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『機動戦士ガンダムAGE』47.「青い星 散りゆく命」

 『鉄人28号』に出て来たモンスターのような、世界観の違いを感じるMSに乗って出撃してきたゴドム。
大丈夫か?と思うデザインとは裏腹に、強い強い。
 今回、猪突猛進型であるこのMSの利点と欠点が描かれ、それを正確に見抜いたセリックにより適切な対応が取られていて、考えた跡が嬉しい。
 アセムが目指していたはずの「スーパーパイロット」こそ、こういうものであって欲しかったかな。
超越的パワーに頼らず、機体性能にも過剰に寄りかからず、鍛えた操縦技量と長年の戦闘経験で培われた目・判断力により、旧人類であろうともXラウンダーと変わらず、いやそれ以上の戦果を上げることが出来る、といったような。

 セリックの健闘は、見応えのあるものだった。
…が、所謂「死亡フラグ」の呪縛からは逃れられず。
 行動不能に陥った機体が、母艦による起死回生の攻撃を阻害してしまう。
妙なところに機体が引っ掛かったなあ…は良いとして。
 キオ、バーストモードを使えばサアッと助けに行けたのでは?
他の人達はMSパイロットまで事態を把握していたっぽいのに、キオだけ知らされていない様子なのは何故?
 キオが持つ「不殺」の理想と、厳しい現実を対比させるチャンスだったのでは。
セリックの元に駆けつけようとするキオだが、AGEの前にディーンのMSが立ち塞がる。
猛攻にAGEは動きが取れず、しかし超高速で動き回るディーンの機体にはピンポイント攻撃が難しく、コックピット直撃の恐れがあって身がすくんでしまう…とか。
 セリックを死亡させ一段落したところで、次はディーンのエピソード、といった描き方では効果が薄い。

 ナトーラ艦長とセリックの会話が泣かせる。
恋にまでも発展することはなかった二人の関係だが、ナトーラは彼を忘れることはないんだろうな。
 恐ろしく辛い決断を迫られる局面、ここでこそフリットが出て来て欲しいモノ。
艦長に代わり砲撃命令を出し、死刑を執行するようなその発射スイッチまで自ら押し、艦内の嫌悪感や憎しみを全て引き受けて。
「これが戦争だ!」「キオ!お前の甘さがセリックを死なせたのだ!目を覚ませ!」「私も…自分の弱さで大事な人達を殺してしまった、だから、もう躊躇わない!」
 それは、ディーンを殺されたことで逆上し、怒りのままにザナルドの命を奪おうとしたキオの気持ちと直結し、キオによる祖父への理解と、復讐の塊となって振るう力の恐ろしさ、ギリギリで攻撃を思い留まる理性、それらを深くしたと思うのに。

 物語として必要だったのは分かるけど、フォトンブラスターがディーヴァにしか搭載されていないのが不思議。
ディーヴァって、現連邦の中ではさして重要視されていない戦艦だったような(AGEシステムを重用しないのと同じく、連邦の無能さか)。
 月面基地攻略の脅迫材料にしたミサイル?があったはずなので、それを一斉発射し、一発でも要塞に当たれば足りそう。
 要塞前面にバリヤーが展開されているとか、砲撃以外の時は要塞が透明化しているとか、それに対応した攻略法を考えられる戦場にすると良かったかなあ。

 ディーン、戦う背景が弱すぎる。
彼の家に尋ねてきていたのが連邦ガンダムのパイロットだと周囲に知られる→内通者の嫌疑を掛けられる→自分だけならともかく、妹を裏切り者呼ばわりするのは許さない→ガンダムを撃墜しない限りセカンドムーンに帰らない・帰れない
戦時中だし、このぐらい追い詰めても良かったろうか。
 さして強くもなく、キオと少々お話ししただけで背後からザナルドに撃たれ、死亡するディーン。
…存在感が薄いなあ。
 洗脳され、記憶を書き換えられてキオを憎悪し、改造XラウンダーとしてAGEを苦しめる、ぐらいのことはやって欲しかったけど、もう話数がないのか。
 まだ消化しなければならないエピソードやキャラクターが詰まっているだろうから。
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非公開コメント

 >>まだ消化しなければならないエピソードやキャラクターが詰まっているだろうから。

やはりここに来て尺不足が浮上しそう。
テストパイロット(名前も忘れた)の話はどう考えても蛇足としか言い様がなかった。
ディーンやら三連星のリーダーやら殺されるだけに出されるのはどうかと。
ザナルドがしぶといw
イゼルカントはゼハートに一任したのにその命令に従わない。
これって謀反じゃね?
普通に考えても重大な軍機違反。
今回戦死したセリックと前回、囮に釣られて死んだデレクとじゃブリッジの扱いがあまりにも違い過ぎ。
そら隊長と部下の違いだけどさ、ディーバでのMSパイロットってそんなにいないんだから。
キオの不殺行為が虚しい。
前回、目の前で連邦軍が大勢殺されたのには然程反応しないで(デレクも死んでんで)、今回ザナルドにディーンが殺されたのには怒髪天を突く勢い。
結局、近しい人間が殺されたちゃうと怒りの感情に任せて不殺なんて何処へやら。
全然関係ないけど、死刑廃止論者とダブる。

実際ゲーム版をプレイしているときにはココら辺の展開はイベントとバトルの連続なのであまりきにはならなかった印象です。
またセリックさんをはじめとするアビス隊の面々やディーバクルーもゲーム版ではキオとの交流が多くなっているので。
またEXA-DBと対となっているAGEシステムも所謂武器や防具屋の役割なのでアニメよりもウェアや武器は豊富。

Re: タイトルなし

> テストパイロット(名前も忘れた)の話はどう考えても蛇足としか言い様がなかった。

 忘れますよね、ぼくも忘れてしまいました。
 彼女も、シャナルアも、ウェンディやユノアも、どうせ出したならもっと有効に使うべきだったと思います…これじゃ可哀想だ。

> ザナルドがしぶといw

 彼も、最期は凄まじく呆気ない、無意味で可哀想な片付けられ方でしたね。
長く生き残らせたのですから、格好良く、あるいは恐ろしくみっともなく印象的に終わらせてやって欲しかったです。

> 前回、目の前で連邦軍が大勢殺されたのには然程反応しないで(デレクも死んでんで)、今回ザナルドにディーンが殺されたのには怒髪天を突く勢い。
> 結局、近しい人間が殺されたちゃうと怒りの感情に任せて不殺なんて何処へやら。

 まあ、確かに人間そういう(ダメな)ものですけどね。
その矛盾を問い詰めるキャラクターは居ず、キオの真価を問う物語に出来ていなかったのが残念です。

Re: タイトルなし

> 実際ゲーム版をプレイしているときにはココら辺の展開はイベントとバトルの連続なのであまりきにはならなかった印象です。

 ゲームをプレイしているのが凄いですね、ぼくはなかなか気力が湧かず…
 METHIEさんの紹介文が良いのか、読んでいると「ちょっと遊んでみたい」気にはなるんですけど。

>METHIEさんの紹介文が良いのか、読んでいると「ちょっと遊んでみたい」気にはなるんですけど。
ゲームとアニメの最大の違いはフリット編アセム編ともに良改変されていて、日野晃博社長の作風をまったく理解していないサンライズスタッフにも問題があるのではないか?というのが僕の考え。
アニメで3~4話かける話を30分から一時間ぐらいの体感時間でサクサク進める。
そのため長かったジラードスプリガン戦も30分で終わる、プレイ時間は20時間程度で終わる。
またシャナルアさんの妹に治療費を入金するフリットなど、丁寧にキャラクターを描いている。
ガンガンスーパーロボット風に描かれたガンダムが必殺技をバンバン出すゲーム内容。
イナズマイレブンやダンボール戦機で出来ていることがまったくアニメガンダムAGEスタッフだと出来ていない。
調べてみると監督の経歴がケロロ軍曹の劇場版程度しかやったことのない上に副シリーズ構成である兵藤一歩も他のレベル5作品に比べると一年アニメを手がけたことがない。
要するにサンライズやバンダイがなぜレベル5作品が子供たちに受けているかまったく調べないで作っていたのが一番の問題。

>日野晃博社長の作風をまったく理解していないサンライズスタッフにも問題があるのではないか?というのが僕の考え。

日野社長も正式なAGEのスタッフの一人なので、そもそも分けて責任を追及するような
考え方自体何か違うと思います。
理解云々に関しても理解出来ない側にも理解させられない側にも責任がありますしね。

あとイナイレやダン戦がウケた理由が云々に関しては、ガンダムで同じ事をやれば良いとは
思えませんし、実際"日野社長も含めた"スタッフ全体がそう考えた結果がAGEでしょうから
サンライズやバンダイにだけ責任転嫁するのはやはり違うと思いますよ。

確かに日野晃博社長脚本は滅茶苦茶なことで定評があり、
イナズマイレブンだと宇宙人だと思ったら地球人だったとか、八百長を強要する大人
ダンボール戦機だと人格者扱いされている主人公の父親が全ての原因だったりとかガンダムAGE以上に滅茶苦茶なことです。
では子供たちになぜ人気があるのかというと、
子供の夢や希望を描くのが得意で、プリミティブで派手な展開が得意からです。
今ダンボール戦機Wをやっていますが、実際ゲームは物凄く楽しい、アニメもそれを反映させている。
www.nicovideo.jp/watch/sm18873022
アニメで叩かれていたタイタスの活躍がきちんと描かれている。
序盤からリアリティに縛られていてつまらないなぁと思っていたら。

randal.blog91.fc2.com/blog-entry-2014.htm
>lあるシナリオ会議では、「兵器や戦争をリアルに描かないといけない」という議論になり、また別のシナリオ会議では「もっとぶっ飛んだスーパーロボットにしよう」という意見もあり、それが週替わりに交錯する。スタッフの方はもちろん、ファンの方も見てきたガンダムや経験が異なりますから、イメージするものも違ってくるんですね。

と本人も言っていたので結果として中途半端に子供向けな内容になってしまったと。
また大ヒットしたイナズマイレブンですらゲーム側とアニメ側の人間両方から「どうして向こうに合わせないといけないのか」という意見が出たそうで。
要するに
・本来子供向けに特化しているのに中高生向けを描いて日野晃博社長の作風にも問題があった
・seedや00と同じような売り方をしたバンダイとサンライズにも問題があった
言ってみればマイケル・ベイに恋愛映画をやらせたようなもの。
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