オタクのゴタク/飛龍 乱ブログ

『仮面ライダーW』最終49話.「Eにさよなら / この街に正義の花束を」

 園咲 琉兵衛の野望は潰えた。
 色々言っていたけど、結局は「喪われた家族の再生」や「大きな犠牲を払った事に値する成果」を求め続けていた、という事なのか。
 浦沢直樹『MONSTER』の中に、「これが食卓というものだ。俺は金を儲けるためならなんでもやった。俺は…金を手に入れて何がやりたかったんだ…ただこういう食卓が欲しかっただけなのに…」というようなセリフがあるけど、最後はそういう気持ちじゃなかったろうか。
一度死に、妄執から解き放たれる事でようやくその境地に至れたのかも知れないが。

 フィリップ…来人を笑顔で見送る園咲一家に、ジーン。
 琉兵衛が試練を与えて鍛え、シュラウド・文音が陰に日向に助け、冴子が命を賭けて救った若菜が、自らの体を犠牲に甦らせた来人。
彼の幼い死をもって大きく狂い始めた家族(いや、それより前からか)は、彼の復活と、「家族よりもっと大事なものが出来て独り立ちする息子」を送り出す…それは、家族の正しいあり方じゃなかろうか…事により再生する。
 野望は潰えても、フィリップの心の中に「園咲家メモリー」を残し、彼と家族が一体化する事には成功したと言える。
 苦しい事も悲しい事もあった戦いだが、フィリップの記憶には最後に見た家族の笑顔だけが残り、それはどんな強力なガイアメモリーよりも、これから続く彼の人生を支えていってくれるのだろう。

 シリーズ全体を振り返って。
 「二人で一人のライダーになる(一人は抜け殻になってしまう)」「頭の中で検索したら何でも分かる」…設定には実感的に分かり辛い、扱いが難しそうな部分もあり、当初はどうなる事が危惧していたが、そのメリット・デメリットをきちんと示し、ドラマとして活かす事で上手く消化に成功。
最終回、一人で変身するライダーに物足りなさと寂しさを感じさせるまで、浸透させてしまった。

 熱い話、変な話、アイディアを感じる話など、バラエティーの豊かさを感じさせてくれるストーリーも素晴らしい。
 何より、静と動・熱血と冷静、両極端な主人公二人のキャラクターが素晴らしく、悩んだり傷ついたりしながらも互いを信頼し前へと進んでいこうとする姿には、何度も感動させられた。

 終盤、グダグダになって行く事が多い平成ライダーシリーズで、こんなにキレイに終わったのは珍しいような。
それは、恐ろしく複雑な設定や複数の謎など、ややこしくする構成を「取らなかった」成果でもあろう。
消化不良感ばかり残しがちな「謎」とか、もう胸焼けがしてるんで、この作り方は正解だったと思う。
 楽しい、面白い、大好きな作品になった。
 良作をありがとうございました。
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