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『明日ちゃんのセーラー服』最終12話.「ひとりじゃないんだ」

 ポジティブであり行動的、可愛くて友達が大好きで一緒にいると元気になれる、そんなヒロインの明日をとにかく魅力的に描いてあり、回を重ねるごとに惹きつけられていった。
 こんな子がいれば、自分の暗黒学生時代でさえキラキラしたものになったのではないか……などと思いつつ。

 原作漫画の徹底したフェティシズムこそ薄く(見やすく?)なっていたものの、十分すぎるぐらい拘った、高いクオリティの画面づくりを最後まで通しており、感心。
 女の子たちは揃って可愛らしく、見ていて心地よいアニメだった。
 二期希望。
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『その着せ替え人形は恋をする』最終11話.「その着せ替え人形は恋をする」

 最初はてっきり「陰気で変わり者の男子が、陽気な美人の同級生と『趣味』で繋がり、振り回されていく話」かと思っていたけれど、途中からは「際どい肢体の露出などには戸惑うものの基本的に冷静な主人公に対し、べた惚れヒロインがドキドキする」様子を楽しむ内容へと変化。
 どうしてこうなった、そりゃあ冴えない(といっても外見は相当にイケメン)男子がモテモテになることは、願望充足・癒やしに感じられて心地よいけれども。

 喜多川が恋に落ちるのはともかく、その友人たちぐらいは「えっ、あんなののドコがいいの?」という反応で不思議ない。
 それをいえば、彼女のコスプレ趣味だって「やめなよ、みっともない」「オタクに写真撮られるのって気持ち悪くない?」などと否定的な言われ方しそうなものだが、確か無かったような。
 そういうことを言い出す相手とは、スパっと縁を切ってきた、その結果かな。
 もしかして彼女のバイトってパパ活的な方面だったり……などという勘ぐりも全くの杞憂、驚くぐらい健全。
まあ、視聴者であるオタクって(自分も含み)そういうケガレを容認しづらいからね。

 喜多川と似た視点を持ちつつ、独自の熱い心情を語るジュジュの登場により、物語がグッと深くなった。
コスプレは、興味深く眺めるぐらいで「理解できている」とはとても言えなかった自分だけど、作品への愛であり表現者としての行動であり、それ自体が夢でもある、という彼女の内面吐露に、ちょっとホロリ。
 その妹・心寿も面白くなりそうなキャラだが、今期だけではまだまだ不完全燃焼。

 心配された作画クオリティを、全く落とさず最後まで駆け抜けて見せたことに、驚きと感動。
 まだ見足りない気持ちが大きく、第二期を期待。

『平家物語』最終11話.「諸行無常」

 第一期終わり、みたいにするのかなあと途中まで思っていたが、細かな戦いの描写やキャラクターの最期など端折りつつ、11話でまとめてしまった。
 もう少しだけ長いアニメにして欲しかった、反面、滅びていく平家の目線で描かれるストーリーのため、視聴者がキツくなってしまう恐れもあるのかな。
 ハッとさせる色彩を含めた演出の見事さや、高い作画クオリティにより、全編見ごたえのある作品になり得ていたし、特に壇ノ浦の戦いは緊迫感・悲壮感に溢れ、グッタリ疲れる凄みがあった訳だけど。

 平清盛に一族以外を思う心がもっとあれば、重盛が生きていれば、維盛に戦いの才能があれば(本人はそう望まなかったろうが)……余りにも報われることの少ない徳子など見ていると、歴史のifをつい考えてしまう。
 オリジナルの設定であるびわが存在することで、平家一門をより深く描写でき、また悲壮なことばかり多い物語に「救い」をもたらしているのが、実に巧かった。
 シリーズを見終えてから、授業で覚えさせられるだろう「祇園精舎の鐘の声……」を読むと、まるで違って感じられるだろう。
歴史の勉強にもなるし、教材として見せてもいいぐらい。
 面白かった、いや、凄かった。

『王様ランキング』最終23話.「王様と太陽」

 残り話数ではとてもまとまりそうにない!と思われた物語だが、多数の伏線や未解決事項を残しつつも、一段落。
 ボッジ、自国の王座よりも友を選んだか。
いや、当初の気持ちはともかく、旅と戦いで成長を遂げたボッジにとり、父の後を受けて王位につくことは、最終目的でなかったのだろう。
実際、王としての業務をこなすボッジは楽しそうでなく(カゲがいないから、でもあろうが)。
 父の作り上げた王国をただ受け継ぐのではなく、父と同じく困難な道を切り開き、しかし誰も犠牲にせず、自分の王国を築く、というのは途方もなく大きな夢で、爽やか。
 「人たらし」ボッジであれば、すぐに臣下(友)となる人員は集まるだろう……ドーマスとホクロは付いて行かないのかな?ギガンはいずれ合流しそう。

 ボッス王国、ダイダを代理王として、ボッジが諸国武者修行の旅から戻ったら王位を返す、ということでも良かった気はするけど、それではダイダが軽んじられかねないか。
 ダイダの成長は、物語の大きなキーだったと思うので、割合と急激に人格を丸くされるのには若干違和感。
元々酷くねじ曲がった性格ではなかったのだろうし、ミランジョを愛することで満たされたのかな。
 そのミランジョも、許されて良かったとは思うものの、過程が急激。
彼女が行った非道、そのほとんどが「ボッスのため」であり、自身が良い思いをすることなどなかったのを思えば、彼女も被害者だと言えるかもだが。
 生きてきた年月はダイダよりも相当長いはずだけど、まるで同年代少女のように見える(容貌ではなく反応が)のは、彼女自身の人生がボッスのため尽くすだけになった頃から止まってしまっていたからかも。
 ミランジョには、この先に過酷な人生が待っているかもしれず、「簡単に許されすぎ」かどうかはまだ不明。

 ダイダの「代打」って、あんまりな名前だなあ、ボッジの代打として王位に就いたことを表してるのか、と思っていたけれど、力に目が眩んでミランジョを不幸にさえしてしまった父王に代わり、今度こそ彼女を幸せにする、という意味なのかも。

 キャラクター皆、強烈な個性を持ちつつ、一面的ではない魅力を有していた。
 ツンデレで大きな愛を擁しながらもすぐ死刑にしようとする、矛盾したヒリングが凄く好き。
女性キャラが少なすぎるこの作品において、堂々たるヒロイン位置に座する。
 さすがに続編ではボッジの恋愛対象が登場する……かな?
いやまあ「カゲこそ本当のヒロイン」というのも分かるけど。
普通に男性声だし、影として生きる呪いさえ解ければ美少女に、というのはなさそう。

 渾身の、本当に毎回驚くぐらいのクオリティを最後まで保った作画に、拍手。
 物語はもちろん、演出的にも優れ、あっと驚かされたり泣かされたりしたこと多々。
 このコストに見合う売上が見込める作品なのか、というところに不安を感じつつ、同じスタッフによる第二期の開幕を待ちたい。

『今、私たちの学校は…』12.

 Netflixで配信されている、韓国産の連続ドラマ。
タイトルからは想像しづらいけど、ゾンビ物。
 いや、面白かった。
12話完結の短さ、個性的なキャラクターの描き方、それを容赦なく切り捨てていく思い切りにより、ダレることなく見終えられる。

 実写ゾンビ物で、学校が舞台というのは珍しい。
アニメでは『がっこうぐらし!』『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』なんかがあった訳だけど。
 学校は誰しも通った経験のある場所で、通常の教室、職員室、科学室、給食室、図書館、体育館など、性質の違う空間が多々あるため、シチュエーションごとに変化をつけやすい。
 生徒にしても、理数系、体育会系、委員長、オタク、イジメする側される側と、所属によって個性がある程度明確化できるし。
 考えてみれば、これまで余り使われなかった設定なのは不思議。
今作のヒットにより、後追いの企画が多数出されるだろう。

 12話、最後まで面白く見たけれど、斬新なことをやっているかというと、そうでもない。
かなり基本に忠実な作り(感染者の一部について独自の解釈はあるが)。
 ゾンビ発生で学校の殆どが感染者に埋め尽くされ、生き残った学生や教師が決死の戦いを繰り広げる。
心を通わせた友達や家族を次々喪い、彼ら彼女らが主人公たちを襲う側になってしまう悲しさ恐ろしさを感じさせつつ、それでも生きようとする物語。

 キーを握りそうなキャラが早々に物語から外れたり(死ぬ・ゾンビになる、ではなく、物語と関わらなくなる)、頼りがいありそうなキャラなのに突然呆気なくゾンビ化、かと思えば絶望的状況でも特に理由なく平気で生き残る者もいる。
 死を大きく扱われる・居なくなったことさえ気づいてもらえない、レギュラーでも扱いに壮絶な差があるのは違和感。
 特殊能力を得る者、得られない者の差は何なのか、ハッキリしなくてモヤモヤ。
 コイツに外で大きな音を立てさせて、その間に逃げればいいのに、といった、見ていて誰もが考えるだろう計画を誰も言い出さないのが不思議。
 展開に勢いがあるため騙され気味だけど、気になるポイントは結構ある。

 それでも国産のゾンビドラマ『君と世界が終わる日に』なんかとは比較にならず。
 『君と……』、「ゾンビ」を扱う作品として、主題に関しての真摯な態度が全然感じられない。
ストーリー・役者の演技・ゾンビの造形動作まで、「なんかこんなもんでエエんちゃう?」ぐらいにしか作られていない。
 韓国映像界の真面目な姿勢を多少は見習うべき。
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飛龍 乱

Author:飛龍 乱
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ですが、現在HPは更新できなくなっています。

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