オタクのゴタク/飛龍 乱ブログ

映画『宇宙戦艦ヤマト 復活編』

 映画『宇宙戦艦ヤマト 復活編』を見る。
 『完結編』以来、26年ぶりの正統ヤマト。
この間に、西崎側は『YAMATO2520』、松本 零士側は『大YAMATO零号』を制作してはいたけれど、どちらも個人的に『ヤマト』の魂を継ぐものとは認められない、不満足な出来だった。

 で、今作。
 キャラクターデザインのラインが元のシリーズから大きく変えられており、オリジナルのファンとしては不服。
劇中に『完結編』の回想シーンが挟まれていて、描き直しなど無しでそのまま当時のキャラ絵を見せられるため、余計に違和感が強い。
 キャラクターデザイン・総作画監督の湖川友謙は、『さらば…』でも作監を務めており、その際 得意のアオリ絵を多用したりしていたけれど、絶頂期の腕があったためか『ヤマト』の世界観を壊すことなく「上手い!」と思わせられたものなのに、今は……
 確かに、今回のキャラの方がCGメカとの親和性は高いかも知れないが。
 オールドファンの拘りを余所にしても、魅力の薄い、面白味を感じ辛いデザイン・作画になっているのは残念。
見ていると、次第に馴染んでは来るけれど。

 ストーリーは、とてもじゃないが「今日的」とは言えない。
大時代がかっており、『エヴァ』も『ハルヒ』も通り過ぎた今、作られる物語とは思えず。
 また、「ヤマト至上主義」とでも言うような思想で作品が貫かれていて、地球人はともかく、さして交流のない宇宙人達まで、やたらヤマトに拘り、受け入れ、無条件で「凄いもの」と認識する。
 大艦隊を率いて戦うのに、結局はヤマトだけあれば足りてしまう…他の艦は露骨に「オマケ」扱いされてしまうのも相変わらずで、『銀河英雄伝説』を経た作品じゃないなあ。

 等々、平成の時代に、「面白い物」を見たい お客様へ、自信を持って届けられる内容ではないと感じられる。

 では個人的につまらなかったのかというと…
いや、結構 面白かった。
かなり好きだ。
『ヤマト』に今でも思い入れてる年寄りが見るには、満足度の高い映画に出来てるんじゃなかろうか。

 ズタズタにやられた戦艦の描写や、コスモパルサー発進プロセス、3Dを駆使して空間の広がりを感じさせる宇宙戦闘に、時代を経た「今」を感じられる。
全砲門を開いて攻撃するヤマトのパワフルな勇姿は、手描き作画では なかなか見られなかったもの。
 3Dモデルの都合…じゃないかと思うけど、とにかくいくら被弾しても傷さえ付かないヤマトの危機感皆無な無敵船体ぶりが、ちょっと楽しかったり。

 真田、佐渡ら、年長のヤマト乗員が取る選択に、ホロリ。
 タッチパネル操作でエンジンルームを制御する双子キャラに、徳川太助が見せる昔ながらの技術屋魂には、拍手。
 ヤマト世界では、どんなに進んだ無人メカより人の手で操作するモノの方が強い、戦いは無形で非科学的な「魂」とか「根性」の総量が多い方が勝つ。
『2520』や『零号』では割とナイガシロにされてきたこの基本概念が、きちんと理解・踏襲されているのは喜ばしい。
 六つのパーツに別れたデカい敵が出てくるので、誰にでも「あぁここで六連波動砲を使うのね」と分かり、笑ってしまう。

 地球に迫る理不尽で絶対的な危機、次々全滅させられる移民船団…この辺りの緊張感は、なかなか。
 ヤマトを見た異星の人々の心境変化は不可解だけれど、「ヤマトは宇宙一の凄い艦なんだから当たり前だ」という闇雲に「曇った」目で見れば、問題なし。
 この映画だけで完結する訳ではない、と聞いていたため、この辺りで終わるんじゃないか、キリが良いからこの辺までだろう、とつい予想してしまうのを覆し、長い長い、まだ続くまだ続く、イベントに次ぐイベント、もうグッタリするぐらい。
「絞り込んで面白く見せる」構成としては失敗していると思うが、盛り沢山のサービス精神、なんだろう。

 雪が不自然な重責を負わされていたり、子持ちだというのに無理に脱がしたり。
 娘に拒絶され、家庭内に問題を抱えている古代のドラマは、続編へと引くのかも知れないが…描き方が上手いとは思えず、余計でさえあるかなあ。
 自軍・友軍・敵将の死に際して古代の感情に余り動きが無く、盛り上がらない。
年齢を経て それだけ冷静な男になった…のかと思えば、娘のためには恐ろしく勝手な行動を取るし。

 まあ、特に『新たなる旅立ち』以降のヤマトは、全体にこういうテイストで、ツッコミ所満載な作品と化していたのだから、今更。
 平日の午後、5人ばかりしか居なかった劇場の観客は、全員(勿論 自分含め)いい歳のオジサン。
「また『ヤマト』を見たい」オジサン達の願いに応えるため作られた映画であり、どうにか応えられる内容でもあるかと。
 ただ、ファーストテレビシリーズや『さらば』の神がかった作品レベルに到達するなど、皆様の予想通り、今更 不可能。
しかし『永遠に』『完結編』と同程度ぐらいには、面白く出来ていると思う。
だから、これらが楽しめた人にしか お勧めできないし、見る必要も無いかと。
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