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映画『藁の楯』

 地上波で放送された映画『藁の楯』を見る。
 予告編を見て、なんか面白そうな題材だなあ、と思った以外、監督が三池崇史だということも知らない状態で鑑賞。

 いや、結構楽しめた。
特にテレビで見る分には、さして文句のない出来。
 最初の方で非常に有効だと描かれた防弾チョッキを主人公以外着ないとか、危険だと分かっているはずの清丸に油断しまくりの「有能」SPたち、余りにもあんまりな蜷川との対面シーン等々、そりゃ問題は多いけど。
ハリウッド大作アクション映画でも、これぐらいトボケたリアリティーレベルの作品は少なくなく、まあ日本映画としては頑張ってる。
 「藤原竜也が悪役を演じている」という以外、受け取れない清丸は、さすがにキャスティングに問題を感じてしまうが。
しかし、いかにもなブサイク異常者顔の役者を使った場合、リアルにはなっても集客に悪影響が出てしまう恐れがあって、難しい所。

 これは「みんな大事な何かを失ってしまう物語」なのね。
 主人公の妻が最後に残した言葉について、こういう真相は余り見た覚えがなく、頭にガツンとくる。
亡くした者の意思を正反対に受け取る主人公と蜷川の対決は、そういう意味では面白かった。
もう一押しあると、説得力が増したかなあ…でも「蜷川が亡き孫の幻を見る」なんてことやっちゃ、台無しだし。

 緊迫感のある前半に比べ、後半はテーマに流れ、弛緩してしまったような印象。
「面白い」だけで終わらせられれば、エンターテインメントとして完成度を上げられたかと思うけれど、ここいらが日本人の生真面目な所か(三池監督ではあっても)。
 タクシー運転手を演じた余 貴美子の、金に人生を流されない気骨ある有り様は、清々しい。
フッと消してしまうにはもったいないキャラクター…それだけに、居続けさせたらテーマも何も全部一人で喋ってしまう恐れがあったのかな。
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