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オタクのゴタク/飛龍 乱ブログ

『ULTRASEVEN X』03.「HOPELESS」

 セブンに限らず、ウルトラシリーズには、時折ギョッとするほどダークな話が入るけれど、ここまでブラックなのは珍しい。
 深夜枠だからこそ、放送可能になった内容だろうか。

 「宇宙人の侵略に協力する地球人」という図式その物は、割と良くある。
しかしそれは大抵「悪辣な宇宙人に騙された」からで、たまに「絶望や怒りから同じ地球人を憎むようになっている」キャラも居たが、さすがに「お金のために地球を(自分の寿命も)売り渡して何か問題でも?」とまで開き直った、虚無的な人間は出てこなかったような。
 長いシリーズ中には、不況の時期もあったし、生活に困窮した人間も出て来たと思うけど、こんなにアッケラカンと何も無い自分を見せてしまう登場キャラや、それに「罰したり希望を持たせて終わる」事をしない(出来ない)制作スタッフには、覚えがない。

 確かに、生きることに汲汲としている状況下で、何もしてくれない国や星に対し愛情・忠誠心を持て、といっても難しい。
リストラされる寸前の会社に対し、無償の愛社精神を持つべし、と要求するようなもので。
 今日一日の暮らしを無事送れない人間に、明日のことなど考えられるはず無く。
 しかも、「武器を渡すから地球人に対するテロ行動を起こせ」というようなハードルの高い要請でなく、余り実感できない形で地球侵略(武器製作)に協力するのだから、抵抗も少ない。
 「寿命を1年削る換わり、一千万円渡す」という条件提示があった場合、自分も考えてしまいそう。
「その寿命分のエネルギーは侵略に使う」なんて説明は、その際、どーでもいい些細なことだろう。

 悪いコトしにやってきた(仕事として請け負った)宇宙人と、仕事として それに協力した地球人の裏切り者、どう違い、どちらが重罪か。
 宇宙人なら断罪できるが、裏切った地球人は勿論、そもそもの依頼をしたという地球人について追求さえ出来ないのだろうセブンは、果たして公平な存在か。
宇宙人がクライアントの秘密を守ったから良いようなモノの、黒幕の地球人について喋っていたら、セブンはどうしたのだろう?(聞きたくなかったから、喋る前に殺したようにも見える)

 ひどく重いところに斬り込んだ、問題作だった。
 この一話があり得ただけでも、『ULTRASEVEN X』は存在する価値がある、と思う。
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