オタクのゴタク/飛龍 乱ブログ

『SHIROBAKO』最終24話.「遠すぎた納品」

 もうダメだ!を何度もくぐり抜けて完成させた最終回データ、各テレビ局へとアニメ会社の自主搬送により納品。
 またも「どう見たってそんな速度オーバーの演出じゃないだろ!」カーチェイスが見られ、楽しい。
この作品でアクションっぽいシーンがあるのは、これら車関係だけだから(作品内作品は二作ともアクション主体っぽいけど)、特に爽快。

 『第三飛行少女隊』最終回の内容に、原作者が全ボツを出した下り。
自分が原作者なら、少々意に沿わない所があったとしても真面目に考えて作られたものだと感じられれば…いや、各所に迷惑が掛かる「大人の事情」的なモノも勘案して、OKを出してしまいそう。
 だから、漫画家・野亀も、以前のアニメ化作品では、凄くテキトーだったらしい制作姿勢でさえ原作者チェックを通したのか(スタッフを信用して原作者ノータッチ、だったのかも)。
 そうした結果の駄作アニメ化に傷ついた…原作を愛してくれたファンまで傷つけた、なら、今回のアニメに対し強くダメを出した気持ち、分かる。
 監督・木下と直接対面し、深い原作理解からの停滞ストーリー打開策提案を受け、アニメのみならず原作の流れまで決定してしまう。
「変な話」を連発する、いい加減な担当編集者との打ち合わせでこれだけのテンション上昇があるとは思えず、嬉しくなってしまう様子に納得。
役に立たない編集者キャラの存在は、ここに至るための伏線…でもあったろうか。
作品に真摯で気難しくさえある漫画家氏が、あんな態度の編集者を受け入れるかはちょっと疑問だけど(現実には、人気作家に、無能どころか作家の感情を悪化させるばかりの編集が付くことも、ある)。

 原作者が、アニメのキャラクターデザインに延々描き直しを求めた話。
もう、辛くて辛くて。
 「もっと目をキツくして」とか「大人っぽく」といった要請には、応えられる。
しかし「違う、やり直し」ぐらい具体性を欠いた指摘で、全面的に描き直させられると、個人的には三回目ぐらいで、もうどうしたら良いのか分からなくなり途方に暮れてしまう。
 投げ出さず、最後まで描き続けたキャラデ女性アニメーターさん、エライなあ。
これがプロフェッショナルか!

 なかなか認められなかった声優志望のしずかが、『第三飛行…』での「見失いかけている今の生き方を、諦めるか、踏みとどまるか」という彼女自身の現状と 重なるヒロインのストーリー分岐点で、「諦めない!」が選択されたために生まれた新キャラクターの担当声優に抜擢されるトコロ、実に上手い。
腐らず、懸命に演じたオーディションでの努力がもたらした成果。
 声優さんは、才能や技術があってさえ、長く続けることがとても難しい職業。
アニメーションに関する全ての職種で、最も過酷なものじゃなかろうか。
だから、フィクションのキャラクターではあるけれども彼女には、頑張って、と思わずにいられない。
 しずか担当の声優さん…千菅 春香さん、も、「しずかを演じる」上に「彼女が演技して作中アニメキャラクターの声をあてている」状態を見事、というか当たり前のように自然に表現できており、技術力の高さに感動。
 だから、話題作りだけのために洋画吹き替えなどでアイドルや芸人をポッと声優に使うのは、観客や、声優というプロの仕事に対する侮辱だと……いやここでは関係ない話。

 前も書いたけどこの作品、アニメーションの制作現場というと「宮崎駿率いるジブリ」ぐらいしか知識にない(テレビで見た事ない)ごく普通の人達にとって、なかなか、驚きの内容だったのではないかと思う。
 まだ夢、というか理想に向かって頑張る人々をポジティブに明るく描いており、アニメが抱える「暗部」については触れていない・触れないようにしている、 とはいえ、バトル漫画風で結構ファンタジーだった『バクマン。』(好きだけど)より、ずっと現実に即していると感じられる。
アニメ制作を将来の仕事に考える若い方には是非見ておいて欲しい、NHKで放送しても良かったぐらいの作品。
 面白い、見る価値のある、元気が出る、放送中は仲間内の話題がまずこれだったアニメ。
 続編はない、これで完結だろうな。
作るとしたら、あおいが監督なりプロデューサーに就任し、友人達との夢だった『神仏混淆 七福陣』を商業アニメ化するものになる?
どうも『七福陣』、面白くなりそうな匂いがしないんだけど(笑)。
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