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『ルパン三世 PART6』10.「ダーウィンの鳥」

 脚本は、再度登場の押井守。
 「天使の化石を巡る物語」というのは、幻の押井版映画『ルパン三世』のプロットと同じ。
 とはいっても、監督のことだから「なんじゃこりゃあ」みたいな話にしちゃうんだろうな……
 なんていう予想を裏切り、意外や意外と、映画が完成していたならこういう内容だったのかも、と思わせるストーリー。

 不二子と謎の依頼主が交わす長々としたウンチク会話では、ヘミングウェイの悪夢再び?と嫌な予感がよぎってしまう。
興味深いというか、「へぇ、そうなんだ」という話ではあったけれど。
 後半は大英博物館に挑む盗みのプロセスとなり、それ自体は斬新なものではなかったものの、監督の「神」へのアプローチ姿勢が感じられて、なかなか。
 不二子による博物館防犯プログラムへのハッキングと同時に、ミカエルが変装したルパンによる時間流改変が行われており、「同じ時間を何度も繰り返す」押井作品お馴染みの展開に。
 幻の映画版で、天使の化石の正体は原爆だった……ということらしいけど、今回はそのまま?堕天使ルシファー。

 神の真意は、進化論の否定?堕天使の回収?
どちらにしても、時間さえ操作できる能力があるなら、もっと早く、不二子の手など借りずとも実現できそう。
 劇中、ルパン・ミカエルが「俺は不二子の守護天使だからな」と語っていた。
その言葉が嘘でないとすると(ミカエルは「嘘」は一度も言ってない?)、彼は真実、不二子を守護する天使だったことになる。
 盗んで、騙して、他者を傷つけて生きる不二子への救済策として、「神」の依頼を叶えることによる減刑を目論んだのかなあ、とか。
 あるいは不二子こそがルシファー、もしくはその化身であり、堕ちたその身に差し出された神の手がミカエル……だいぶ妄想気味。

 ラストはパッと見、ループして最初に戻り、依頼に応じないルートへと入ったように思えるけど、二度目は博物館内でも不二子がコートを着ており、外に雪が降っていることから、より寒い時期だと分かる。
もしこれがミカエルとの最初の出会いであれば、迎えの車に乗ってすぐ「神様の依頼」と理解しているのも、彼の名を「ミカエル」と発音の正しさを確認しながら呼ぶのも、不自然。
 結局不二子は、「神」に仕えることによる救済を拒否してしまったのか。
 宗教が描く神の国って、なんか窮屈で退屈そう、などと考える不信心者の自分には、不二子の選択も分からなくはないなあ。
 今回のストーリーは、何段階かの深読みが可能だと思われ、こんなんじゃ浅い?というのが不安。
その辺も含め、「ルパンとして」はともかく、「押井守作品として」面白い内容だった。
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