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『とらドラ!』13.「大橋高校文化祭(後編)」

 大河と父親の関わり、周囲で起きていた竜児と実乃梨の感情的対立、それら全ての解決編。
 キャラクター個々の感情面を、表面に見えるだけではなく、ずっと深い所まで描いており、それを受けた相手の反応もまた通り一遍ではなく複雑なもので、読み取れれば読み取れるほど味わい深く、面白く見られるだろう。

 前々回、大河に父親の誠意を認めるよう詰め寄る竜児が、自分のその気持ちは「大河を思ってのもの」ではなく「自身の亡き父親に向けたもの」ではなかったか、と気付き、これまで見せた事の無かったような表情をしてしまう。
 元々父親を認めたい気持ちは心の底にあったのだろうが、その激しい痛みを伴う竜児の表情に、自分の抵抗が彼の心の奥底に沈めた「傷」に触ってしまう、気付かせてしまうのだと感じ取った大河は、「もうそんなツラするんじゃない」と、「竜児のため」父親を受け入れる事に決める。
 そうして、ようやく修復した大河と父親の仲を否定的に捉える実乃梨を、竜児は容れる事が出来ない。
都合の悪い事に目をつぶってでも、彼女の父親は正しく、誠実で、価値のある存在で「なければならない」。

 何があったかは分からないけど、約束をスッパリと破り一緒に暮らす計画も反故にする大河父は、スチャラカが過ぎて逆にちょっと面白くなってしまうキャラ。
趣味や興味、「一番大事なもの」が次々変わっていく、一貫しない軽やかな人間性の持ち主なんだろうな。
 友達としてなら付き合ってみても楽しそうに思うが、父親として、しかも孤独に過ごしてきた大河の気持ちを受け止めるべき父親としては、最悪。
 一途な恋愛感情を持ち続けている(ちょっと揺らいでいるが)大河・竜児らからすると、認められないし認めてはならない存在だろう。

 恐ろしい形相で走り出す竜児、アタシの屍を乗り越えていけ!とばかりに援護攻撃を行う実乃梨、一緒でなければ意味がないと手を差しだした竜児と共にゴールを切る二人、それを見つめる大河。
どうしようもない親がもたらした、どうしようもない苦しさを(実乃梨が見せた意外にダークな部分の印象と合わせて)吹っ切るに十分なアクション劇。
楽しく、爽快で、ホロリと来る。
 文化祭の終りを告げる炎の中で、様々な想いが昇華されていき、「青春だなあ」という心地良い感想を持って見終えられてしまう、良いエピソードだった。
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