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『這いよれ!ニャル子さん』最終12話.「夢見るままに待ちいたり」

 ニャル子ら含み人影が全く見えなくなった街を、真尋が彷徨う不安感を表すのに、友人に向け掛けた電話が公衆電話のベルを鳴らし続ける『うる星2・ビューティフル・ドリーマー』の不条理イメージが使われており、ちょっと懐かしい気分。
 こういう、パロディーというか引用というのか、見覚えのあるシーン、聞き覚えのあるセリフを頻出させるのが、このアニメの特徴だった。
使い所が絶妙だったり元の意味を引っ繰り返したり、そういった「上手い!」と思わせるパロディーは余り多く感じられなかったけれど、独特の雰囲気は作り上げられていたと思う。

 クトゥルー…宇宙人であるニャル子の特異性、人間との差異がほぼ全く感じられなかったのが惜しい。
変身したり超能力を発揮したり、バトル方面では勿論、人間では有り得ないところを見せてくれたが、作品の大部分を占める普段の生活・真尋との関係性においては「普通か、普通以上に一途な女の子」としての側面しか描かれなかったので。
 真尋視点からでも、「外見・性格共に可愛いニャル子だが、ココが自分達と大きく異なっており、だからその愛情を受け入れるのに抵抗がある」といった部分を彫り込んで欲しかった。
 前も書いたけど、ニャル子は『イカ娘』ほども人間との違いを感じられず、だから真尋がどうしてそんなに彼女を拒むのか実感的に理解できなくて。
 真尋は「顔が可愛いだけ」で男の子としての魅力が無く、ニャル子が彼のドコにそこまで惚れ込んだのかもよく分からないため、彼女の魅力まで下げてしまう。
それでも、ニャル子に対し暴力的なリアクションを返すところさえ無ければ、「ニャル子が好意を寄せる対象」とだけ捉え、感情移入できた可能性はあるが。

 中身が入れ替わってしまうエピソードで、真尋に入ったニャル子がトイレで一人、「深夜アニメとはいえ放送に適さない行為」に及んだらしく、満足した表情と言動を表していたのが可笑しかった。
こういうパターンでは、意外と純情なところを見せ、何も出来なかったりするものだけど、容赦ないなあ(笑)。
 細かいことを考えず、力を抜いてダラッと見るには悪くないアニメ。
 見た人から、ニャル子、あるいは他のキャラ誰かに対して好意的な反応を引き出せたなら、成功だと言える作品じゃなかろうか。
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>>中身が入れ替わってしまうエピソードで―

真尋とニャル子、性別的には男女が逆なら真尋の行動も理解できるかも。
殆ど見ず知らずの男が、いきなり自分の事好きだからって迫ってきて、やれ結婚してくれ子供を生んでくれって言われたら普通ドン引きでしょ。
そら貞操の危機なんだから自衛としてあの位の武装は許されるw

> クトゥルー…宇宙人であるニャル子の特異性、人間との差異がほぼ全く感じられなかったのが惜しい。
>それは根本的に、この作品(原作)の趣旨を誤解しています。


そもそもこの作品は、「人間的価値観が全く通用しない異種族や神々が跋扈するクトゥルフ神話」という前提の上で、「その神々(のモデルになった異星人)が、地球の日常的なこととなんら変わりが無いことばかりしている」という、「クトゥルフ神話のパロディ」がまず基本にあります。

ヒロインからして、視聴者(読者に)本来の邪神ニャルラトホテプの知識が十分ある前提の上で、「そのモデルになった異星人は実はこんなのでした」というパロディをやっている。
元ネタが異質な存在なのを日常レベルにしてしまうというパロディが基本的な趣旨なので、「ニャル子達に異質さが無い」という指摘は実は全くの的外れです。
各エピソードのオチも、元のクトゥルフ神話が「宇宙的・人知を超えた規模の脅威」というのが多いのを、「極めて馬鹿馬鹿しく世俗的な理由で危機が起こっている」という風にパロディ化している。

そしてこの作品の弱点ですが、視聴者(読者)にクトトゥルフ神話の基本的素養が無いと、この最も根本的なパロディが全く伝わらない。
またアニメ版の感想を見ていると、クトゥルフ神話ネタ以外にも「パロディの元ネタがわからない」「そもそもパロディをやっていること自体が理解できない」という自体が多発。予想外だったのは、主力ネタのひとつであるクウガ以降の仮面ライダーネタも全く通じない人が多数いたこと。アニメファンって意外と特撮系を見ていなかったのだと。

だからこの作品って、本来は対象層はものすごく狭い。

元ネタのニャルラトホテプは、人間的な人格を持たないクトゥルフ神話の神々で例外的に人間人格を持っているが、邪悪で人間たちを弄び破滅に導く事を楽しみにしていて、また他の神々のエージェントとして活動しており、無数の化身を持っていて、その一方で地球の夢の国(幻夢郷)の守護者でもある…

というぐらいの基礎知識と、さらにニャルラトホテプが出てくる作品(といってもクトゥルフ系でニャルラトホテプが黒幕というはやたらある)もいくつか読んでいるぐらいを前提として、そのパロディとしてニャル子が描かれているわけでして(変身能力を持ち、主人公につきまとい平穏な日常をかき乱す、仕事に不真面目な地球幻夢郷保護担当の宇宙公務員)。この時点で実は、もの凄くこの作品を愉しむためのハードルが高い。

Re: タイトルなし

> 殆ど見ず知らずの男が、いきなり自分の事好きだからって迫ってきて、やれ結婚してくれ子供を生んでくれって言われたら普通ドン引きでしょ。

 出産まで行くと、男より女性の方が遙かに高いリスクを負うので難しくなりますけど…
その相手が超絶美少年で優れた能力を持ち、一途に自分のことだけを思ってくるなら、気持ちが傾くこともあると思いますよ。
 女性向け作品では、そういうパターンもあるんじゃないでしょうか。

Re: タイトルなし

> 元ネタが異質な存在なのを日常レベルにしてしまうというパロディが基本的な趣旨なので、「ニャル子達に異質さが無い」という指摘は実は全くの的外れです。

 なるほど、そうかも知れません。
クトゥルーに深く思い入れている方の視点では書いていませんでした。
原作…ではなくクトゥルーの小説、何本か読んだと思うのですが、昔のことでもあり、記憶はかなりオボロですし。
 ただ、原典からのギャップで笑わせる、面白さを感じさせるのは、そう長く続かないと思うんですよ。
ぼくも最初は「クトゥルーだってのに美少女でドタバタ」というところに笑いましたが、余程の原典好きでなければ、その部分に感じる面白味は話数が進むごとに薄まってしまいます。
 ラブコメやパロディーが、それだけで見続けられるぐらい出来ているなら良いのですが、個人的にはそこまででなく。
 それなら、クトゥルー(星人)である原典に引っ掛けた特異性を設けて、そこを面白さに繋げることは出来なかったかなあ、と思いまして。
たまに侵略者であることを思い出す『イカ娘』や、僅かにヒーロー・悪の組織である部分を持つ『サンレッド』ぐらいには。

> だからこの作品って、本来は対象層はものすごく狭い。

 ごく狭い層を狙い、その方達には物凄く魅力のある作品作りをする、というのも充分にアリだと思います。
このアニメは、そうなり得ているんですね、なら、制作意図に即しては文句なく成功でしょう。

>>その相手が超絶美少年で優れた能力を持ち、一途に自分のことだけを思ってくるなら、気持ちが傾くこともあると思いますよ。

相手が邪神って知らなければありかも。
しかしながら、真尋はニャル子が邪神って知ってますからね。
本能レベルで畏れに対する拒絶があるのでしょうw

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