全く歯が立たず。
しかし、同程度の文明しか持たない相手に対するには、十分すぎるぐらいの戦力を保持している。
「ためらわず砲撃を加える」選択から、平和的解決優先では有り得ない、軍事国家なのだろう。
その攻撃が相手にはまるで通用しなかった、ということをもって、可哀想だと考えるのは正しいのかどうか……

 容赦なく壁を崩し、避難を拒む壁国家の老女家や畑を踏みつぶして進む移動国家は、非道に見える。
 どこを撃とうと効果は変わらないと思うのに、子供たちの絵を標的にする壁国家はイジワル(分かり易いので目標ポイントにしただけだろうが)。
 反撃・殲滅できる戦力がありながら、無用な死人を出すまいとこらえる移動国家は、まあ人道的……かな。
 大きな被害を出した壁国家はやっぱり可哀想、と思わせて、「壁でふさいだ自国内を通る人間からひどく高額な通行料を取り立てている」という情報からは、悪辣な国家の側面を窺わせる。
 どちらが良くて、どちらが悪かったのか、判断が非常に難しい、というか、端からは判断出来ない事案。

 キノも酷いなあ、ミサイル攻撃が移動国家に通用しないのを知った上で、(子供たちの絵が可哀想とはいえ)壁国家の誘導機を狙撃して壊すなんて。
移動国家への世話になった恩義(あんまりそういうこと気にしないキャラだけど)と、法外な通行料を取ろうとする壁国家への仕返し……なのか。
 もしかして、この後「戦力不足のため国土が蹂躙された。国を守るためもっともっと軍備増強が必要だ」と考え、国民への増税と共に通行料も更にアップしかねない壁国家に対し、「銃一丁でも戦況は変えられる」と示したかったのかな。
実際、キノが壁国家に味方していた場合、壁を壊した移動国レーザーが途切れた瞬間にそのレンズを狙撃し攻撃力を奪う、といった反撃も可能だったろうから。
 キノが、そんなことを教えて上げるほど親切かどうかは、まあ分からないけれど。

『少女終末旅行』03.「遭遇」「都市」「街灯」

 特に大きな事は起きないが、ヒロイン達が旅をしながら、少しずつ世界の輪郭を伝えてくれる。
 こんなにも人間が少なくなってしまったのは、やはり戦争を原因としている?
核や細菌など、一気に多くを殺す兵器が用いられたのか(動植物は絶滅済みのようだし)。
 多層構造になっている都市は、「現在」とは断絶するぐらい古い文明によって築かれたらしい。
その太古文明が滅んだ際に人類のほとんどが死滅しており、数億、数千万、数万人……ぐらいしか、もう世界に人間は居ないのかも。

 地図を作り続ける男が登場し、驚く。
てっきり、この作品には少女二人だけしか登場しない、あるいは出てきても同じく少女だろうと思い込んでいたので。
 男は、さ迷い続ける少女達と違い、地図作りの「仕事・使命」を持っている。
それはチトの書く日記と同程度の意味しか持たないものかも知れないが、ある程度は他者に見せることを前提とし、利用価値もある、という所が、まあ「男」らしいというか何というか。
 食料や車両を狙って男がチトらに牙をむく……なんて、イヤな展開を迎えず安心。
 割とすぐ警戒心を解くチトに対し、銃を構え続けるユーリは対照的。
ユーリ、人を撃ったことがあるのかも。
食料を一人で食べ、大事な日記を燃やしてしまうのは、(無意識に?)チトが信用できる・自分を殺そうとしない人間であることを確認し続けているのかも知れないなあ。

『いぬやしき』01.「犬屋敷壱郎」

 原作漫画未読。
 タイトルと、爺ちゃんが表紙の単行本から、どんな内容なのかな?とは思っていた。
 不遇な人生を送る老人……といっても58歳、が、死の運命を前に、これまでを振り返り、夢をやり遂げるのに急ぎ、家族との絆を結び直す、重い大人向けドラマ(劇中で歌われたように『生きる』)、なんて内容を奥先生が素直に描くとは思えず見ていると、やっぱり宇宙人とか人体改造とかSF展開。
 体力もない老人が無敵の存在になる、という意味では、大友克洋『老人Z』を思い出す。

 ホームレス狩りをする少年の群れは、ちょっと古いイメージ?でもまあ、ヤンキーに襲われるよりリアルか。
 反撃手段、レーザーで殺害するモノとばかり。
割と回りくどい手……主人公にこういう知識があったかどうかは疑問なんだけど、宇宙人兵器にはこんな攻撃方法も入っていた?
 アニメとは関係なく、イジメられている生徒は、こうやれば戦える、というか相打ちぐらいには出来ると考えたこと、あるなあ。
イジメ現場を第三者に(あるいは設置しておいたスマホなどで)撮影してもらい、犯人の名前や住所、電話番号から親の勤め先まで添えてネットにアップロードする。
これで犯人はネット上から一生消せない、重い十字架を背負い、進学・就職・結婚などの際にも恐ろしく不利。
ネット上の「正義」には、公の少年法のような容赦など一切なく、「遊びでイジメてた」代償としては、とても割に合わないだろう。
 ここから逃げ出すには、名前を変え、遠くへ転校して過去を捨て、やり直すしかない。
しかし、慣れぬ転校先では自身がイジメのターゲットになる恐れもあり……まあとにかく、こんな目に遭わないようにするのが賢い(マトモな)人間の選択。

 話を戻して。
 主人公と一緒に居た若者も、同様に改造された?
何か事情を知ってるみたいだけど、狙いがあってあの場所に居合わせたのか。
普通なら、世界征服・人類抹消などの凶悪な目的を持っており、主人公は彼と敵対することになるのだろうが、奥先生の漫画だからなあ、そんな、自分でも考えられるような内容になるかどうか。
 3DCGを使用した画面はクオリティーが高く、違和感ない。
原作漫画もCGを多用しているため、親和性は高いのかな。
 期待して見続けたい。

『ROBOMASTERS THE ANIMATED SERIES』01.

 WOWOWで放送が始まった、日中合作のアニメシリーズ。
中国側製作は、お馴染みハオライナーズではなく、DJIというドローンの会社らしい。
 だからか、手作りの小型ロボット競技を扱う作品なのに、第一話ではドローンに大きくスポットが当てられている。
 ドローン描写にはリアリティーがあり、直接ロボットバトルに参戦したりはしないし、何でも出来るスーパーメカにも描いていない。
サポートに徹するのが、上手いなあ。

 ロボット競技部の部長が強烈な、イヤな男で、物語を取り回す役割として便利。
 的確なドローン操作と行動指示で競技に対する能力を感じさせる主人公、バランスを取るマトモなヒロイン、と、キャラクター配置は無難。
 日本人スタッフがほとんどを占めるせいなのか、作画は整っているし、意外と良く出来ている。
『アトム ザ・ビギニング』もこんな感じで始める手があったんじゃないかな、登場するドローンや車両ロボからアトム開発に到るには相当な年月が必要っぽいけども。
 題材から、先が凄く楽しみだって程じゃないが、しばらく様子見して良いかな、ぐらいには思わせる第一話……全六話らしい。

『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』01.「やっ、そんなに広げないで下さい…」

 原作漫画未読。
 タイトルの「しょびっち」って何だろう?全然分からなくて考えてしまった。
原作では『僕の彼女がマジメ過ぎる処女ビッチな件』……「処女」って付けるのに問題があったのかなあ。
 内容は、エロ馬鹿ネタ満載のギャグアニメ。
 エロネタを上手く表現するのに必要不可欠なのは、作画レベルの高さ。
これが崩れていると、「単に下品」となり最悪「汚い」にまで印象を落としてしまう。
このアニメは、うーん、正直なところ合格とは言い難い。
 詰め込まれたギャグは、ネタによって笑えたりもするのにな。
 賢くて、一生懸命な良い子で、どアホウなヒロインが可愛い。
 絵さえ良ければ見続けられた作品だと思え、残念。
機会があれば原作を読みたい。

『EVIL OR LIVE』01.「絶望のふちに立って」

 原作は漫画らしい、中国・ハオライナーズのアニメ。
ハオライナーズは、『CHEATING CRAFT』『TO BE HERO』『セントールの悩み』など割合良い出来のモノ(『TO BE HERO』以外はほぼ日本スタッフ制作だけど)と、一話以降は見なくて良いかなと思わせる大半の作品で成り立っている。
 今作は……
 必要性もなく冒頭から実写映像を持ってくるのは、どうだろう。
後に続く作画が崩れているせいもあり、スケジュールが一杯一杯なので何とかして楽をしたかった、としか。
 主人公の放り込まれるネット依存症を矯正する施設は、「暴力的な少年院」ぐらいの扱いで、面白味ゼロ。
 さっきまで自殺しようとしていた主人公が、出会った男を、どう考えても無理な流れで女と勘違いし、胸を触ったり殴られたり全然笑えない古いギャグを展開するのに疲労感。
昔の日本製ダメアニメもこんな感じではあったかな。
真面目なストーリーだろうし、痛々しい笑いなんか入れなければ良いのに。
 魅力を感じる部分が皆無で、ハオライナーズ通常営業だなあ、と思いつつ、視聴終了。

『Wake Up, Girls!新章』01.「私たち、Wake Up Girls!でーす!」

 前テレビシリーズから三年半ほどの期間を経て、第二期(クレジットが「Wake Up, Girls!3製作委員会」になっていることからは第三期?)開幕。
 全然知らなかったけど、この間には二本の劇場版があったのね。
冒頭に入った、一度アイドル界の頂点へと上り詰め、次の年I-1clubに敗れた、という唐突な語りは、これら劇場版の内容なのかな。
 キャラ絵の雰囲気が結構変わったような。
 マネージャー、こんな性格だっけ?もっと使えなかった覚え。
未見の劇場版二作で成長を遂げたのか。
彼も社長も、しっかり業務を遂行していて良いと言えば良いんだろうが、引っかかりがなく「普通・印象に残らなくなった」とも。

 監督の交代が大きいのかなあ、山本寛から板垣伸に。
いや、内紛のドタバタにはあんまり興味がないんだけど。
せっかく『てーきゅう』監督に代わったのだから、速いテンポでの笑いや動きの面白さに期待したい。
 作画的には、驚くぐらいの崩れや必要な動きも実現できなかった前期の轍は踏まず、安心して見られる。
 歌唱シーン、3DCGを用い、アイドルアニメとして問題のない水準。
 メンバーが忘れたシュシュを取りに走り、収録に遅刻しそうになる今回のクライマックスイベント。
結局遅れないし、後に禍根を残すほどのことではなく、逆にそれが良い方に働くなんて都合良い話にもならず、「今回を盛り上げるため」以外の意味が無くて拍子抜け。
 良くも悪くも、普通のアイドルアニメになっちゃったなあ、という感じ。

『ネト充のススメ』01.「リアルは♀、ネットは♂」

 原作はcomicoの漫画らしい、未読。
 タイトルから余り期待せず、転生モノの異世界がネットゲームに置き換えられたアリガチな内容を予想。
 ああ、『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』路線。
ネット内でのアバター関係が、現実の人間関係としてごく近い範囲で成り立っている所なんて、まさに。
 主人公は、ゲーム内じゃ性別転換したアバターを操作している女性で、元は社会人、現在は引きこもってニート生活を送っている。
彼女は、アバター女性キャラが示してくれた暖かさ、彼女と冒険した楽しさに感極まって泣き出すなど、とても可愛らしい内面。

 アバターなんかどれだけでも可愛く・美しく作れる訳で、そこにはあんまり価値がないような。
ドラマ『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』には、凄い美形の男女が登場するけど、その外見を理由には好意、ましてや恋愛関係なんて生まれない。
見かけの美しさではなく内面の良さこそが問われる、『攻殻機動隊』みたく義体が一般化した(抜群のプロポーションを持つ美人の体を誰でも使用できる、自分だってなれる)社会だと人間関係はこうなるんだろうな、というような。
そうなったら、自分のような容姿ダメダメな人間にもチャンスが訪れる公平な世の中になるのだ!いや「見た目で判断しやがって」と思っていたのに実はきちんと内面で判断されていた、という、楽な誤解を打ち砕かれ絶望的真実を突きつけられる救いの余地が無い社会か?
 ラブラブな、主人公と女性キャラ(中身は男と思われる)関係を指して、「ネト充」。
ゲーム内・現実問わず、外見も整っているようだけどそれより「内面がイイ奴ら」っぽい二人なので、嫌味がなく、好意的に見ていられる。
 ほわっとした、癒やし系ストーリー。
ヒロインに重ねて、疲れたOLさんが見るにも向いてるんじゃなかろうか、ノイタミナ枠で大丈夫かも。
 肩の力を抜きつつ視聴継続。

『おにゃんこポン』01.「カワイイって最高だニャ」

 アニメオリジナル企画。
 3DCGによる女の子や不思議キャラ達はそれなりに可愛いが、うーん、なんのこっちゃ、な内容。
5分枠だし、構えて何かを描こうという企画ではないのか、とは思うけど、それにしても……
 女の子達の会話が『てさぐれ!部活もの』ぐらいに面白かったり、追い詰められたアドリブまみれだと良かったろうか。
 陽気な歌とかダンスは悪くない、でも毎週見続けるアニメではないなあ。
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飛龍 乱

Author:飛龍 乱
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ですが、現在HPは更新できなくなっています。

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