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『エルム街の悪夢(2010年版)』

 WOWOWで放送された映画『エルム街の悪夢(2010年版)』を見る。
 84年に公開されたウェス・クレイヴン監督の同名ホラー映画を、マイケル・ベイ製作でリメイクしたもの。
 殺人鬼・フレディが支配する夢の世界、そこで殺された人間は現実でも死んでしまう。
次々殺されていく若者達は、どうにか死の罠を逃れ、逆襲に転じようと試みるが……

 オリジナル版は、「夢で殺す」新しい・スマートな殺人アイディアと、鉄の爪を付け火傷だらけの顔をしたフレディというキャラクターの面白さ、鮮烈な夢のビジュアルに加え現実との境目を曖昧にする演出の巧さがあって、文句ない傑作だった。
 映画を見てからしばらく、毎夜 眠れない…ほどではないが、布団の中で恐ろしい夢のイメージがいくつか甦ってしまったもの。

 リメイク版。
 何よりまず、フレディに幼児性愛の特性を付けたのが嬉しくない。
生理的に不快さを感じさせたかったのかも知れないが、「ゲスな男」にしただけでスケールはグッと小さくなってしまい、ゾッとする邪悪さとも無縁に。
 ストーリーは大筋オリジナル通り。
 ただ、シリーズとしてずっと見続けてきたせいか、現実から夢に変わる瞬間の恐怖、というモノがどうも弱く感じてしまう。
もっともそれが非常に上手く描けていたのはオリジナルでも一作目のみ。
ウェス・クレイヴン監督が後に手掛けた『ザ・リアルナイトメア』でも実現できているとは言い難く、才能ある監督が絶頂期の短い間にのみ作り上げられる、奇跡のような作品だったのかも知れない。
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を押井 守以外の監督で(現在の押井監督でも)リメイクしたって、あの「夢」の感触は再現できないだろう、そういうものかな。

 特撮・CGを必要以上に「駆使せず」、あくまで現実と入り交じる映像レベルに夢の世界を捉えたのがオリジナルの優れたところ(予算・技術の都合もあったろうけど)。
二作目以降、ビジュアルが派手になるにつれ画面は特撮見本市の様相を呈し始め、怖さが無くなってしまった。
 このリメイクでも、イメージとして面白い部分は色々ありつつ、それが恐怖に直結しない…どころか「楽しさ」にさえ繋がってしまっているのが難しい。
 「死体袋に入った友達」のシーンが、美しくもショッキングでもない描き方に変えられていて、残念。
あそこ、好きなのにい。

 眠いのに眠ってはいけない苦しみ、の辺りも弱かったなあ。
 フレディの役者がロバート・イングランドから変わってしまったのも、嬉しくない(年齢的な問題はあろうが)。
つまらなさそうに事務的に殺す『13金』ジェイソンとは違い、殺人を楽しんでいる様子なのがフレディの特徴。
新しいフレディには恐ろしさも愛嬌も欠けていて、映画全体の印象まで薄くする。
 オリジナル・シリーズも、一作目以外はこれぐらいの内容だったと思え、そういう意味で酷く出来が悪いとはしないけれど、『13日の金曜日(09年版…これも製作がマイケル・ベイ)』と同様、まあ無理してまでは見る必要がないリメイク。
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