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『ルパン三世 グッバイ・パートナー』

 26作目のテレビスペシャル。
 監督は、『サイボーグ009VSデビルマン』『真ゲッターロボ 世界最後の日(今川監督以降)』『鋼鉄神ジーグ』、同ルパンスペシャルでは『お宝返却大作戦!!』を手がけた川越淳。
脚本は、テレビドラマの仕事がほとんどでアニメはほとんどやってない?秦建日子。

 良かったのは、アクションにそれなりの緊張感があったこと。
緊張感……うーん、「どうせルパン達には絶対当たらないのに延々撃ち合いをやっている」といったムダなシーンがなかった、って感じかな。
 ルパンが大馬鹿ではなく頭は良いのだ、と思わせようと努力していた。
 次元・五ヱ門は見せ場を心得ており、浅知恵で裏切りに失敗し最後はルパンに泣きつく不二子、というパターンに嵌めず進めたのも良かった。
 無能でない銭形は、特にスペシャルでは珍しく、嬉しい。
 敵側に付いてしまった次元とすぐには馴れ合わず、ラストも別行動を取るルパンは、渋いイメージ。

 残念なのは……何といっても、構成の全体的ゴタゴタ。
 今回、テーマとなる部分が「次元の裏切り」「次元と関わりがあり、音楽に関して優れた能力を持つアリサ」「量子コンピュータの、進化する人工知能」と散らばっていて、散漫な印象になっている。
 次元について、視聴者は誰も本気でルパンと敵対しているとは思わない。
これが、作っている方もそういう意識だと思え、「なんちゃって裏切り」だというのがありありと見えてしまう。
さして重要な要素ではないなら、もう丸ごと削って良かったような。
 アリサ。
次元に救われる少女と、謎を解き危機を救うため必要なピアニスト、二つの役割が重ねられている。
後者、ピアノを弾くという行為を、彼女にとって、「次元との絆・追憶」「どうしても越えられなかった演奏障害への克己」などのように特別な意味を持たせていないため(母親との繋がりはあるにせよ)、ストーリーを進行させる小道具然。
不二子が演奏に参加することで、彼女が存在する意味自体、薄くなっているし。
 人工知能・エミルカ。
従順なプログラムから、自己防衛機能の暴走、更に進化した(人間に近い)方向へ進化と、面白くなりそうな設定なんだけど、実際にはこれもキャラが薄くて物足りない。
彼女は脅威なのか希望なのか、富の再分配を公平に行うことから希望かな……しかし人間になって何を?

 ヒロインが、アリサ・エミルカ・他シリーズに似ず可愛く描けている不二子と三人も居て、全員描き足りていない。
不二子は削れないだろうから、「人工知能に、かつて次元と関わりがあり死亡した女性の人格が使われている」として、アリサとエミルカをまとめてしまう手でも。
 やりたいことが沢山あったのは分かるし、ダラダラ時間を費やすパターンも多いスペシャルの中では、何かやろうという気持ちを好意的に捉えられるけれども、詰め込みすぎて未消化はやはり悪手。
 惜しい、及第点。
 テレビシリーズ『PART5』が非常に良く出来ており、デジタル技術の進化、対抗するルパンのアナログで意外な発想、という図式もキレイに嵌まっていたため、こういう題材のスペシャルなら、そのまま同じスタッフで……という訳にはいかなかったのかな。
逆に、切り口を変えてもう一回、というのは難しいか。
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