fc2ブログ

『ぼっち・ざ・ろっく!』最終話12.「君に朝が降る」

 今期最も気になったし、楽しんだアニメ、終了。
 時折、驚くぐらいの強さを見せつつも、最後まで対人関係を苦手とし続けたヒロイン・ぼっち。
人によっては「イライラする」キャラかもしれないが、個人的には感情移入度高すぎて、辛くなるぐらい。
 まあ、怖いよね、他者は怖い。
よく知らない人間と上手く話そう、なんてのはハードルの高いクエストで、うっかりしたことを言って微妙な顔をされ、対人スキルの低い自分に嫌気が差し、ますます他者との関係性を築きづらくなる、この繰り返し。
 それでもぼっちは、逃げ出さずに(逃げようとはしたか)バンド活動を頑張り、メンバーとの親交を深め、押し潰されそうな不安に抗って唯一寄って立つ「音楽」で自分を表現してみせた。
 ああ、もうちょっとぐらい自分も強く生きなきゃな、と思わせてくれる。

 学園祭ライブのラスト、大きな成長を示してくるものと予想していたが、想像だにしないステージから客へのダイビング自爆で、エライ笑わされてしまった。
受け止め、持ち上げてくれると思ったんだろうか……極度に内向的な割に、皆から称賛されるスーパー自分像を妄想することが多い子だっけ。
 死にたくなるぐらいの失敗、しかしその後もいつも通りで居られるのは、シリーズを通しての成長の証か。
……今回見せた「楽器店入り口でひたすらヘッドバンキング」なんてのも相当な黒歴史になりそうなものだから、このレベルの恥ずかしい記憶が膨大に積み上がっているのだとしたら、学園祭の失敗なんか、騒ぐほどではない?

 キャラとしては、リョウも非常に面白かった。
他者との会話はできるものの、距離感のバグり方や突拍子もない言動など、ぼっち以上の変わり者ではなかろうか。
 飲んだくれの、きくりも好ましい。
ぼっちに、とても大切なことを教えてくれているような、そうでもないような。
彼女とバンドメンバーによるライブがしっかり見られなかったのは、残念。

 作画は全編とても良く、ギャグの崩し方や音楽シーンには強いこだわりが感じられた。
 自分のギターを手に入れたぼっちの今後が見たいので、二期希望。
スポンサーサイト



『アキバ冥途戦争』最終話12.「萌えの果て」

 どこが面白いのか、非常に語りづらいアニメ。
 秋葉原を舞台にメイドたちが血なまぐさい抗争を繰り広げる、というのは、もう馬鹿馬鹿しい筋立てとしか言いようがないけれど、悲惨な死に様などふざけず真面目にも描いている。
 嵐子がいかに優れたメイド(殺し屋・極道?)だとしても、武装した大勢に取り囲まれて無事な訳はないのに、スーパーヒーローのごとく切り抜けてしまう。
この辺はまあ、『仁義なき…』というよりも、義理と人情が通れば無敵になる任侠物に近いのか。

 メイド喫茶を「組」になぞらえているのは分かるが、殺されそうな危機に何度も見舞われながらも、足抜けしようとさえしないのは、不可解。
 萌えと陰惨な抗争殺戮、という水と油な二者を無理やり混ぜ合わせようとするところが起点となっている作品だろうけど、今どちらの角度から見れば良いのか視聴者に混乱させてしまう部分が多々あり、そのゴチャゴチャぶりすら楽しませるには制作者の理解度や提示方法が透徹していないよう、感じられた。

 とはいえ、嵐子は非常に魅力的なヒロインに描けており、それだけでも見続けるに足る程。
 店長・パンダまで含み、キャラクター達の個性豊かな活躍は、十分な見どころだった。
 もっと内容を絞り込んでから作れば、ずっと見応えある作品になったかも……いや、このカオスさにこそ価値がある?
 「未見の人にあらすじを語って聞かせても、実在したとは容易に信じてもらえないアニメ」として、いずれ伝説になったり。

『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』12.「DIYって、どんなときも・いつまでも・ゆうじょう!」

 悪く言うと平坦で盛り上がりに欠け、良く言えば嫌なキャラやイベントによるストレスがなく、気持ちよく見終えられたシリーズ。
 ボスキャラ?のぷりんまで、割合スッキリ仲間になっており、拍子抜け……だけど、負担がなくて嬉しくもある。
元々ぷりんは、せるふを嫌っている訳でもなんでもなく、それどころか最初から(幼少時から)「好き」がダダ漏れになっていたのだから、二人の関係修復をクライマックスと捉えようとする方がムリか。

 個性豊かな少女部員たちは、皆一生懸命な良い子であり、苦境にも諦めず、文句さえ言わない。
あんなガッチリしたツリーハウスを作るには、大変な・面倒なところもあると思うんだけど、そこはフィクションかなあ。
『ゆるキャン』『ヤマノススメ』なんかで、危険だったり不快な目に遭うことはないのか?という部分を意図的に飛ばしているのと同様。
 ジョブ子が好きだった。
天才ゆえの特性や、親との関係など、深掘りでもっと魅力を増せたのではないかと思われ、そこは二期があれば?

 近未来?の先端技術と、手作りDIYも、対比という意味では少々もの足りず。
 それでも、全編通して作画クオリティは落ちなかったし、コミカルな演出も好調。
幸せーな気持ちで見終えられる作品として、価値がある。

『うる星やつら』09.「愛で殺したい/自習騒動」

 良好な作画で令和に蘇る、原作に忠実でありつつ現代風アプローチも加えた『うる星やつら』……と思われたのは、シリーズ最初の数話まで。
 現在、一定のレベルはクリアしてるが、「通常の深夜アニメ程度」に落ち着いた作画。
 原作に忠実、というより、アニメーション化する上でのプラスアルファを怠ったようなストーリーや演出。

 大きく気になったのは、7話「住めば都/生ゴミ、海へ」。
 原作でこのエピソードが入るの、こんな初期だっけ?
水着サービス回がやりたかったにしては、作画に気合が入ってないし。
 プールの妖怪、確かに原作で印象的なキャラではあったものの、登場の経緯を省いてポンと画面に放り出された「コタツネコ」「サクラの婚約者・つばめ」を差し置き(彼らはひどく薄い存在になってしまった)、一話かけてまで描くほどかは疑問。
 今回も、レイがラムに迫る際のセリフを、原作の「一生おれのために、めしを作ってくれないか」から「一生おれに、ついてきてほしい。結婚してくれ」に変更してあった。
インパクトの弱いセリフにわざわざ改悪した理由が不明。
原作は、食い意地だけで生きているレイのキャラに沿った、意味のあるものだったのに。
今時のプロポーズ文句では有り得ないため、女性視聴者に配慮?いやそれなら「男は顔が良ければ他がダメでもいい」という態度を女性キャラに取らせている方が問題じゃないか?

 原作を愛する、あるいはしっかり研究したスタッフが、全力で作るアニメになるかと思って期待した。
 どこが面白いのかよく分からないけど仕事だから作ってるアニメ、だったら悲しいなあ。
プロフィール

飛龍 乱

Author:飛龍 乱
HPはこちら。
ですが、現在HPは更新できなくなっています。

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
フリーエリア

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク