オタクのゴタク/飛龍 乱ブログ

『機動戦士ガンダムAGE』32.「裏切り者」

 前回。
いきなりガンダム搭乗者として現れ、その立場を維持するキオの親の七光りぶりに反発、他の現場叩き上げパイロット達とは違う、と批判するウットビット。
全く順当な意見で、この怒り…厳しい気持ちを理解に変えていく過程を描けば、ディーヴァにキオが受け入れられるプロセスとして十分かと期待したが…
 うーん、浅い。
 キオと共に間近で戦場に直面するウットビット、というシチュエイションから『エヴァンゲリオン』「鳴らない、電話」を連想させるのに、苦戦ぶりも死の恐怖も描き足らず、ウットビットの気持ちの変化を理解させるには物足りない。
 そもそもが、さして深刻な反発ではなく、単純な性格でもあった、ということか。

 このあたりの薄さは今回も同様。
 裏切り者は誰なのか…?もう少し引けた所だと思うが、すぐシャナルアだと判明。
「決め手がないから嘘の重要情報を与えて様子を見るフリットら」とか「シャナルアさんはそんな人じゃない!と一人庇うキオ」なんてのがあっても良いような。
 イキナリ逃亡を図るシャナルア、早い!早すぎる!
 彼女の事情と苦悩が余り伝わらないのも難点。
医療の手が緩めばすぐ死に繋がる妹との通話、逡巡するシャナルアに「妹が死ぬぞ」と迫るヴェイガン、パターンながらこういう所があると事態を立体的に把握できるんだけど、写真を見るばかりで、彼女の主観的にも、カメラを引いた客観的にも、苦しい立場の伝え方が弱い。

 逃げ出した後も、恐らくはもう死ぬしかないのだろう妹(既に生涯心配ないぐらい報酬を得ている?)よりも、行くあてのない我が身を嘆いているようで、ちょっと。
 せめて、艦内から、軍の重要作戦情報を盗み出し逃亡、それと引き替えに妹の治療費数十年分を要求。
しかしデータ引き渡しの現場に追跡してきたガンダム・キオが現れ…ぐらいの展開があると、ドラマとして盛り上がったかなあ。
 シャナルアの「肉親を失いたくない」気持ちと、キオの「行方不明の父親への思い」を(フリットの「息子への気持ち」も?)重ねられると、より深そう。

 前回、砂漠の砂をも焼き尽くすガンダム新武装の威力は壮絶で、なかなか楽しげだった。
 今回は登場もしない一人欠けた「黒い三連星」、顔見せだけの「仮面ランバ・ラル?」に、半壊モビルスーツに仕掛けた爆弾で何事か計画する露骨にジャブロー潜入時の「シャア」っぽくなったゼハート。
初代のキャラ配置で理解できるのは、分かり易くて良いと言えば良いか。
 アセム編で亡くなったウルフは惜しいキャラ…だと思ったけど、キオ編で登場したセリックがほぼ同様のキャラクターなので問題なし。
問題なさ過ぎ。
頼れるアニキが欲しいのかも知れないが、ハッキリ差異を演出してこそウルフ、セリック、両方のキャラが活きるような。
当初、セリックを「優秀だが恐ろしくイヤな奴」に描くとか。
 無能艦長、何となく居るだけになってしまい、戦いの足を引っ張るでも成長を見せるでもないのは残念。
女同士として、今回のシャナルア事件への対応で、何か核のようなモノを示せたかと思うのに。
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この記事のコメント

結局、キオ編も始めの3話だけでしたね。
ある意味このお話を構成してる人って天才ですよ。
面白くなりそうな要素をワザと排除してる様にしか見えませんもん。
例えば、道を歩いていて分岐に差し掛かり左右どっちに行こうかと思った時に、進んで険しい道を選ぶ勇気っ!
なかなか出来ませんよう、常人には。
問題はそれを理解出来る人が、そうはいないって事ですかねぇ。
面白いと感じるベクトルが、どうも大多数の人とチョッと違うんじゃないですかね。
あとそのチョッと違う分を修正なり、アドヴァイスをしてくれる人がいない悲劇ですか。
本来、監督さんなりPが色々と手助けしなきゃならないのに、お話を考えてる人に一任してる。
物書き素人の社長さんに任せっきりで非常にケシカランですな、職務怠慢です。
偉い人は何をしてるんでしょうか?
残り二十数話、まだ全部は終わってないでしょうから今からでも修正が出来るプロの方を呼んで、調整して貰う方がみんな幸せになれると思いますが。どうですかね。
2012-05-22 Tue 22:49 | URL | u12 #-[ 編集]
> 本来、監督さんなりPが色々と手助けしなきゃならないのに、お話を考えてる人に一任してる。
> 物書き素人の社長さんに任せっきりで非常にケシカランですな、職務怠慢です。

 実際の制作環境はどうだったのか、アニメ放送中…は、なかなか難しいでしょうから、終了後にでもスタッフどなたか赤裸々に語ってくれると良いですね。
2012-06-14 Thu 23:12 | URL | 飛龍 乱 #-[ 編集]

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