オタクのゴタク/飛龍 乱ブログ

映画『風立ちぬ』

 映画『風立ちぬ』を見る。
 言うまでもなく宮﨑 駿監督の最新作。
 「零戦を作った男」を描く『プロジェクトX』ではなく、モデルとなった堀越二郎の人生を綴る伝記映画…でもない。
虚実入り交じった、大人のファンタジーとでも言うべき体裁。

 実に淡々とした内容で、失敗を続ける戦闘機開発が転機を迎える「これだ!」の発想シーンとか無いし、浮世離れした主人公が見せるのは「凡人が努力で成功をつかむ物語」でもない。
 大震災に見舞われ、経済的にも貧しい日本が、這い上がろうと懸命に努力している、現代にも不思議と通じる、その時代を描いたものなのかな。
 お腹を空かせた子供達に、主人公がシベリア(懐かしい~)を渡そうとするシーン。
知らない大人への警戒心もあったろうが、理由もないホドコシは受け取らない、子供ながらの矜持(日本人の誇り)を感じられ、印象深い。
 開発した戦闘機がバタバタと敵機を撃墜する様子を見せれば、そりゃあ映画的カタルシスは強くなったろうけど、監督が作品に込めたテーマから外れてしまう。

 これまでの映画に無いほど「泣かせる」要素が強いのは意外。
 ベタといえばベタな筋なんだけど、分かり易い。
 泣きのエンターテインメントとしては最高だろうポイントを外して・ワザと描いていないのは、零戦大活躍を見せないのと同じ理由か。
 それでも、泣いた。
ヒロインの可愛らしさ、健気さ、それを全部受け止める(彼女に受け止めてももらっている)主人公の嬉しさ、この辺は素直に胸を打たれてしまう。

 子供に楽しめる要素は果てしなくゼロに近いし、面白い!と単純に言える内容かどうかも分からない。
 でも、破綻なく、ストーリーの失速もなく、しっかりとまとめ上げられた、宮﨑 駿監督作品ならではのズシリとした手応えを感じられる、力作。
 見て良かった。
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