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映画『告白』

 WOWOWで放送された映画『告白』を見る。
 『下妻物語(面白かった凄く好き)』『嫌われ松子の一生(ピンと来ない)』『パコと魔法の絵本(未見)』の中島 哲也監督作品。
 原作未読。
内容について全く知らなかったので、「再生に到る感動作」か「(『どっか~ん!』が印象的なCMから)爆弾の登場する、精神をギリギリ追い詰めたサスペンス」だと思っていた。
 こういうお話だとは……

 冒頭、松たか子演じる女教師の長ゼリフで状況が少しずつ明らかになっていく構成に、感心。
 淡々と、穏やかに、丁寧に語る口調の奥から、次第に覗いてくる狂気。
 色々なキャラクターの口を借りて語られる内容により、ストーリーは多面的に進められていく。
大きく捉えて、この映画は「松たか子教師」か「壊れた男子生徒」どちらかの物語だと言えようか。
二人とも、他の人間との断絶が恐ろしいぐらいに深く、まず分かり合えない所が共通している。
 …女教師の方は、複雑怪奇なようで実は単純な男子生徒を、理解して・読んでいたみたいだけど。
理解が、そう簡単に和解や再生・感動に換わっていかないのが、この映画の一筋縄でいかないところ。

 人間の、主にダークサイドの心理に迫っていく物語は、求心力が高い。
 女教師の冒頭告白シーン最後から、特に後半、恐くて怖くてチワワのように震えっぱなし。
 松たか子コエー。
あの顔がこんなにも恐ろしく・気持ち悪く見えるとは。
『リング』貞子とか『呪怨』白塗りお母ちゃんなんて、彼女に比べたら抱きしめても良いぐらいの可愛らしさ。

 怖さに震えるのは、きっと自分の中にもこの女教師と同じ部分があるから。
ヘラヘラ過ごしている自分の、見たくなかった絶望の深淵を覗き見せられてしまう恐ろしさ。
外的脅威に襲われるより、オノレが脅威に変わりかねない可能性を感じさせられる方が怖い。
 この女教師の立場に追い込まれた時、自分ならどうするか。
娘に何かあったらそりゃもう(以下自主規制)。
 その際、外野から与えられる「そんな事をしても娘さんは喜ばない」的な紋切り型の言葉など、何の効果もないんだろうな、いや一周回ると意外に聞き飽きたそういう言葉が救いになるのか、うーん。

 独自の美学で貫かれた映像が素晴らしい。
 別にふざけたシーンでもないのに「ボヨヨ~ン」とか妙な効果音が付けられるのに、笑ってしまう。
 モロモロ含め、好き嫌いが激しく出そうな映画。
どちらにせよ、一見の価値はあると思う。
 個人的には、劇場の大スクリーンで見せられたら足が震えて帰れなくなってたかも知れないため、テレビで見て正解。
「何が怖いのよう?エンターテイメントじゃない?」と平然と語るヨメがまたコワイ。
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