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『古見さんは、コミュ症です。』04.

 原作漫画は連載で既読。
 「コミュ障」ではなく「コミュ症」なのね、「障」って漢字の印象からか。
 「サンデー」連載に目立つ、読み切りにぐらいしか使えなさそうな限定設定・シチュエーションの作品。
美人だけどコミュニケーション能力に大きく問題があり、他者とうまく意思疎通できないが友達はたくさん欲しいと思っているヒロイン。
中心はこれだけなのに、多種多様な「問題」を抱えるキャラクターを周辺に配置し、主人公少年とのラブコメで面白く読ませてしまう作者の腕力、凄い!

 アニメに先立ち、NHKで放送されている実写ドラマ版。
 まず、古見さんが違う!確かに美人さんが演じているとは思うけれど、イメージと致命的に違う。
じゃあ誰ならイメージにぴったりなのか、と問われると困るが。
 只野くんも女装似合いそうにない容姿だし、万場木さんはメイクを取っても「ギャルメイクに向きそうな顔」をしててギャップが少なく、うーん。
 片居はオッサンすぎるが悪くない。
 驚いたのはなじみで、役者さんを知らなかったため、最初は女の子が演じていると思った。
これは驚異的、この人以外、考えられない。

 という具合に、他はまあともかく、中心となるべき古見さんが「違う」ことで余り入り込めず見ていた一話目だけど、只野くんと板書で語り始めるクライマックスで、なんかホロリと泣いてしまった。
原作ではほとんど、泣くような反応をしたことなかったのだが。
 古見さんを演じる池田エライザ、容姿として適役かは疑問。
しかし、役作りや演技を頑張っているのは確かで、一話目も後半に来ると「古見さんっぽい」と感じられる瞬間が生じ始めた。
 「伝わらないかも知れないけれど一生懸命に古見さんであることを表現したい」演者の努力と、「余りに不器用だが筆談でどうにか気持ちを伝えたい」キャラクターの心情が合致し、奇跡的に感動できるシーンになっていたのか、と思う。

 不器用でも、他者とコミュニケーションを取ることに懸命な古見さん。
つまらないことはペラペラ喋るけれど、こんなに自分を分かってもらおうと頑張ったことなんてあった?と自問自答。
 四話目まで見て、違和感は残りつつも、古見さんかなあと普通に感じさせるようになってきたので、役者と演出の勝利!大したもんだ。
 片居引っ越しに驚く。
コロナ下でもあり、キャラクターはなるべく小規模に区切りながら出したいのかな。
そういえば古見さんは基本筆談なので、役者さんの発声に伴う飛沫で他の人に感染させる恐れが少ないかも。
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『小林さんちのメイドラゴンS』最終12話.「生生流転(でも立ち止まるのもありですかね)」

 10話、ニューヨークまで家出したカンナが、まるで理解できなかった英語を「学習しよう」と考えた途端に習得するシーン。
奇抜な演出を用いたわけではなく、ごく普通に周囲の声を耳にすることで、ドラゴンとしての「人間離れした(当然)」知性がそれを可能にしたと視聴者に分からせる、ゾワッとするほどの上手さ。
 こういうシーン自体はSFやファンタジーで珍しくないが、ここまで自然に、説得力をもたせた描写の記憶はないなあ。

 トールがいくら小林を好きでも、途中までの段階はともかく子孫を残すことは出来ない、と思っていたけど、イルルにより小林男体化が可能だと示された。
本編には人間×ドラゴンの子供というのは登場していないため絶対ではないが、有り得る話。
それなら、寿命が来た小林を喪ってからの長い期間も、子供とともにトールは生き続けられるんじゃなかろうか。
 多くの他作品では「異質な出自を持ちながらも中身は人間」として人類外の存在を描くことが多いけれど、この作品ではドラゴン達の思考や行動にチョイチョイ「人間とは違う」を感じさせられる。
大抵はギャグに混じえているものの、時折怖くなるぐらい理解の断絶あり。
それでも分かり合おうとする気持ちがあれば愉快に暮らせる、というのが作品テーマだろうか。
いや、最も理解し難いのは小林であったりして。

 第二期開始前は様々な不安があったものだけど、そんなものはすぐに消え、さすがは京都アニメーションとしか言い様がないクオリティを見せつけ、最後まで楽しませてくれた。
「今はここまでしか出来ない、だって仕方ないでしょう?」とする妥協を自らに許さない、矜持。
 がんばって!の気持ちで見るつもりが、君たちもがんばれ!と逆に言われている気分。
 面白かった、可能ならば三期を望みたい。

『精霊幻想記』最終12話.「運命の再会」

 シリーズ開幕当初、酷い生活環境や誤解、周辺キャラによる嫌がらせなどで、ストレス系異世界転生物かと思われた本作だが、国を出てから、天井知らずの強さで当地の難題を易易解決し、感謝されてモテまくって行く先々でハーレムを作る、願望充足系としても少々安易な展開に。
 今回、国を挙げて行われる大々的な結婚式から、花嫁セリアの奪取を目論むハルト。
当然ながら警備は厳重であり、どうすればそんなことが可能なのか、計画性が求められるところだが……
実際は、正面から突入して大勢の騎士や魔道士をザコというか石ころみたいに軽々蹴散らし、セリアを抱えて堂々と退場。
 「ハルト強い!」よりも、感じられるのは「安易」。

 シリーズのエピローグ。
 ハルトの暮らす異世界に召喚されてきた?少女らが間髪を入れず人さらいに捕まり(召喚はよくあることなので待ってた?)、彼らに対してハルトは「アンタの用心棒が持っていた」とスマホを見せ(用心棒?経緯が全部省かれているので意味不明)、襲ってきた悪者集団を雑すぎる演出と作画でお手軽に片付ける。
原作からこうなのかも知れないが、短く収めるなら少し構成を変えれば良いのに。
 その少女の一人は、現実でのハルト初恋の相手だという、次のシーズンに期待をつなぐ展開。
 ただ、「異世界転生」という基本設定を、全然活かせてない作品なので不安。
 ハルトが持つ現実世界での記憶、無くても作品内容にほぼ関係ない。
 転生前のことを話すラティーファに、自分もそうであるとすぐ話さないハルト、何故?
明かしたくないのかと思えば、少しあとになってはペラペラ喋りだして、また何故?
 現実世界の姿のまま初恋の少女が登場する、ここから、この作品での「異世界転生」に本当の意味が現れてくる……のだろう、多分。

 全体的に、画面的な説得力が弱く、アクションに迫力を感じられなかった。
 ハルト、「誰にでも優しい」んだろうけど、淡々とした感情表現のせいか、見ていると「誰のことも特別には好きじゃない」ように感じてしまう。
 第二期制作決定!という文言はないまま終わり、それは一期の商業的成績に寄るのかな。

『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』09.「あの日の翼」

 ウルトラマンゼットがゲスト出演した7、8話は、シリーズの流れと隔絶したテンションの高さを見せた。
 既に確固としたキャラクターのあるハルキ・ゼットとの絡みで、本作主人公であるケンゴの「良い奴なのだが少々うっとおしい」個性が明確になり、曖昧だった(個人ではケンゴの暴走を受け止めることが難しい)アキトとの関係もハッキリさせる事ができた。
 この辺りは、当該二話を担当した脚本家氏の力量にも寄るのかな。

 「カラータイマーが鳴り始めるとウルトラマン自身の胸に衝撃・振動?がある」というのは、長いウルトラの歴史で初めて言及された設定。
 当然のように防衛基地内を歩き回り、バロッサ星人とお宝(ガラクタにしか見えない)自慢合戦をする、トレジャーハンターが可笑しい。
『機界戦隊ゼンカイジャー』のゾックスとキャラ被りが感じられ、強烈さで大きく負けている彼が、この二話でグッと盛り返してきた感じ。

 シリーズ最後までゼットを出演させて欲しいぐらいだったけど、それじゃ主人公が食われてしまうためか、前回で自分の世界に帰還。
 そうなると、やっぱり登場キャラの弱さを感じてしまう。
「体につけた誕生パーティーの飾り付けをそのままに戦闘へと突入する隊長」なんてのは可笑しかったけど。
水面にビーム攻撃を当て、上がった水しぶきでガッツウィング翼の炎を消すミツクニも、戦歴の長さを伺わせて見どころ。
 『ティガ』世界との繋がりがしっかり語られたし、ここから盛り上がっていくことを期待。
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飛龍 乱

Author:飛龍 乱
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ですが、現在HPは更新できなくなっています。

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