オタクのゴタク/飛龍 乱ブログ

映画『めめめのくらげ』

 衛星で放送された映画『めめめのくらげ』を見る。
 アーティストの村上隆原案・監督による実写作品。
 評価を耳にすることさえ無いぐらいマイナーな映画で、つまらなかったら途中でも視聴を終えようと思いつつの鑑賞。
 が、最後まで見た。

 傷を乗り越える少年の成長、少女との淡い恋、不思議な存在と結ぶ友情、陰謀によるサスペンス、CGを駆使したアクション…雑多な要素をギュッと詰め込んでいるが、全部中途半端。
 特に最初の三つ、震災による父親の死を心に重く抱える少年がそれを克服する過程、なんてのはほとんど無く、淡い恋も淡すぎて食い足りず(女の子の可愛いさに凄く助けられているが)。
何より、不思議な存在・くらげ坊と主人公の間に通り一遍の交流しか無く、それがクライマックスやラストを「都合」ばかり感じさせるものにしてしまっている。

 黒ずくめの四人組は、最初、何かのギャグかと思った。
目的や、持っているオーバーテクノロジーの根拠が分からず、言動・行動の馬鹿馬鹿しさから悪役としても不足。
 新興宗教に狂っているヒロインの母親は、どうにもならない現実を表す存在としてリアル。
大学を指して悪の総本山であるかのように叫び続ける様子は常軌を逸しているが、実はその通りである所なんて面白い。
ただ、異常であるにしては母親の娘への干渉が弱く、クライマックスにも絡んでこないし、母親の変化が描かれないなど、出しただけで扱い切れていない印象。
 恐ろしくスペックの高い少年…一人だけ美少女フィギュア的キャラクターを用いていることからも監督自身を表す?…により、困難がアッサリ解決してしまう。
「少年の日の思い出」にして良かったような。
これじゃ精神的成長もままならない。
不思議キャラクターを創造する立場の監督としては、それらと別れて欲しくなかったのか。

 これら様々な疑問も中途半端も全て、エンドテロップ後に付けられた『2』予告編に繋げるため!だと思われるのがオドロキ。
うううーん、「凄く面白かったから続きが見たい」と観客に感じさせたならともかく、「もやもやするでしょう、それは次作で解消するんですよ」といった作りには感心しない。
 実際、興業成績は悪かったようで、続編の制作はかなり困難かと。

 文句ばかり書いたけど、『E.T.』か『のび太の恐竜』みたいにするつもりだろうと侮っていた所、転入したクラスの全員が不思議存在を伴っている展開には意表を突かれた。
 CGはかなり頑張っていて、実写との合成に違和感が無い。
ラストバトルもそれなりの迫力…ちょっと『大日本人』を思い出したけど。
 ツリ目のヒロインが可愛くて、惹かれる。
彼女の孤独、絶望、ふれんどと出会って救われる過程など、もっとちゃんとした形で見てみたい。
 後半部、ハア?誰これ?何それ?どうしてそうなる?の連続ながら展開は早く、飽きる隙が無い。
 きちんと出来上がった価値ある映画を求める人は見ない方が良い、しかし、未完成さやダメ加減も楽しむ余裕があるなら、眺めてみるのも一興。
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