オタクのゴタク/飛龍 乱ブログ

『結城友奈は勇者である』最終12話.「貴方に微笑む」

 特にフィクションでは、キャラクターが何か能力を発揮する際、「ただ叫ぶだけで凄いパワーが無尽蔵に湧いてくる」だと、ご都合主義に思われ、説得力を欠いてしまう。
「血筋や他者からの力の継承がある」「そうなっても良いと視聴者に思わせるだけの辛い特訓に主人公は耐えてきた」といった物語的理由付けが必要。
 昨今は、ストレートに「力を使う代償」を設定する作品も…『DARKER THAN BLACK』やドラマ『SPEC』など。
いや、力を放出しすぎるとお腹が空く、老化する、なんて設定は昔からか。

 このアニメでは、最強の満開モード発動に伴い、少女たちの体機能が一つ、失われてしまう。
 なかなかキツい設定で、失われる部位やその数によるけど、物語としては死んでしまった方がダメージ軽いぐらい、かも。
 大切な人の体や思い出が失われるなら、いっそみんな一緒に、ひと思いに、キレイなまま死んでしまおう、という東郷の考え方は、まだ若く・純粋で・失うことに慣れていない少女のそれとして、理解できる。
 世界の現状を思えば、大赦が憎まれ役となり、もっと説得や脅迫をしてでも感情の整理を付けて上げるべきなんだろうけど、この作品で大人達は優しくて理解があり少女らを追い詰めようとしない。
…大人の存在感がほとんど無い、とも言えるか。

 作品で描いていたのは、現代的「戦争」だったのだと思う。
 国のため、無辜の人々のため、ましてや正義のためには、命を(大事な体の欠損を)賭けて戦えない。
部活ぐらいまで身近な、手が届く範囲の友達のため(家族や部活外の友達、恋人などがほぼ居ないため)、ようやく戦うべき理由を見いだすことが出来る…という考え方か。
 舞台の途中で友奈が倒れ、部の全員が駆け寄ることで演劇としては台無しになった…と思うのに、観客から拍手を浴びてしまうこの「部活内だけで閉じた」描き方が何とも。

 感情を入れて見ていたこともあり、救いのあるエピローグは嬉しいが、突然には感じてしまう。
もっと広がる作品のようだし、まだ続編(次世代?)があるかも知れず、全てをここで説明することもない…ということ?
 「決して死なない戦い」なんてものを実現できるのは、戦いが八百長の場合のみ…と考えると、神樹が、世界の壊滅・バーテックスの存在まで含む全ての黒幕じゃなかろうか。
信仰を試すため、親に、何より大切な我が子を生け贄に出させようとし、街を焼き滅ぼしたり世界を水没までさせた「神」のように。

 女の子達はみんな可愛く、作画を頑張っており、バトルに華やかさと迫力があって、最後まで目の離せないアニメだった。
 面白かった。
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アニメ | コメント:2 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

自分はこのアニメに対しては、人より評価が甘くあった。
何よりまどかの二番煎じにならなかっただけでも、良かったと思う。
柳の下のドジョウを追うのは容易い事だが、そうする事無く最終回を迎えたのは満足。
聞く所によると、最終回に関しては監督の岸と原案・脚本家のタカヒロは今回の路線を推し、シリーズ構成の上江洲誠は友奈だけは、あのままの状態で元には戻らない案を推したらしい。
上江洲案じゃなくて良かった。
2015-01-11 Sun 21:43 | URL | u12 #-[ 編集]
> 自分はこのアニメに対しては、人より評価が甘くあった。

 素直に面白かったと思いますよ。

> 聞く所によると、最終回に関しては監督の岸と原案・脚本家のタカヒロは今回の路線を推し、シリーズ構成の上江洲誠は友奈だけは、あのままの状態で元には戻らない案を推したらしい。

 ダークな終わり方の方が、シリーズとしての締まりは良かったし、評価も高くなった…のかも知れません。
 しかし、ぼくも、この救いがある終わりの方が好きですね。
2015-04-05 Sun 06:39 | URL | 飛龍 乱 #-[ 編集]

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