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映画『トロン』『トロン:レガシー』

 WOWOWで放送された映画『トロン』『トロン:レガシー』を見る。

 1982年のオリジナル『トロン』。
 公開当時、劇場で見たはずだけど、「CGのバイクがワイヤーフレームの床を走っていく」シーン以外、ほとんど憶えていない。
 どうしてこんなに記憶がオボロなのか…という疑問は、再見して氷解。
「ある程度はコンピューターに関する知識がある事を前提として作られている物語」だから。
 この当時、コンピューターに対して持っていた正確な知識と言えば、「人間の次の行動をも先読みする万能計算能力を持つ」「うかうかしてると不合理で愚か な人間に反逆し自らの支配下に置こうとする怖い機械」ぐらいのもので、映画に描かれた「PC内世界の具現化」なんて、何のこっちゃ。
 そんなに難しい事を描いている訳ではなく、今見れば、世界の提示や会話情報など、特に分かりにくい部分も無いのだが。

 ストーリーとしては、ファンタジー物によくある「異世界へ行って魔王を倒し戻ってくる」パターンそのもの。
ここは、ありふれ過ぎていてオリジナリティーを打ち出そうとする工夫に乏しく、危機感も葛藤も驚くほど弱いため、まるで印象に残らない。
 最後の戦いは何がどうしてどうなったのかよく分からないけど、「主人公が勝った」事だけ見て取れば問題ないんだろう。
 人体に光るマーキングを施し、ほぼ同じデザインのコスチュームを着せ無機質さを強調したのは良いとして、時々誰が誰か分からなくなるのは困りもの。
主人公は居るだけでキャラが薄く、なのにPC内キャラには突然設定が付加されたりするのも宜しくない。

 CGが売りの作品だったけれど、そこに留まらず、物語やキャラクターに面白味があれば、猿の特殊メイクのみに頼った訳ではない『猿の惑星』の如く歴史の風雪に耐えたかも…
 実際は、忘れ去られても仕方ない映画。


 『トロン:レガシー』。
 前作のリメイクでもニュー・ビギニングでもなく、続編。
 余りにも時間が空きすぎているし、「誰でも知っている内容」ではないため、これは不親切だなあ。
 もっとも、世界観やキャラの一部が重なっている、という所を除けば、この映画だけでもほぼ理解できる内容じゃなかろうか。
これで分からないなら、前作を見てもやっぱり分からないと思う。

 画面への凝り方はなかなかのもの。
CG技術の進歩を実感できる。
 前作に出て来たメカを考察し、新設定を咥え、説得力ある映像で有用に使って見せてくれるのは嬉しい。
鳥居型飛行メカは、なるほどこうやって着地し、ああやって乗員を降ろすのかあ、とか。
 床にラインを引き合うバイクバトルも、フリスビー対戦も、画面的にケタ違いのパワーアップ。
反則気味のやり方で勝ったり逃亡を図る主人公が、プログラムの枠にハマっていないようで楽しい。
 前作では「生活感を排除する事で機械的世界を表現」していたのに対し、新作は「汚しを入れ現実に近付ける事で絵空事の機械的CG世界にリアリティーを出そうとしている」という、真逆のアプローチが面白い。

 ヒロイン、外見や戦闘能力は魅力的なんだけど、あまりにフツーの女性然としているのが不満。
人ではない、欠けた部分を感じさせる方がキャラクターを深めたと思う。
 主人公と父親の関係など、葛藤を予感させながら、実際はごく薄い描かれ方。
 前作に倣い、なのか、最後の辺りは分かったような分からんような。

 まあ、「CGだけが売り」だったオリジナル『トロン』の続編として、意外なストーリー展開や感動を求めるのは間違っており、CG技術がどれだけ進歩したかの提示や画面構成・メカへの凝り方など、「期待」には応える映画だったと思う。
 でもこれも、数年後にはすっかり忘れていそう。
 また十数年後、今作主人公の息子でも中心に据え、次世代のCG見本市として映画化が企画されるかも知れないなあ。
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