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映画『来る』

 衛星で放送された映画『来る』を見る。
 『下妻物語』『告白』が大好きで、『渇き。』ではバイオレンス?がコントみたいになっていて笑ってしまった、中島哲也監督作品。
原作小説『ぼぎわんが、来る』からは相当に改変されているらしい、未読。

 ホラー映画としては、心霊描写が致命的なぐらい怖くない。
自分がそういうジャンルをやたらよく見るから、ではなくて、耐性の低いヨメが見ても「怖くない」と言うぐらい。
 監督は、オカルトホラーに興味が無いんだと思う。
劇中で、登場人物から血が出たり体が欠損したり死んだりはするが、そういったシーンを自分の映像センスに落とし込むことに全力を傾け、怖く見せようとは考えていない。
 特に「死ぬ・殺す」ことに全然関心が無くて、「え?今のでもう死んだの?」と思わせるアッサリした描写、しかもそれが終わった後はポンと「何日後」とかいう風に時間を飛ばすので、余韻ゼロ。

 じゃあ怖いところは全く無かったのかというと、いや、あった。
 妻夫木聡演じる男が、いい夫であり父親になろうと考えてはいるが、関係が浅くて虚像でも通用する人達はともかく、家族に対しては全くそう有り得てなく、しかもそれに自身が気付かず・気付かないまま幸せでいようとするところ。
顧みて自分はどうなのか、独善に陥って周囲から呆れられ嫌悪されていないか……もう恐ろしくて恐ろしくてガクガク震える。
 あと、黒木華による母親が、生きていくことだけで一杯一杯になり、娘の幼稚園での問題行動について他の親に責められた際、一言も謝らず、それどころか異常とも思える言動行動を見せるところ。
最低のモンスターペアレントな行いなんだけど、その背後にある事情を見て知っている観客には、「分かる」になってしまうのが恐ろしい。
 この辺り、日常の恐怖に比べたら、何考えてるのか何したいのかサッパリ分からない霊?祟り神?なんか一欠片も怖くない。

 柴田理恵が素晴らしく良い味を出していて、感心。
 イラッとさせてくれる妻夫木聡も上手い。
 クライマックスに向けて大勢集合してくる霊能者がまとめて殺されたことを(霊感で)知り、列車移動中のオジサン達が「別れて動いた方がええかもや、誰か一人ぐらいは辿り着けるやろ」と普通に言うシーン、ムチャクチャ格好いい。
 松たか子は、霊能チートが凄すぎて大笑い。
原作は彼女ら姉妹で続けてシリーズ化されているみたいだから、そちらの映像化もして欲しい……ただ、この監督以外でこんなに上手く魅力的に撮れるかは疑問だけど。
 純粋ホラー好きにはお勧めできない、しかし「中島監督だし、素直に撮ってないんでしょ」という前提でなら一見の価値がある、変な映画。
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『ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル』02.「不気味なナベリウス」

 一話目で書いた「未知の惑星に降りるのに航空支援とかないの?」には、既プレイの方から、原作ゲームでも役に立ってないという情報を頂いたので、忠実ってことかな。
 それにしても前回、新人が多いとはいえ、それなりの実力を持つ人員を揃えたパーティーがすぐ皆殺しにされたのに、凄腕(怪しい描き方だったが)一人と主人公ら生き残り二人、正体不明の記憶喪失少女一人という無茶な編成でまた惑星に下ろすとか、デタラメにも程があり、無能なのは艦隊上層部かアニメスタッフか、と思っていたけれど……
 なるほど、そうなるべく何者かに仕組まれたワナだったのね。

 惑星上、少人数のチームがバラバラに行動しており、余りにも非効率的。
もうちょっと計画的・効果的な運用が出来そう。
 いや、元がゲームなので、主人公・プレーヤーが自由に探索・戦闘するのは当たり前なんだろうけど。
そのままアニメにすると、?になってしまう。
地表をさ迷っているのは、報奨金目当てに宇宙中から集まってきた賞金稼ぎ達、とかなら個別の勝手な行動も理解できる、かな。

『ライフル・イズ・ビューティフル』01.「ホワット・イズ・ビーム」

 原作四コマ漫画未読。
タイトルから、安易にも今期『ノー・ガンズ・ライフ』みたく、頭がライフルになっている男の物語かと。
時代が二次大戦中で、男はユダヤ人、ナチス収容所から同胞を解放する任務、とかだと更にタイトルに準拠。
 実際は、ライフルを用いた部活、という珍しい題材で描く、少女グループコメディ。

 部活再生のため規定人数を集め、次期大会で成績を残さなければならない、辺りが当面の課題になるのか、と思えば、優秀な部員が開始直後で集まり、逆に新鮮。
 攻撃能力がある本物のライフルを校内で撃つ……ではなくてビームライフル射撃だったり、専用ジャケットが非常に硬質なものだったり、無知なジャンルの知識が得られて楽しい。
「ジャケットはオーダーメイドであり硬くて高価だから、太れない」というのは「ライフルあるある」なんだろうな。

 少女達は、意外な個性を持っている訳ではないけれど、四人でまとまっており、掛け合いも軽快。
 射撃の魅力を伝えるより、お友だちの家を訪ねてのキャーキャーを中心とする一話。
 最初だからもうちょっと、とは思うが、女の子達は可愛く描けており、必要十分な作画。
 無理なく見られる範囲で。

『真・中華一番!』01.「夢を継ぐ者」

 原作漫画未読。
漫画は24年、以前のアニメ化でも22年前になる……見ていたはずだけど真面目な鑑賞態度ではなかったのかほとんど記憶にない。
 そのためか三人で旅をしている主人公達一行の関係が分からない。
原作か、22年前の映像化でもうご存知ですよね?という作り。
もっとも作品ジャンルとしては明快な料理バトル物であり、三人にさほど入り組んだ事情があるとは思えず、次回以降の説明でも、しっかりした説明なしのままであっても、内容理解にさして支障はあるまいが。

 料理で勝利を収める過程について、謎スーパーパワーに寄らず、誰でも納得できるようしっかり描かれている。
幾多の料理漫画が描かれた現在となっては、余りにも普通の調理方法に感じられ、「おお!」という驚きはないけれど。
 審査員のお約束、バカ騒ぎしすぎリアクションには笑ってしまう。
「美女・美少女が何だかエロい表情を見せる」「脱ぐ」といった反則反応に比べると、懐かしい正当派。

 作画クオリティは十分に高く、料理も美味しそう。
 当然ながら原作漫画は完結しており(『極』とする続章は連載中)、拍子抜けする終わり方をせず、きちんと物語を見せてくれるんだと思う。
 無理なく視聴できる範囲で。

『歌舞伎町シャーロック』01.「はじめまして探偵諸君」

 ラノベの原作がありそうな雰囲気、でもオリジナル企画。
 同時期に実写ドラマ『シャーロック』『ミス・シャーロック(少し前)』があり、何だか流行?
 歌舞伎町は、一時期に比べ飛躍的に健全な街になったと思うが、まだ性と暴力が横行する猥雑なイメージなのか。
そりゃ、浅草とか柴又で描くと全然違う事件になりそうだけど。
この作品では「新宿區歌舞伎町」として、架空の設定。

 シャーロック・ホームズが、あんまりそれらしくなくて残念。
明晰な頭脳、エキセントリックな態度、風貌は、うーん……痕跡はありつつ。
 同時期ドラマ『シャーロック』一話目で、「火サス」ぐらいの推理にガックリしたものだが、こちらは短時間で一応の「なるほど」を見せてくれる。
犯人の爪が一本だけ長いのは葉巻をカットするためかな、ちょっと説明があっても。
 推理する前段階として、キテレツな動きを見せるのが日本風。
歌舞伎の見栄、戦隊の名乗り、必殺技の名前絶叫、波動砲発射プロセスみたいな、「これから起こる凄いこと」への前段階なのか。
それらの中で「落語を始める(脳内に人格を二つ作りその会話を通じて推理を整理している?)」ってのはまあ、理解できなくもない。
『SPEC』の、半紙に書き付けたキーワードをビリビリに破いて投げ上げると事件の真相が閃く、なんて無茶なのと比べれば。
 ただ、ご隠居さんとクマさんじゃ、まるでシャーロック・ホームズらしくはないな。
他の誰にも見えない「脳内ワトソン君」と落語風の会話をしながら推理する、というならまだしも。
 新宿には、歌舞伎町を外れるが末廣亭もあるから、落語はそこから?

 Production I.Gらしい高品質な作画。
 これぐらいの事件を毎回見せつつ、シリーズを通した大事件(切り裂きジャック?)に挑んでいくことになるのか。
 推理を毎度考えるのは、七転八倒だと思うけども。
 視聴継続。

『星合の空 -ほしあいのそら-』01.

 アニメオリジナル企画。
 男子ソフトテニス部の試合から始まったが、余りにもダメダメであり向上心にも欠けているため、それは添え物として、青春ストーリーが語られる物語かと。
一応は部活物、ということになるのかな?
 しかし、主人公男子二人が親と上手くいっておらず、片方は毒親による虐待まである様子。
これがストーリー上、もう一本の柱?

 父親による暴力と、幼い頃からの加虐によるのか怯えて縮こまる男子。
よく描けているけれど、その分、見る側にグッとストレスが溜まる。
 こういう親については、警察に連絡……は、署にもよるけど家庭内のことには「まあまあ仲良くしてね、刺されたらまた呼んで」ぐらいしか言わず役に立たないことがあるので、公的な窓口を探すか、弁護士に相談がいいかなあ。
 母親が夫に対しまだ気持ちがあり、事件にまでしたくないとかだと、ちょっと難しいけど。
 オヤジは息子が弱いと思って油断してるんだし、後頭部をフライパンででも殴打し(もらったラケットじゃカドを使っても打撃力が低そう)、首の骨が折れるようマンションの階段から落とす、ってのが良いかと。

 母親から疎まれている方は、ハッキリした悪意でない分、厄介かな。
具体的にどこが嫌われているのか、具体性など無いのか、それもまだ分からない。
メガネ男子、強引だし傍若無人だし「人を使って情報を探らせる」なんてスポーツマンらしくない手も使うから、その辺?
 彼ら二人が、ソフトテニスを通じて親との関係を改善していく話になるのか。
でも「最低の暴力オヤジに思えたけど、被虐側が努力して分かり合ってみれば良い人だった」みたいなストーリー、今日的に、無邪気に描いて良いモノ?
 どうなるアニメなのか、しばらく視聴継続。
……最近ストレスに弱いので、あんまり虐待がキツいとかだと脱落の恐れも。

『ノー・ガンズ・ライフ』01.「暴走拡張者」

 原作漫画未読。
 内容について、もう全く知らなかったため、冒頭に出てきた頭が拳銃になっているキテレツな男を、てっきり「一話目の悪役」だと思ってしまう。
 こんな表情も分からない、ゴツイ、ヘビースモーカーの男に感情移入なんか出来るかぁ!と思っていたのに、30分終わる頃には「いいヤツだな」と思わされてしまうマジック。

 『攻殻機動隊』義体のようだけど、もっと非人間的に、外見から機械だとハッキリ分かる改造が一般的になった世界。
 主人公の頭部について、飾りではなく本当に銃、時代遅れの武装であり現在は違法に問われる、自分では引き金を引けない……ワイヤーを巻き付けて引っぱるといった方法ではダメで、射手との精神的繋がりが必要なのかな。
その頭にプライドを持っている、水に弱い、デフォルメ顔は可愛い、等々設定を付けていくことで、違和感の頭銃を見る者に受け入れさせるのが上手い。
 第一話は、世界観や事件の発端も描いているけれど、十三というハードボイルドな男を、絵空事でなく実在に、魅力的に感じてもらうのが主目的。
それがしっかり出来ており、感心。

 作画レベルは高い。
 ラスト、パンチ一発で列車を脱線させてしまうパワーが気持ちイイ。
 視聴継続。

『BEASTARS ビースターズ』01.「満月は照らす獣を選んでる」

 原作漫画未読。
作者が『グラップラー刃牙』板垣恵介の娘だという話と、七光りどころか父親の漫画より面白い!という感想も聞いたことがある。
 内容。
 ケモノ達が普通に人間として生活する世界。
といっても萌え作品的に「チョイとケモノの耳やシッポが付いているだけのコスプレ少女風」ではなく、ケモノをベースに擬人化したような容姿。
『ズートピア』と似ているかな、『旗揚!けものみち』の主人公なら悶絶して喜びそう。
 各人の性質は元になった動物に準拠しているものが多く、そればかりか肉食獣が草食動物を食べる……さすがに日常的出来事ではないんだろうけど。
物語のスタートは、学園の生徒が食べられた(殺された)事件。

 アニメ、キャラは3DCGをトゥーンレンダリングしたもの。
問題なく見られる画面クオリティ。
 自分を好きでいてくれた男子を殺された少女、周囲からイジメを受けている少女、演劇部内で便利に使われている主人公……ぐっとストレスを溜める第一話。
 イジメられ少女と同室の子、イジメに荷担するでも庇うでもなく、「興味が無さそう」というのは珍しい描き方だなあ。
 しっかり作られており、引き込まれて面白く見たが、さすがにこのまま続くのはキツい。
ラストでオオカミの主人公がアクションを起こしてるし、次回以降は状況が変わっていく?

『耐え子の日常』01.「こんな同僚に耐える他」

 原作漫画未読。
 5分枠の省力アニメ。
 日常で、ちょっとイヤな目に遭うOL女性を描く。
漫才ブリッジみたいに、ショートネタの最初と最後、タイトルとオチを毎回歌い上げる。
 笑えるかというと、うーん。
誰にでも面白い、という作品ではなく、特に女性視聴者から「あるある、ふふっ」ぐらいの反応をもらえれば狙い通りなのだろう。

『神田川JET GIRLS』01.「神田川が呼んでいる」

 メディアミックス企画。
 タイトルからでは内容の想像が付かず、「神田川でジェット噴かしたりする女の子達の話?」なんてそのまんま考えていれば、ほぼその通り。
 ジェットレースの概要、ヒロインがその競技に挑む理由付け、バディーを組む少女の紹介から、初めての?レース開始まで、ポンポンと進んでいく第一話。
 純粋にスポーツかと思ったけど、レース中に水鉄砲で相手を狙撃することによりコスチュームを脱がせていく、馬鹿エロ要素あり。

 巨乳が過剰に揺れ、レース時はまだ露出してもいないだろうに局部が光る、金子ひらく監督らしい絵作り。
残念なのは、第一話から作画に乱れがあり、先行きを不安に思わせること。
お色気による男性視聴者へのアピールは、この作品の大きな柱なのだろうから、頑張って欲しいところ。
 まだ心を掴まれた!とは言えず、様子見。
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飛龍 乱

Author:飛龍 乱
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ですが、現在HPは更新できなくなっています。

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