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『獣の奏者エリン』最終50話.「獣の奏者」

 大河ドラマ、完結。
 特に後半は、エリンを襲う運命が余りにも過酷であり、彼女が常に「死」を見据えて行動していることもあって、辛い展開が多かったけれど、それを踏まえて初めて到達できるクライマックスの有り様に、感動。
 リランとの関係を、「親子」であったり「親友」であったり、また「主従…飼い主である人と、所詮は分かり合うことなど出来ない獣」に描き、この間を常に揺れ動かして定めず、「少女の愛が種族を越えて奇跡を呼ぶ」単純な物語(そういうのも好きだけど)にしなかったのは素晴らしい。

 音無し笛、失われたエリンの指、彼女の言葉も届かず怪物然として狂乱するリランの姿と、巨大な力に蹂躙され流された人の血。
エリンとリランは、信頼とか友情という美しい概念だけで成り立つ関係ではない、という事を厳然と主張する印象的な小道具や事件が、絵空事のドラマに重いリアリティーを与える。
 エリンに襲いかかる無数の闘蛇達。
母が命を落とした状況と全く重なる、この恐ろしいシチュエイションが上手い。
 彼女が死ぬのは必然か、と思って見続けていたから…
ひと噛みで人間など両断する鋭い牙をもって、優しくエリンを咥え上げ、空へ舞い上がるリランの姿は嬉しく、胸が一杯になる。

 一年かけ、じっくり描いてきた物語があって、成り立つ最終回だったと思う。
 闘蛇を世話した経験、母との辛い別れ、ジョウンとの出会いと光に満ちた記憶、リランと共に過ごした学園生活…無駄が無く、どれが欠けても最終回のエリンは そこに居なかっただろうと思わせる。
 三ヶ月程度が多く、長くとも半年であり、一年間のシリーズを一気に放送することは希になったアニメ界の現状で、「その長さがあったから描き得た物語」を見せてくれたのは、喜び。

 王国上層部の話はちょっと薄く、エリン以外の動きが目立たない決戦の模様にも不満は残るが、「獣の奏者エリン」を語る作品だから、問題はないのかな。
 伝えたい物を持って、真面目に、しっかりと作られたアニメだった。
 母になったエリンを描く、第二期シーズンも有り得るんじゃなかろうか(原作では実際あるみたいだし)。
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「少女の愛が種族を越えて奇跡を生む」って、ナウシカですかーっ(ちょっと違うか)。各方面から怒られそうなのでこれで。

 実際、『ナウシカ』へのアンチテーゼではないか…と思える部分もあります。
 いや、真摯に独自のテーマを語っているだけであり、他の作品についてどうこう、という訳ではないのでしょうが。
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