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『映像研には手を出すな!』07.「私は私を救うんだ!」

 うーむむむ、作画的に大分厳しいお話。
崩壊とかいう程ではないけれど、圧倒的クオリティでアホな(褒め言葉)妄想を形にし、少々の無茶を乗り越えてきた作品だけに、ここが躓くと、全体の吸引力がガックリ落ちてしまう。
 妄想上のウォータースライダーから飛び出したボートの方向が、スライダー出口と不自然にズレているのなんか、みどりやツバメならスケジュールがどれほど厳しかろうと修正したがる所じゃなかろうか。
 銭湯シーンが全く色っぽくないのは、抜群の作画であろうと意図的にこう描いただろう。
「美少女キャラの萌えで売りたい」なら、メインキャラ三人のデザインも違っていたはず。

 モデルのレッスンで、自らが練習するよりも他者を観察してスケッチし、動きのコアを捉えていく少女期のツバメ。
 この頃からアニメーターを志していたのか、と思ったけれど、それが祖母のリハビリに繋がる流れに感心。
 彼女が動画に徹底して拘るのは、一切をおろそかにせず描く事で「絵が上手くなる」「褒めてもらえる」といった直接的なモノだけでなく、何か・誰かに対して大きな意味を持たせられる、この成功体験?から来ているのかな。

 背景美術のチェックでモメるシーン、胃がキリキリする。
 気心が知れている訳でもない人間同士で、イメージを共有するのは至難。
そして、相手が苦労して描いてくれた絵について「違う、直して」と言うのは、自分が余程エライ先生か過剰なほどの報酬を払っていない限り、難しい……
 つい「まあ、いいかぁ」あるいは「自分で直そう」になりがち。
 みどり、対人スキルに問題を抱えながら、今回よく抵抗した、エライ!
 また、腹を立てて「じゃあ知らねーよ」と投げ出さず、ブツブツ言いつつ付き合ってくれる美術部?も良い奴らだなあ。
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『洋上の楽園クルーズ』160.「芸術の都ロシア・バレエ歴史堪能クルーズ」

 MXテレビで放送されている船旅紹介番組。
 ゆったりとした船の旅だから、なのか、老齢の乗客が目立ち、珍しい新婚旅行の若い男女なんか面白がられてしまいそう。
寄港地・ウラジオストクの大都会ぶりが興味深く、それはそれなりに楽しく見た番組。
 現在は、コロナウィルスで留め置かれているクルーズ船の話題もあり、こういう閉鎖環境で長く時間を過ごす船旅についてはキャンセルが出てないかなあ、大変だろうな。

 ……なんでこの番組録画してあるの?と思ったら、『異種族レビュアーズ』を毎週録画に入れてあったからか。
4話以降が放送中止になった、代替番組なのね。
 何かのアニメでネタにされそうだな。

 4話まで。
 性転換は極めつけの飛び道具!ではなく、早い内にネタ消化。
こういうパターンだと「美女になった元男性が、よく知っている男友達に、あるいは見知らぬゴツイ男に……」といった展開になりそうだけど、さすがにパーティーメンバー同士で行為があってはその後に引いてしまいそうであり、相手は「男」でさえなく両性具有的なハイエナ(知らない知識だった、調べて補完)娘と、しかも本人も両性具有であるクリムヴェールだけがしちゃう、ということで、非常に気を遣った処理。
 この雰囲気だと、いくら可愛くても「男の娘」を相手にはしない?
そこまで守備範囲なら、クリムヴェールが襲われてるか。
 大量の低級サキュバスとバトルロイヤル、サラマンダー娘に女体盛りで焼き肉、アイディアのバラエティーが素晴らしい。

 なので、気軽にテレビで見られなくなるのは残念。
といっても東京以外では普通に放送続くし、niconicoやAmazonprimeでは見られるようだが。

『映像研には手を出すな!』05.「鉄巨人あらわる!」

 フィクションとしての巨大ロボットに付与される必然性と、現実から考える不合理さの論争が楽しい。
このアニメを見て度々あることだけど、「こんな会話、自分でもやったことがある」既視感がスゴイ。
 ちょっと押井 守風な理屈っぽさ、『ミニパト』ではロボットアニメ考察を猛スピードで展開していたなあ。
 ただ、このアニメでは押井節よりはもうちょっと優しく、否定されるモノへの共感からスタートしているのが嬉しいところ。

 現実的思考では巨大ロボットなど不可能だと知りながら、それでも乗りたいと号泣するロボ研部長に対し、「宇宙が広すぎて毎日お風呂で泣いている」「寝る前に毎日、波動拳出す練習してる」と共感の涙を流す映像研二人。
馬鹿馬鹿しくて笑いつつ、でもアホみたいな夢を追い続ける気持ち、分かるなあ。
 仮想現実で良いなら、リアルな巨大ロボット搭乗・操縦の感覚は味わえると思うし、自身の手から波動拳が出ていくビジョンも見られそう。
宇宙の果てだけは難しいかなあ……何を見せたら「宇宙の果てだ」と納得してもらえるか分からないので。
 しかし、より簡単に実現出来そうな代替物でいいじゃん、なんて考える人間は彼ら彼女らの仲間にはなれず、金森と同類かも。

 互いの弱さ(バカさ)をさらけ出したことで和解し、手を握り合う三人に、「問題が感情で解決する人間が一番嫌いだ」と客観視してツッコミ、笑いにする金森。
全くその通りながら、物事は感情主導で動くこと、多いんですよ。
 前回、厳しく制作進行かプロデューサーの役割を務める金森を見ながら、自分もかつて試みたけれど当然のように完成しなかった同人的アニメに最も必要だったのは彼女だなあ、と。
良いモノを作りたい気持ちがある、拘る、クオリティを下げる妥協はしたくない、そういう人間なら沢山居るが、直言して非現実的な理想を蹴散らし、完成に近づけるためには周囲の憎しみを買うことすら意に介さない……絶対に損な役割を引き受けてくれる者は少ない、まあ誰もやりたがらない(自分も)。
金森、欲しかったなあ、あの頃。

 前回の自主アニメ、劇中で「何とか形にすればそれでいい」扱いになっていたので、そういう完成形なのだろうと思ったら、スゴイ完成度のよく動く面白いアニメだったので驚く。
ここは「ま、こんなもんでしょ」程度の中身にすべきじゃないの?いや凄い良かった、最高だけど、最高だけど。
 『なつぞら』で見せられたアニメ。
劇中では拘りまくった作画として語られながら、実際に完成品が画面になったのを見ると、????というモノに。
それの真反対だなあ。
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飛龍 乱

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ですが、現在HPは更新できなくなっています。

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