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『輪るピングドラム』02.「危険な生存戦略」

 今期一番の注目作品…だろう。
 幾原 邦彦が監督するのは、1999年の 『少女革命ウテナ』劇場版以来、という事になるのか。
 病弱で先が長くない妹と、その兄二人がメインキャラ。
慎ましい暮らしぶりや兄二人の妹に寄せる愛情、楽しげな水族館の様子から、余りにも無念な妹の死に繋げ、そこから…よく分からない存在により生き返らされた妹が「生存戦略」と叫び、自宅に送りつけられた他の人には見えないペンギンと共に、兄弟は妹を生き長らえさせるため「ピングドラム」というモノを探し出すよう言い付けられる。
 …飛んだなあ、一気に。

 電波としか言い様がない内容で、飛躍が激しすぎ、普通なら「付いていけない」になる所だけど、日常生活の分かり易さとキャラクター感情の整理(一話目は、兄弟について「妹への想い」以外をカット)、異常なモノに対する「異常だ」というリアクションにより、寄せず離さず視聴者の興味を逃がさない作り方はもう、職人芸だなあ。
 ペンギンについて、どうやって家に来たのか、一般人からはどういう存在なのか、コミュニケーションは取れるのか等々、取りあえず必要な情報を説明ゼリフに頼らず見せる手際の良さ。
 妹への憑依人格については、何が何だか分からないけれど、異世界?で階段?を降りてくる際、細い腰を微妙に振って仄かなエロティシズムを醸し出す あざとさと脳髄への直撃加減で、もう「そういうものだ」と納得。
 視聴者を掴む(「遊び」を提供する)「生存戦略ー!」という意味不明ながら強烈なフレーズの作り方がまた、上手い。
何を考えてたら出てくる言葉なのかなあ、こんなの。

 ピングドラム、という言葉も意味不明。
最初、「ピンク」ドラムかと思った。
 「ピングー」ってペンギンのクレイアニメがあるけれど、そこから?
 「ドラム」は普通に楽器のことか、体積・質量単位のドラムなのか。
ドラム缶的なペンギンの体型を表す?
 やたらよく出てくる電車のモチーフに関係して、「トラム」なら分かるんだけど。
 そういえば電車と、一話目で子供達が話していた『銀河鉄道の夜』はリンクしてくるのかな。

 二話目で扱われた少女、ごく普通の女の子に見せながら、危険を冒してビルの壁を移動する「好きな男のためなら何でも出来る」行動力を発揮し、更にエスカレートしてストーカーとしか思えない事まで。
 「異常」なレベルまで溢れ出す愛の強さが、今作のテーマ?
主人公兄の妹に寄せる気持ちだって、兄妹の範囲を踏み越えるモノみたいだし。
 それは『ウテナ』でも描かれていた事ではあるか。

 幾原監督のイマジネイションは、相変わらず凄い。
「生存戦略」後の暴走しつつ生理的快感までもたらす画面作りなんて、ハリウッドの最上級クリエーターにだって類を見ない。
 『マトリックス4』とか作るなら、タマゲるような金額を提示してでもビジュアルイメージ設定に雇ってはどうか。
いや、この監督は乗らないと仕事しないタイプかな。

 世界の謎を解く手掛かりをチラチラと提示しつつ、それらが全てキレイに揃って大きな輪を成すようには「作らない」んだろうと思う。
 今作も、監督のいいように振り回されながら、楽しく見続けたい。
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