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『フラクタル』03.「グラニッツの村」

 ああ、この作品、宮崎アニメや『ナディア』辺りをやりたいのかと思えば、いや勿論それもあろうが、『マトリックス』なのね。
 世界の大多数を占める機械文明に支配された領域に対し、それを拒絶する僅かばかり残された人間の集落がある。
圧倒的不利な状況に抵抗する手段は「武装テロ(ゲリラ活動)」であり、何も知らない一般市民(敵影響下にはある)を巻き込んで殺すことに彼らは逡巡しない。
 同型が複数登場し(儀式に参加していた方は人間?)、システムを乗っ取る行動を見せたネッサは、エージェント・スミスなのか。
自分の存在はデータ的な物なのだから、位置設定を書き換えることでドコへでも移動できるはず、と制限のない超越的発想を見せるのはネオっぽくも。
 両勢力を上手く繋ぐべく、預言者ババアやらフラクタルの設計者が登場して欲しいところ。

 今回もまた、突っ込もうと思えば果てしなく。
 一度つかまって開放されたばかりなのに、今度は「殺されるかも」と考えるクレインは不思議だけど、古い物を見るや一転、銃を構えて脅される…本当に殺される可能性が出て来たのも意に介さず はしゃぎ回り、星祭りではまた集まった人達に「助けを求めてみるか」と考える姿から、ストーリーの都合以外、「生きたキャラ」を感じるのは難しい。
 スンダは、カリスマ性があるとも頭が良いとも思えず、『未来少年コナン』ハイハーバーのオーロぐらい嫌われ者なのかと思えば、そうでもないのね。
「村の指導者の一人」なのか「良識ある人達からは煙たがられている」のか、まだしっかり描かれていないけど。
 星祭り……せいぜいで五十人ぐらいしか集まっていないよう見えた。
クレインの住む街にほとんど人が居なかったことから、世界の人口は恐ろしいぐらい減ってる?
それにしたって、せめて数百人・数千人規模でやらないと余りにも効率が悪そう。

 一番問題なのは、『コナン』ハイハーバーに当たるのだろう今回の村が、良いところにも悪いところにも…おおよそ魅力のある場所に思えなかったこと。
 宮崎監督のように、共同体幻想というか「とにかくココは素晴らしい所だ」と考えるアタマを、『フラクタル』制作者は持っていないんだろう。
ホントに『コナン』とか『ハイジ』『赤毛のアン』ぐらいからチョイと引っ張ってきたような牧歌的イメージしか示されず、ここからは「良いとも悪いとも思わない、制作者の興味のない場所」だという事しか伝わらず。
 まあ、『マトリックス』ザイオンも、ストーリーの都合以外に守るべき価値のある場所だと描けていなかったから、こちらを元ネタとするなら仕方ないのかな。

 かといってフラクタル世界を理想的に考えているとも思えず。
 突き進む現代文明を全肯定は出来ないけれど、わずらわしくもある濃密な人間関係の中で自然に囲まれて一昔前の文明レベルで暮らす事こそ正しい、とも思わない、それは今時の若い衆(自分の世代から?)の本音じゃなかろうか。
だから「嘘」は無いと感じる、でも作品としてはそれじゃ、その部分については何も語れない事になりかねない。
 そこは置いて・その果てに、他の語りたい事があるなら良いけど。

 それに比べると、今回クライマックスで見せられる銃撃戦には……作戦もなく飛び出しての攻撃で、返り討ちの死者を出し、襲撃された婆さん達も隠れようって素振りすらない不思議ドンパチではあるが、少なくとも「慣れ親しんだ『死』が軽いゲーム」ぐらいにはリアリティーや制作者の興味、面白くしようとする意志が感じられる。
 しかし…ここのところ、スンダがクレインを捕まえても何もしない、ノンビリした作風が続いたため、もしかしたら第一話でフリュネに加えられた銃撃は模擬弾やらペイント弾しか使われておらず、脅すばかりで殺傷目的じゃなかったのかな、などと考え始めていたのに、やっぱり実弾っぽいなあ。
 ここまでする連中なら、クレインを拷問して(二、三発殴るぐらいでも)情報を聞き出しそうだし、ネッサに迫りそうなもの。
 どういう雰囲気の作品にしたいのか、分裂して感じられるのは困る。
 いかにもレギュラーらしい太った三下も被弾していたし、「実は みーんな大丈夫でした」とする拍子抜けの解決法が次回、示されたり?

 グラスやバイザーを通す事で、村の皆が簡単にネッサを確認してしまう。
 ここは、どうやっても見えない・触れられない存在にしておくべきだったのでは。
それでこそネッサの孤独やクレインの価値、フラクタルと「それを受け入れない場所」の断絶が描けたろうに。
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